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「急騰の反動から利益確定売り・戻り売り優勢」

「10月の自動車輸出は35%増加」

「半導体製造装置の輸出減少、中国向けは31%増加」

「"株価は正しい"――ならば来年の半導体投資活発に」

 

 

11月16日の東京株式市場では、最近の急騰の反動から利益確定売り、戻り売りに押されました。

 

 

財務省は16日、10月の貿易統計を発表しました。10-12月期の日本企業の業績動向を予想する上で重要なデータです。円安・外貨高の状況下、輸出が伸びている業種は利益が増加していると考えられます。輸出が増加している製品、減少している製品をそれぞれ調べておくと良いでしょう。

 

 

世界向け輸出(10月)

 

増加している製品

自動車  16401億円(+35.4%)

航空機類    371億円(+35.1%)

船舶          1283億円(+37.3%)

建設・鉱山機械1693億円(+14.0%)

荷役機械       717億円(+3.1%)

 

減少している製品

医薬品            827億円(-13%)

鉄鋼             3763億円(-3.1%)

原動機          2696億円(-3.7%)

半導体等電子部品5279億円(-3.3%)

半導体製造装置   2858億円(-18.2%)

ベアリング        427億円(-16.8%)

 

 

自動車輸出の高い伸びが続いています。日本の自動車メーカーの7-9月期利益は歴史的な水準に膨れ上がりました。10-12月期の業績においても、10月の月次収益は順調な結果になったようです。

 

 

株式市場の主役である半導体製造装置メーカーですが、10月の世界向け輸出は18%減少と厳しい状況が続いています。地域別輸出状況を見ると面白い部分が浮き彫りになります。

 

 

半導体製造装置の地域別輸出動向(10月)

米国  499億円(-4.8%)

EU  166億円(-11.6%)

中国  1379億円(+31.7%)

韓国   279億円(-42.7%)

 

 

米国向けやサムスン電子を軸とする韓国向け輸出が減少する一方で、中国向けの半導体製造装置輸出は大幅な伸びを記録しています。

 

 

中国向けの半導体製造装置の輸出は、7-9月も堅実な伸びを示していました。以下に示します。

 

中国向け半導体製造装置輸出の推移

71405億円(+13.7%)

81113億円(+0.9%)

91666億円(+25.3%)

 

 

今後の規制強化に備えて、中国の半導体メーカーは、現在輸入できる半導体製造装置を積極的に購入しています。この中国企業の購入があっても、半導体製造装置全般の輸出は厳しい状況です。

 

 

株価は将来を予測して動きます。今週の半導体製造装置メーカーの急騰を見ると、株式市場は来年以降の半導体製造装置の輸出急増を強く意識しています。株価が間違えることがないのならば、実際に来年の半導体需要は盛り上がり、半導体投資は活発化するはずです。「株価は正しい」の仮説を確認する上で、来年の半導体需要は特に注目されます。

 

 

 

11月16日午後3時20分記

 

 

 

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