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「幅広く買われ米国株高、巨大IT株の予想PER低下」

「パナソニック、下方修正」

「自動車関連企業、下期は減速」

 

 

 

10月30日の米国株は上昇しました。巨大IT株、半導体関連株、金融株、消費関連株等、幅広い銘柄が上げました。上昇率は、NYダウが1.5%、ナスダック指数は1.1%でした。

 

 

主力株への売りが一巡する中で、買い戻しが先行したようです。株価水準が低くなったことで、割安感を抱く投資家も存在するのでしょう。

 

 

先週の下げの主役だったアルファベット(GOOG)の1株利益を以下に示します。

 

アルファベットの1株利益

19月期4.16ドル(+18.8%)

79月期1.55ドル(+46.2%)

 

 

直近3カ月の1株利益の変化率・水準がともに高くなっています。年間7ドル程度の予想1株利益も期待できる勢いです。そして株価です。

 

 

アルファベットの株価(30日)

125.75ドル(+2.35ドル、+1.90%)

 

株価125ドルならば、予想PERが16倍台です。巨大IT株の予想PERが低下しています。

 

 

同様にMETAの1株利益も見てみましょう。

 

METAの1株利益

19月期9.56ドル(+40%)

79月期4.39ドル(2.6倍増)

 

 

METAの1株利益も7-9月期の変化率・水準がともに高くなっています。年間15ドル、楽観的な見地からは年間20ドルの1株利益を描くことも可能な勢いです。

 

 

METAの株価(30日)

302.66ドル(+5.93ドル、+2.00%)

 

 

METAPERが急低下しています。

 

 

PER低下は、先行きの企業収益に対する警戒感を示します。先行きの利益に不透明感が強いからこそ、PERが低下しています。

 

 

だから、PER低下=買い――ではないのでしょう。しかし、米国高金利に圧迫された結果、利益水準と比べて株価が低下してきた事実は覚えておきます。

 

 

               ☆

 

 

日本企業の決算発表が活発です。パナソニックは30日、2024年3月期の営業利益を従来計画に対して300億円下方修正しました。部門別動向と合わせ、以下に記載します。

 

 

パナソニックの243月期営業利益

(従来計画比)

全体      4000億円(-300億円)

 

くらし     1260億円(-250億円)

オートモーティブ 340億円(+160億円)

コネクト     500億円(+140億円)

インダストリー  280億円(-305億円)

エナジー    1130億円(-200億円)

 

 

オートモーティブ(自動車)やコネクト(航空関連等)は上方修正されましたが、住宅、通信、FA、電池関連は下方圧力が働きました。

 

 

パナソニックのセグメント別動向は、幅広い産業界の状況を見る上で参考になります。

 

 

パナソニックのオートモーティブセグメントが上方修正されたように、自動車関連業界の業績は上向きです。自動車用プラグを主力とする日本特殊陶業(5334)は30日、24年3月期の営業利益を「従来計画比+135億円の1100億円」に上方修正しました。上期と下期に分けて見ましょう。

 

日本特殊陶業の営業利益

上半期実績570億円

下半期計画530億円

 

 

下半期は上半期よりも若干落ちる見通しですね。他の自動車関連企業の営業利益計画も上半期、下半期に分けて見ましょう。

 

東海理化(6995

上半期実績202億円

下半期計画118億円

 

 

フタバ産業(7241

上半期実績94億円

下半期計画55億円

 

 

愛三工業(7283

上半期実績85億円

下半期計画75億円

 

 

やはり、自動車関連企業の下半期収益は上半期実績よりも落ちるようです。

 

 

自動車関連事業の比率が高い電子部品メーカーのアルプスアルパイン(6770)は通期の営業利益見通しを据え置きました。下半期のドル円前提レートを従来の125円に対して140円に変更しました。しかし、利益見通しは据え置きです。

 

 

アルプスアルパインは利益見通しに対して「市況低迷により下振れリスクあり」としています。スマホ市場の見通しは11億台(期初予想12億台)としています。自動車生産台数は8800万台(期初予想8600万台)に上積みしましたが、中国市況低迷(外資ブランド苦戦)で、下期の事業環境は下向きとしました。

 

10月31日午前5時20分記

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