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「半導体関連株人気が続く」

「堀場製作所・レゾナックが新高値、12月決算企業の来期業績拡大に期待」

「いすゞが連日の大幅高、販売台数下方修正でも異例の強さ」

 

 

 

11月14日の日本株は上昇しました。引き続き半導体関連株が買われました。最近、この欄で何度も書いていますが、TSMCの10月売上高の急増を受け「半導体市況の底打ち→来年以降の半導体市場拡大」が強く意識されています。レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコなど、売買代金上位の常連銘柄が上げています。

 

 

来年以降の収益拡大期待にどの程度自信が持てるか、これが株価の上値を決めます。11月半ばになると、あと1か月半で12月本決算企業は新年度に入ります。「24年12月期の収益が拡大する12月本決算企業」が投資対象として注目されます。

 

 

堀場製作所(6856)が大幅高となり、7月高値を4か月ぶりに更新しました。同社は12月決算企業です。半導体製造装置の性能分析・計測装置で強みを持ちます。13日に9月締め決算を発表しました。営業利益の上方修正・増配を発表して大幅高です。

 

 

堀場製作所の23年12月期営業利益

13(実績) 104億円

46(実績) 73億円

79(実績) 106億円

1012(予想)145億円

 

 

4-6月期に対して、7-9月期実績が上回り、さらに10-12月期は水準が上に向かっています。この方向性が続けば、24年12月期の業績が上に向かう期待が生じます。本日の大幅高には「24年12月期」の業績が上を向く株を買いたい投資家心理が反映されています。

 

 

半導体関連事業の営業利益を抜き出して、以下に掲載します。

 

 

堀場製作所の半導体関連事業の営業利益

13    97億円

46    89億円

79    101億円

1012(予)76億円

 

 

半導体関連事業の10-12月期の営業利益は、7-9月期と比べて減る計画です。しかし、本日の株価上昇を見ると、半導体関連の営業利益には、会社計画の上積み余地が大きいと見られているようです。世界的な半導体関連株人気が堀場製作所のような株にも強い追い風になっているのでしょう。

 

 

レゾナック(旧昭和電工・4004)も10月の高値を更新しました。同社も12月本決算企業です。日立化成の買収により半導体材料事業を強化した企業として知られます。9日に決算を発表しました。1-9月期累計の営業損益は43億円の赤字でした。赤字決算ですが、翌日10日の株価は10%上昇(246円高の2600円)です。こちらも四半期ごとの営業利益推移を見てみましょう。

 

 

レゾナックの23年12月期営業利益

13 92億円の赤字

46 40億円の赤字

79 89億円の黒字

1012(予)77億円の赤字

 

 

7-9月期の収益が改善して株価急騰です。10-12月期は再び赤字に転じる会社側予想ですが、投資家はもう少し高い業績水準を予想しているのでしょう。今年度赤字見通しのレゾナックが急騰して新高値を付けています。24年12月期の業績給改善がなければ、今の株価の動きが説明できません。

 

 

「2024年の半導体材料の市場は拡大する」――この意識をもって、投資対象を探す姿勢が有効と考えます。

 

 

               ☆

 

 

いすゞ(7202)が連日の大幅高です。10日の決算発表後、2日間で株価が12%も上げています。業績上方修正・事業再編推進・自社株買い・増配の発表が好感されています。

 

 

いすゞは、今3月期の営業利益を200億円(2600億円→2800億円)上方修正しました。

 

いすゞの上方修正(200億円)

期初予想比修正要因

為替   +210億円

資材費  +180億円

売上台数 -230億円

 

 

為替の円安で210億円の上方修正要因が発生した。資材費も予想ほど上がらなかったので180億円の上方修正要因になった。売上台数は予想に届かなかったので、230億円の下方修正要因となった。為替と資材費抑制の要因により、全体の収益は上方修正された。こんな構図です。

 

 

トラックの売上が予想に届かなったけれども、利益は上方修正され、配当も増加して株価は急騰です。かなり「良いとこどり」をしている面もあるのでしょうが、「高利回り株・低PER銘柄買い」への強い意欲が感じられる株価動向です。

 

 

11月14日午後3時10分記

 

 

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