「JPモルガンダイモンCEO、"世界はこの数十年間で最も危険な時期"」
「原油価格5.8%高、中東情勢を警戒」
「ナスダック指数1.2%安」
「JPモルガンが決算発表、株価上昇」
「ミシガン大学10月消費者態度指数が急低下」
10月13日の米国市場では、原油価格が5.8%高、急騰しました。中東情勢に対する警戒感が強まりました。ナスダック指数は1.2%下落しました。一方でNYダウは0.1%上昇です。NYダウ採用銘柄のユナイテッドヘルス、JPモルガンが決算内容を好感して上昇、原油価格上昇を受けてシェブロンも上げました。採用銘柄の一角が牽引してNYダウは上昇しました。
決算発表が始まった金融機関の株価は総じて堅調です。以下にJPモルガンの決算内容についてお伝えします。
JPモルガンの7-9月期
(カッコ内は4-6月期との比較)
営業収入 398億ドル(-3%)
貸倒引当金 13億ドル(-52%)
利益 131億ドル(-9%)
1株利益 4.33ドル(-9%)
証券関連業務の減収によって、営業収入は伸び悩みました。しかし、貸倒引当金の減少は前向きに捉えられました。貸した金が返済されない新たなリスクの発生量は4-6月期よりも鈍化しました。株価上昇です。
JPモルガンの株価(13日)
148.00ドル(+2.19ドル、+1.50%)
決算資料に掲載されているジェイミー・ダイモンCEOのコメントの主旨を以下に引用します。この人は米国金融業界の重鎮です。
ジェイミー・ダイモンCEOのコメント(抜粋)。
「当期は132 億ドルの純利益を計上した。しかし、この業績は、純利息収入と通常を下回る与信費用の双方で過大な利益を計上したと認識する」
「現在、米国の消費者は余剰資金を使い果たしつつあるが、消費は好調である。しかし、労働市場の逼迫が続いている」
「政府の債務水準が極めて高いことからも、米国経済のリスクは高まっている。インフレが高止まりし、金利上昇のリスクが高まっている。加えて、量的引き締めが長期的にどのような結果をもたらすかはまだわからない」
「ウクライナ戦争と先週のイスラエル攻撃は、エネルギー市場や食糧市場、グローバル金融市場など広範囲に影響を及ぼす可能性がある」
「世界はここ数十年で最も危険な時期かもしれない。我々は最善策を講じ、様々な事態を想定して準備を進める」
This may be the most dangerous time the world has seen in decades.(世界はこの数十年間で最も危険な時期かもしれない)のコメントは記憶しておきます。
また、量的引き締めの影響への言及がありましたので、今後、FRBのバランスシート縮小のデータを継続的に見ることが必要と感じました。
☆
ミシガン大学は13日、10月調査の消費者態度指数速報値を発表しました。
10月ミシガン大学消費者態度指数
(カッコ内は前月比)
総合 63.0(-5.1)
現状 66.7(-4.7)
先行き60.7(-5.3)
厳しい落ち込みです。発表元のコメントを抜粋して以下に引用します。
「10月の消費者心理は約7%低下した。インフレ懸念の大幅な高まりを受けて、個人金融に対する評価は約15%低下した。1年後の予想景況感は約19%急落した」
「長期的な予想景況感はほとんど変化していない。現在の経済状況悪化は長続きしないとの消費者の認識を示している。物価高の重圧継続を受け、全ての層で景況感が後退した」
「1年先のインフレ予想は先月の3.2%から今月は3.8%に上昇した。これは今年5月以来の高水準。パンデミック前の2年間に見られた2.3-3.0%のレンジを大きく上回る」
「長期インフレ期待は先月の2.8%から今月は3.0%へと上昇した。長期インフレ期待は、パンデミック前の2年間に見られた2.2〜2.6%のレンジに比べ、依然として高水準にある」
消費者心理の悪化が警戒されます。
10月14日午前6時20分記