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「短期急騰の反動で日本株下落」

「メイコーとCMK、ともに上昇率上位に」

「プリント基板メーカーの株価上昇、何を示唆するか?」

 

 

11月7日の日本株は反落しました。急騰に対する反動です。

 

 

昨日までの4日間累計で日経平均は約2000円、6.5%上昇していました。個別銘柄でも、直近3日間累計で14.6%上昇した富士電機(6504)、昨日1日で17%も上昇した日東紡(3110)が下落率ランキングで上位に入りました。足元で短期急騰した株に対して利益確定売りが膨らんでいます。だから本日の株価は「急騰の反動」です。

 

 

6連騰のNYダウの6日間累計上昇率は5.1%です。7連騰のナスダック指数は7日間累計で7.3%です。日経平均は10月26日終値30601円に対して、昨日終値までの上昇率は6.8%です。日経平均の上昇率はNYダウを大きく上回り、ナスダック指数に近い数値です。やはり、本日の株安は短期急騰の反動と捉えられます。

 

 

この5か月間、日経平均は概ね30500円~33500円のレンジ内で推移しています。上値を追って、新しいゾーンに移行するためには来年度=「24年12月期」、「25年3月期」の企業業績拡大への自信が強まることが必要になると考えます。

 

 

米国で金利のピークが確認されて「どこまで金利が上がるのか」の恐怖感から解放され、かつ来年度の業績水準が高くなれば、投資の魅力のある株も増えるでしょう。

 

 

その兆候はあります。電子部品株に見られます。

 

 

本日のプライム市場における上昇率上位銘柄、そして新高値銘柄に、メイコー(6787)と日本CMK(6958)が入っています。この2銘柄の共通キーワードは「プリント基板メーカー」です。プリント基板とは、電子部品・半導体が装着される基板で、様々な家電、情報端末、自動車に採用されます。

 

 

メイコーと日本CMKは6日、9月上半期決算を発表しました。

 

 

メイコーの79月期

営業利益33億円(+79%)

 

メイコーの7-9月期営業利益は前年同期との比較で約8割の増益です。4-6月期の9億円(-67%)に対して様変わりに改善しました。通期営業利益は従来計画から10億円上方修正され、100億円です。

 

 

営業利益を上期・下期に分けると、上半期実績の42億円に対して下期は58億円です。上期に対して下期は約4割、上の水準です。

 

 

メイコーの業績拡大は、売上高構成比の約半分を占める自動車向けが牽引したものです。しかし、「スマホ・タブレット」の7-9月期営業利益が「12億円の黒字」と4-6月期の「8億円の赤字」から大きく改善している点も注目されます。以下に分かりやすく書きましょう。

 

メイコーの営業利益

46月期

全体     9億円

車載     13億円

スマホ・タブレ8億円の赤字

 

79月期

全体     33億円

車載     16億円

スマホ・タブレ12億円の黒字

 

 

悪い悪いと言われるスマホ・タブレのプリント基板事業が急改善していることがわかります。

 

 

日本CMK6日に発表した7-9月期営業利益は約5億円(-20%)でした。減益決算ですが、4-6月期の5600万円(-90%)と比べると、改善しています。車載分野が予想以上の成果を収めているとして、今3月期の営業利益を30億円(期初予想比+3億円)に上方修正しました。

 

 

さらにCMKは6日、中期計画における27年3月期の営業利益目標値を95億円(従来計画比+15億円)に上方修正すると発表しました。24年3月期計画が30億円で、27年3月期目標が95億円に上方修正されたのですから、来年度以降の業績が高い伸びを示す計算となります。

 

 

電子部品関連企業にとって、電気自動車や安全性に秀でた車の市場拡大を受け、もともと車載市場の成長性が期待されていました。そこに、スマホやタブレット等、足元の業績を引き下げていた分野の底打ちを受け、来年度の業績に対する期待値が上昇してきました。

 

 

「プリント基板」をキーワードとするならば、「プリント基板に電子部品を装着するチップマウンター」の有力メーカーであるFUJI(6134)、プリント基板に穴を空けるドリルのメーカーであるユニオンツール(6278)の動向にも関心を持っておきます。

 

 

11月7日火曜日午後3時20分記

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