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「米10年債利回りが急低下・株高」

「再生エネルギー関連株が軒並み大幅高」

「空売り比率急低下・日本株買い戻し活発化」

「景気ウォッチャー調査、現状・先行きとも低下し50割れ」

 

 

 

10月10日の米国株は続伸しました。上昇率は、NYダウが0.4%、ナスダック指数が0.58%でした。

 

 

FRB関係者から「今後の利上げに消極的な発言」が相次ぎ、金利が低下しました。米国10年債利回りは一時、0.18%Pも低下して4.61%台の取引となりました。先週金曜日の4.88%に対して約0.27%Pも低下しています。2年債利回りは5%割れです。FED WATCHによると、年内の利上げ確率は27%、1週間前の47%に対して低下しています。

 

 

金利低下・株高です。今後、9月の物価指標を見ながら、金融政策見通しを確認する段階に入ります。

 

 

                ☆

 

 

10日の米国市場では、再生エネルギー関連株が軒並み大幅高です。太陽光発電関連業務を展開するファーストソーラー(FSLR)が5.4%高、同じくサンパワー(SPWR)が12%高、カナディアンソーラーが5.8%高です。インドで再生エネルギー事業を展開するリニュー・エナジー・グローバル(RNW)は11%高でした。

 

 

                ☆

 

 

昨日10日の日本株は大幅上昇しました。下落局面で空売りを入れていた投資家の買い戻しが大量に入ったようです。

 

 

「買い戻しの量」は「空売り比率低下」から計ることが可能です。空売り比率が大幅に低下して38%となりました。9月15日以来の低水準です。空売り比率の急低下は「下げ場面で空売りを入れていた投資家が買戻しを活発化させたため、空売り株数が急減少した」と受け止められます。空売りと買い戻しの注文を同時に発注しても意味がないので、買い戻しの注文で忙しい時には空売りの注文が減るとの発想です。以下に空売り比率の推移を示します。

 

 

10

2日 41.5

3日 47.8

4日 47.0

5日 45.3

6日 43.3

1038.0

 

 

10日の空売り比率38.0%は、9月15日の37.6%以来の低水準でした。

 

 

               ☆

 

 

内閣府は10日、9月の景気ウォッチャー調査の結果を発表しました。現状DI、先行きDIとも前月比で低下して50を割り込みました。個人消費動向を見る上で警戒すべきデータです。

 

 

9月景気ウォッチャー調査

 

景気の現状判断DI 49.9 (-3.7)

景気の先行き判断DI49.5 (-1.9)

 

 

現状判断DIを業態別にみてみましょう。

 

現状判断DI

小売     48.2 (-6.1)

飲食   52.9 (+0.3)

サービス 52.4 (-3.4)

 

 

 

特に小売業の低下が目立ちます。企業から公表されている月次売上高を見ると、客単価上昇×購買客数減少の結果、売上高が増えています。1回の買い物あたりに必要な金額が増加しているので買い物の数を減らす傾向があるのです。

 

 

景気ウォッチャー調査で紹介されているコメントを以下に引用します。景気悪化を感じる向きのコメントです。「景気が良い」というコメントもたくさんありますが、今回のこのコーナーでは「消費に対する警戒感」をテーマとしていますので、悪化を示すコメントを集めています。繰り返しますが、これはごく一部のコメントです。景気が良いと感じるコメントも他にたくさんあります。

 

 

(現状についてのコメント)

「物価高騰が収まらないなか、おにぎりや弁当などの主食商品について、客が価格を気にしながら購入している。また、キャンペーン商品や値引き商品に対する客の反応が以前よりも良くなっていることも、客が価格に対して敏感に反応している現れである。客単価も下がりつつある」(北海道=コンビニ)。

 

「朝、店に立ち寄る客が少し減っている。物価高による影響かと感じている」(コンビニ)。

 

「宿泊客に関しては、新型コロナウイルス明けの特需から少し落ち着いたような感じで、客足が思ったよりも伸びていない。6月と比べて県外客が2%ほど落ちている。新型コロナウイルス明けの反動やガソリン代の高騰の影響があったかもしれない」(甲信越=都市型ホテル)

 

 

 

(先行きについてのコメント)

「年末に向けた動きで、資材価格の高騰が影響し、カレンダー等の案件で中止や部数削減などの見直しが多く出ている」(南関東=出版・印刷・同関連産業)。

 

「物価高、特に食品の値上げが続いていることから、日々の生活のなかで食費を確保するために、食品以外の支出を抑える動きが顕著になる」(衣料品専門店)。

 

「猛暑の影響で夏物商材がよく売れ、売上を押し上げたが、その他の商品の販売動向は振るわなかった。日用消耗品などの買い控え傾向が改善されるような環境の変化がみられないことから、今後の景気はやや悪くなる」(住関連専門店)。

 

「求人数は現在のところ求職者数を上回る状態が続いている。しかし、全業種において電気

料金の高騰が収益を圧迫していること、及び物価上昇の継続が、個人消費に影響を与えて

おり、先行きが懸念される」(職業安定所)

 

 

物価上昇のネガティブな部分が強調されています。もちろん、物価上昇で潤っている企業も数多くあるので、ネガティブな一面だけ強調したら、全体を見誤ります。

 

 

足元の8月締め決算において、値上げ効果を満喫する企業の株価上昇を描きつつ、企業の値上げが与える消費への影響も頭の中に入れておきます。

10月11日午前6時40分記

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