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「日本株上昇」

「エネルギー関連株、銀行株への売り圧力が薄れる」

「日銀"主な意見"――今後の長期金利政策は一段の柔軟化へ」

 

 

11月9日の日本株は上げました。昨日に大きく下げたエネルギー関連株、銀行株等のバリュー株に反発する銘柄が増え、全体も反発しました。

 

 

米国金利が当面のピーク(債券価格が当面のボトム)を付けたとの観点から、金利上昇を視野に構築したポジションを解消する動きがあります。日本株においては「バリュー株(低PBR、例えば銀行株)買い、グロース株(高PBR、例えば半導体製造装置メーカー)売り」のポジションを解消する動きが増えたようです。昨日の銀行株・エネルギー関連株の下落は、そのあたりの需給要因によると考えます。

 

 

昨日に下落したバリュー株は総じて反発しました。鋭角的とは言えませんが、ひとまずの落ち着きを帯びた動きです。

 

 

銀行株を例にすれば、大切なのは今後の収益水準が上がっていくかどうかです。短期的には特殊な需給要因によって動きますが、先行きの利益が増加して行く企業の株価は、上がるでしょうし、利益減少の方向性が続くのならば株価は下がります。

 

 

米国金利のピークアウトに伴い、日本国内の金利先高観も後退したとして、銀行株は下げました。金利上昇による貸出金利の利幅増加期待が後退したのでしょう。

 

 

国内金利動向を考える上で、本日、日銀から発表された「主な意見」(10月30日・31日開催分)が参考になります。抜粋して、以下に引用します。長期金利1%が「上限」から「目途」に変更され、イールドカーブ・コントロール政策の柔軟化が決定された会合です。

 

 

「イールドカーブ・コントロールの枠組みやマイナス金利は、少なくとも、2%の「物価安定の目標」を安定的に持続するために必要な時点まで継続する方針であり、その判断には、今後の賃上げ動向をはじめ、賃金と物価の好循環を、双方向からしっかりと確認していく必要がある。」

 

 

「内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、今後の情勢変化に応じて、金融市場で円滑な長期金利形成が行われるよう、イールドカーブ・コントロールの運用において、柔軟性を高めておくことが適当である」

 

 

「米国における長期金利上昇の影響を受けて、わが国の長期金利に想定外の上昇圧力がかかっている。粘り強く金融緩和を継続していく必要がある中、こうした状況を踏まえると、イールドカーブ・コントロールの運用のさらなる柔軟化が望ましい。」

 

 

「最近の物価指標や春季労使交渉に向けた経営者の発言等を踏まえれば、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現の確度は、7月の会合時点と比べ一段と高まっていると考えられる。このため、最大限の金融緩和から、少しずつ調整していくことが必要である。」

 

 

「昨年 12 月以降イールドカーブのコントロールの程度を少しずつ弱めてきているが、予想インフレ率が上昇し、実質金利が非常に低い中、緩和効果は十分保たれている。この段階での緩和効果と副作用のバランスとしては、今回柔軟化する運用が適切である。」

 

 

「名目長期金利の若干の上振れが起きても、実質長期金利はマイナス圏にとどまり、緩和効果は強いままと見込まれる。他方、連続指値オペにより名目長期金利を厳格に抑制し続ける場合、市場機能や市場のボラティリティの面で大きな副作用が発生するリスクは高くなっている。」

 

 

「将来の出口を念頭に、市場機能を重視した価格形成や債券市場を中心とした流動性改善のほか、低金利が続いただけに「金利の存在する世界」への準備に向けた市場への情報発信を進めることが重要である。」

 

 

今後の長期金利は、だんだんと市場に委ねられていく方向性が予想されます。日本国内の資金需要に応じて、長期金利が適切な金利水準を求めて動くとするならば、銀行株の収益チャンスは徐々に増えてくると考えます。

 

11月9日午後3時10分記

 

 

 

 

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