「TSMCの10月売上高が急増、前年同月比15.7%増加し過去最高」
「TSMCの売上急増→米国市場で半導体関連株が軒並み大幅高」
「マイクロソフトが史上最高値を更新」
「来年以降の半導体市場の回復を織り込む展開」
TSMCが10日発表した10月の月次売上高は2432億台湾ドル(前年同月比+15.7%)となりました。7-9月期と比べると、劇的な改善です。以下に時系列で示します。
TSMCの月次売上高(前年同月比)
(単位100万台湾ドル)
7月 177,616(-4.9%)
8月 188,686(-13.5%)
9月 180,430(-13.4%)
10月 243,203(+15.7%)
TSMCの10月月次売上高は今年2月以来の前年同月比増加となりました。しかも15%の大幅な増加率です。昨年11月の2227億台湾ドルを大きく上回って、過去最高の月次売上高を記録しました。
TSMCの10月月次売上高の急増は、10日の米国市場における半導体関連株の急騰をもたらしました。
10日のNYダウは1.1%、ナスダック指数は2%上昇です。半導体関連株が軒並み大幅高です。TSMCの10月売上高急増を受け、来年2024年の半導体需要の回復、企業業績の拡大を期待し、株価上昇です。以下に半導体関連株の株価を示します。
AMD 118.59ドル(+4.49%)
NVDA 483.35ドル(+2.95%)
TSMC 97.44ドル(+6.35%)
インテル483.35ドル(+2.95%)
TSMCは6%上昇です。そして巨大IT株も上昇しました。マイクロソフトが7月18日の366.78ドルを抜き、史上最高値を更新しました。さらにアドビ(ADBE)も52週高値更新です。アドビは生成AIを活用した画像生成で先頭を走っている企業として位置付けられます。
TSMCの急騰、そしてマイクロソフト、アドビ、マイクロンの高値更新は極めて重要です。株式市場は再び、生成AI、クラウドサービス、半導体市場の成長を織り込み始めています。生成AI開発のためのデータ解析が活発となり、半導体需要が盛り上がる展開が意識されています。
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ミシガン大学は10日、11月の消費者態度指数速報値を発表しました。
11月ミシガン大学消費者態度指数(前月比)
総合60.4(-3.4)
現状65.7(-4.9)
期待56.9(-2.4)
消費者心理が低下しています。発表元の解説を以下に引用します。
「消「費者心理は4ヵ月連続で悪化し、11月は5%低下した。個人財政が現状・期待とも緩やかに改善した。しかし、長期的な経済見通しは、高金利の悪影響に対する懸念の高まりを受けて12%下落した」
「ガザとウクライナで続く戦争も多くの消費者の重荷となった。全体として、低所得層と若年層の消費者のセンチメントが最も強く低下した。一方で、株式保有者の上位3分の1の消費者のセンチメントは、最近の株式市場の上昇を反映して10%改善した」
「1年先のインフレ見通しは4.4%となった。9月の3.2%が10月に4.2%に大幅上昇し、11月もさらに上昇した。現在の予想値は4月以来の高水準だ。パンデミック前の2年間に見られた2.3~3.0%のレンジを大きく上回っている」
「長期インフレ予想も上昇し、先月の3.0%から今月は3.2%となった。2011年以来の高水準だ。ガス価格予想は、短期、長期ともに今年最高値まで上昇した」
イスラエル動向が米国民の消費心理を悪化させている面もあります。11月15日には米国の10月小売売上高が発表されます。
11月11日午前6時40分記