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「半導体関連株上昇、東京エレクトロンが1年10か月ぶりの史上最高値」

TSMC10月売上高急増、日本の半導体関連株の参考に」

「11月21日、NVDAが8-10月期決算を発表へ」

 

 

11月13日の東京株式市場では、半導体関連株が上昇しました。前週末の米国市場における半導体関連株の急騰を受けて。東京市場でも半導体関連株が全体を牽引しました。台湾の半導体受託生産世界トッププメーカーTSMCの10月の月次売上高が急増しました。TSMCの月次売上高推移を再掲します。

 

 

TSMCの月次売上高(前年同月比)

(単位100万台湾ドル)

7  177,616(-4.9%

8  188,686(-13.5%

9  180,430(-13.4%

10 243,203(+15.7%

 

 

TSMCは10-12月期の売上高について6016億~6272億台湾ドルを計画しています。10月の月次売上高は10-12月期売上高計画の上限に対して38.7%に達しています。TSMCの月次半導体売上高水準が過去最高となった事実を受けて、今後の半導体材料の需要が本格回復すると考えられています。

 

 

TSMCの設備投資は短期的に抑制の傾向を示していました。しかし、足元の売り上げ急増に伴い、今後の投資は再び活発になる可能性が出てきました。

 

 

そのあたりの期待が東京エレクトロンの株価に反映されています。同社は、日本の半導体製造装置メーカーで時価総額トップです。東京エレクトロンの株価は本日、上場来高値を塗り替えました。今年3月末の1対3株式分割を考慮すると、本日、22年1月に付けた上場来高値を1年10か月ぶりに更新しました。

 

 

東京エレクトロンの上場来高値更新は、世界の半導体関連株の来年の業績を考える上で参考になります。半導体関連の指標銘柄が1年10か月ぶりに高値を更新した事実は重要です。

 

 

半導体ウエハーメーカー大手のSUMCO(3436)の動きも象徴的です。SUMCOが8日発表した7-9月期の営業利益の実績は151億円でした。10-12月期計画は65億円と7-9月期比減少を計画しています。今12月期期末配当金は10円と上半期末の42円と比べると減少する見通しを明らかにしました。

 

 

決算発表翌日の9日のSUMCOの始値は1950円(前日比-67円)でした。「決算内容失望」の始値です。しかし、9日終値は2064.5円(+47.5円)に盛り返しました。本日は5月高値2184円を意識する水準まで上げました。投資家が足元よりも来年以降の利益回復を意識していると考えられます。

 

 

SUMCOの来年以降の事業環境見通し(決算説明会資料から抜粋)

 

「24年はデータセンター投資や底堅いEV・エネルギー分野に加え、低迷していたパソコンやスマホ需要の底打ちもあり、半導体生産の回復を想定」

 

「顧客は過剰在庫を抱えている。発注数量が戻るまでに時間差が生じる。シリコンウエハー需要は24年後半からの回復を予想」

 

 

来年の半導体需要は回復する。しかし、顧客在庫が過剰なため、ウエハーの需要回復は半導体需要よりも遅れてやってくる。この見方に対して投資家は買いで応えています。顧客在庫は重いとしても、24年後半のウエハー需要の回復が重視されています。

 

 

半導体関連株人気は、PCやスマホ、電気自動車、再生エネルギー、蓄電池等、幅広い産業分野の見方にもポジティブな影響を与えます。

 

 

世界の半導体関連株において、次のイベントは11月21日の「エヌヴィディアの第3四半期(8-10月期)決算」の発表でしょう。この数字如何によっては、半導体関連株が一段高になる可能性もあるし、短期的な人気後退につながる可能性もあります。21日までの約1週間においては、半導体関連株の個別物色が活発になりそうです。

 

 

一応、以下にエヌヴィディアの売上高推移を記載しておきます。

 

エヌヴィディアの売上高

11月-1月  60億ドル

2月-4月  71億ドル

5月-7月 135億ドル

8月-10  

 

 

11月13日午後3時10分記

 

 

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