「原油価格一段安」
「日経平均の予想PERは14.5倍に低下」
「ここまでの決算発表で合計予想利益は2兆円弱の増加」
11月8日の米国市場では、原油価格が一段安です。6日に80ドル台だった原油価格は一時75ドルを割りました。10年債利回りは一時、0.06%Pほど低い4.50%まで低下しました。
日本時間の9日午前5時30分現在、米国株は小動きです。シェブロンは52週安値を更新、エクソンモービル、BP、シェル、ペトロブラスなど、資源株が下げています。
☆
日本企業の決算発表が佳境を迎えています。日経平均の採用銘柄225社の合計時価総額を「合計予想利益」で割った数値が「予想PER」です。企業が決算発表を実施し、予想利益を変更すると、PER値が変化します。
8日段階で、日経平均採用銘柄の合計時価総額は592.16兆円です。予想PERは14.57倍です。
592.16兆円÷14.57=日経平均採用銘柄の合計予想利益=40兆6424億円です。
決算発表前の10月19日は38兆7221億円でした。今回の決算発表を経て、ここまで1兆9203億円、約5%、予想利益が上方修正されました。
日経平均をその予想PERで割った数値が1株利益です。便宜的な数値です。以下に日経平均、予想PER、予想1株利益の粋を時系列で示します。
日経平均 PER 1株利益
19日31430円62銭 15.01倍2093円
20日31259円36銭 14.95倍2090円
23日30999円55銭 14.83倍2090円
24日31062円35銭 14.82倍2095円
25日31269円92銭 14.93倍2094円
26日30601円78銭 14.77倍2071円
27日30991円69銭 14.98倍2068円
30日30696円96銭 14.81倍2072円
31日30858円85銭 14.89倍2072円
11月
1日31601円65銭 15.21倍2077円
2日31949円89銭 14.81倍2157円
6日32708円48銭 14.99倍2182円
7日32271円82銭 14.80倍2180円
8日32166円48銭 14.57倍2207円
(PER、1株利益とも予想値)
日経平均の1株利益は、2日に急増しています。これは、トヨタが前日1日に業績見通しを上方修正したためです。そして今週以降、さらに1株利益が増加しています。総合商社の業績修正等が寄与しています。
1日時点で15倍を超えた予想PERは、昨日8日の下げで14.57倍に低下しました。6月8日の14.53倍以来の低水準です。
9月15日に日経平均が33533円09銭を付けた時、予想PERは16.09倍、予想1株利益は2084円でした。日本企業の業績上方修正によって、足元のPERは低下しました。今年の株価上昇を説明できる業績動向と言えます。
トヨタは24年3月期の純利益を1兆3700億円上方修正しました。ここまでの日経平均採用銘柄全体の予想利益上方修正幅「1兆9200億円」のうち、約7割を占めます。
収益規模の大きな企業の利益動向によって、日経平均採用銘柄の合計予想利益は大きく変動します。従って「日本企業全体の予想利益が順調に切り上がっている」との表現はちょっと難しいかな、と感じています。
11月9日午前5時40分記