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「米国株高受け、日本株も高い」

「"完成車需要>自動車向け電子部品需要"に警戒、ニデックとKOAが新安値」

 

 

 

10月25日の日本株は上げました。「米国株高受けて日本株も上昇」です。今のところ、日経平均の31000割れは短期間に留まっています。

 

 

しかし、決算内容への反応を見ると、警戒される面もあります。決算発表後に急落したニデック(6594)が連日の新安値です。そして、本日は決算発表翌日のKOA(6999)も大幅安、約半年ぶりの新安値となりました。。

 

 

KOAは24日、24年3月期の営業利益を従来の67億円に対して23億円に修正しました。同社は、電力を制御する電子部品=抵抗器のメーカーです。ハイブリット車や電気自動車向け部品を供給します。売上高の約半分が自動車業界向けです。

 

 

KOAは下方修正要因を「産業機械、民生機器中心に日米中で顧客の在庫調整が継続、需要回復は来期以降にずれ込む」と説明しています。以下に用途別の売上高を記載します。

 

 

KOAの今上半期・用途別売上高

  前上期比 前下期比

電源-32%  -25

通信-14%   -9

家電-33%  -22

産機-10%  -10

自動車-1%  -5

 

 

全分野で売上高が減少しています。気になるのは、最終需要の強い自動車向けの売上高も減少している点です。7-9月期における自動車の世界需要は増加しています。しかし、KOAの自動車向け売上高は前上半期比、前下半期比とも減少しています。

 

 

昨年は、サプライチェーン混乱を受けて、完成車メーカーが在庫を積み増していました。現在は、その混乱が終了し、生産が軌道に乗っています。

 

 

非常時に積み上げた在庫を正常化させる段階に来ました。自動車メーカーが在庫を正常化させるに伴い、部品メーカーへの新規発注が抑制されます。「自動車の最終需要ほど部品需要が伸びない」状況につながっています。

 

 

7-9月期の自動車市場を把握する上で、面白いデータがありましたので、以下に紹介します。米国自動車メーカーのGMが24日に発表した決算資料です。各地域の自動車販売動向です。

 

 

各地域の自動車販売(GMの決算資料)

◎北米

業界全体502万台(+17%)

GM   79万台(+20%)

 

 

◎中国

業界全体649万台(+2%)

GM   54万台(-14%)

 

 

◎中国以外のアジア、太平洋地域・中東・アフリカ

業界全体537万台(+6%)

GM   16万台(+37%)

 

◎南米

業界全体98万台(-1%)

GM   12万台(-7%)

 

 

業界全体の数字を見ると、7-9月期の完成車市場は順調に拡大したことがわかります。自動車向け電子部品の増加が予想される環境下なのですが、完成車メーカーの倉庫内にどのくらい在庫があるのか、そこを意識して決算発表に備えます。

 

 

10月25日午後3時10分記

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