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「日本株上昇――"今晩の米国株は高いぞ"」

「時間外取引でインテル7%高、アマゾン5%高」

「決算発表翌日の大幅安――キヤノン、イビデン、武田、カプコン」

「"グローバル企業の上方修正・増配"への先回り買いが入っているのか?」

 

 

 

10月27日の日本株は上げました。「今晩の米国市場が高くなる」との期待から上昇です。

 

 

26日の米国市場の取引終了後に決算を発表したインテル、アマゾンが時間外取引で上昇しました。インテルは7.6%、アマゾンは5.3%上昇です。また、時間外取引では、NVDAが1.4%、AMDが1.9%上昇するなど、下落の中心だった半導体関連株も上げています。

 

 

今週の米国株は、決算を発表したアルファベットの急落を受け、ナスダック上場株中心に下げていました。今晩27日の米国市場においてインテルとアマゾンが上昇するならば、幅広い銘柄に対して買い戻しが入る可能性が高くなります。米国株高を先取る観点から、日本株にも買い戻しが活発になりました。

 

 

              ☆

 

 

気掛かりな動きもあります。売買代金上位銘柄では、イビデン、武田薬品、キヤノン、カプコンが大幅安です。これらは前日に決算を発表した企業です。

 

 

それぞれ下落要因はあります。イビデンは下半期の収益を下方修正、武田は薬品に関する減損損失を計上、キヤノンは売上高見通しを下方修正、カプコンは7-9月期実績が物足りない。

 

 

それぞれ要因はありますが、基本的に株価下落は「決算内容が投資家の期待値を下回った」ことが要因です。

 

 

キヤノンは12月期の利益予想を据え置いています。売上高後方修正でも、利益見通し据え置きならば、大きな悪材料は発生していないように見えます。しかし、株価は下げました。この下げを直視し、「何故下げたか?」を考えます。

 

 

何故下げたか?利益見通し据え置きでも下げたのだから、投資家は上方修正を期待していたと考えられます。「キヤノンのように海外売上高比率が8割に達している企業ならば、この円安の追い風によって利益上方修正が有望だろう」と見ていた投資家が多かった。だから利益見通し据え置きは投資家の期待に届かなかったのでしょう。

 

 

「業績が上方修正され、ひょっとしたら12月期末配当金の増配もあるかもしれない。ならば、キヤノンの株価はこれから期末の配当権利取り意識を交えて力強い動きになる」――こんな期待を抱いて先回り買いを入れた投資家が存在した。しかし、利益見通しは据え置かれた。先回り買いをしていた投資家の思惑が外れてしまった。だから、本日のキヤノン株には売りが膨らんだ、こんな風に考えるべきでしょう。

 

 

キヤノンに「上方修正・増配の期待」が働いていたのならば、それは、日本の輸出型企業全般に当てはまるのかもしれません。上記のような期待を念頭に置いて、トヨタやブリヂストン、ヤマハ発動機等に先回り買いを入れている投資家も存在するでしょう。

 

 

「海外売上高比率の高い企業の収益は円安を受けて膨れる。場合によっては増配もあり得る」は、誰もが予想することです。そう予想した投資家は既に先回り買いを入れています。「上方修正が実行されない」ことを理由に、決算発表後に短期的に株価が下がるグローバル企業が増えてこないか、ちょっと心配しています。

 

 

10月27日午後3時10分記

 

 

 

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