「決算発表本格化⇔米国長期金利5%に勝てるか」
「個別企業の人気化が全体を下支えへ」
「米国・中国の需要を取り込む企業の決算に期待」
10月20日の東京株式市場は、重苦しい展開が続きました。
来週は米国で巨大企業の決算発表が本格化します。日本でも決算発表が始まります。「米国長期金利水準5%を前提にしながらも、企業業績動向は株式投資対象として魅力が残るのか」――そこが重要です。
長期金利5%に中東情勢の不確実性が加わりました。世界の株式市場の時価総額の総和がどんどん増えていく展望を抱くのは難しいのでしょう。しかし、企業内容と比して株価が割安な位置にある企業は必ず存在します。
決算内容を受けて、売られる株、買われる株、様々でしょう。買われる株が存在することでバランスが保たれ、全体が大幅安になる展開は一巡するのではないか、と考えています。
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日本企業の事業環境に関するデータを整理しておきます。
米国小売売上高
(前年同月比)
7月+2.6%
8月+2.9%
9月+3.8%
7-9月期における米国消費は堅調です。米国地域における収益環境は良好でしょう。そして、以下は米国向け自動車輸出(経済産業省)の推移です。
米国向け自動車輸出(単位億円)
7月5650(+34.1%)
8月5003(+51.0%)
9月5908(+34.0%)
7-9月期において、日本国内生産自動車の米国向け輸出が大幅に伸びています。今の為替レートで輸出がこんなに伸びているのですから、自動車会社の利益は高水準と考えられます。
そして、中国における自動車生産状況も記しておきます。
中国の自動車生産(国家統計局)
7月232万4000台(-3.8%)
8月251万3000台(+4.5%)
9月283万3000台(+3.4%)
中国経済が不動産劣化問題を抱えているのは事実でしょう。ただ、自動車生産は高水準です。9月の生産台数は283万台です。過去最高の月間生産台数は2021年12月の296万6000台です。9月の生産台数は、それに次ぐ史上2位の生産水準です。中国の生産や消費に関して、堅実な実績を残している日本企業は着実に存在します。
そのうち、電気自動車(新エネルギー車)生産台数を以下に記します。
中国の新エネルギー車生産
7月61万9000台(2.1倍)
8月71万4000台(2.1倍)
9月75万8000台(2.1倍)
中小型企業も含め、うまく需要を取り込んで収益を伸ばす企業は存在します。収益・配当動向と比べて株価が安ければ買われる、それが株式市場です。
10月20日午後3時10分記
(次回は10月25日の掲載となります)