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「日経平均大幅高、米国株は悪材料の織り込み進む」

「決算発表の内需株、粗利益率が上昇ーー値上げ効果が寄与」

「"半導体投資は来年度、確実に動く"」

「中期で外需株、短期的には内需株選好」

 

 

10月10日の日本株は上げました。3連休中の米国株上昇を受けて、下落を警戒していた投資家から買戻しが先行しました。6日、9日の米国株は「雇用者増加による賃金インフレ継続」、「中東情勢の緊迫化」という、当面の株価にとっての悪材料が噴出したにもかかわらず、上昇しました。悪材料の織り込みが進んでいるとの観点から、買戻しを急ぐ動きが活発化しました。

 

 

悪材料発生でも株価が下がらないと、売りポジションの解消を急ぐ動きが出ます。

 

 

さて、ここからの展開です。大きく下げた後の株式市場ですから、株価が戻れば、当然、戻り売りが出ます。例えば、原油関連株のINPEX(1605)の9月28日高値は2368円台です。そこから株価は急落して、先週末6日の安値は1907円台でした。1週間余りで約2割下げています。

 

 

INPEXは本日、原油価格上昇を受けて大幅高となりました。1週間余で2割下げていますので、1本調子の上昇相場は転換期を迎えたと考える投資家は必ず存在します。そうした投資家は戻った場面で売りを出します。三菱重工、トヨタ自動車にしても同様でしょう。

 

 

今後、どのような株が新高値を付けるか、どのような株が投資家から求められているか、そこをしっかりと見つめ、銘柄選択の流れを捉えたいと考えています。

 

 

                 ☆

 

 

10日の新高値銘柄を見ると「価格引き上げに伴う収益改善銘柄」が強いのかな、と考えています。森永製菓、江崎グリコ、キユーピー、ケンコーマヨネーズ等の食品株の新高値と値上げによる収益改善には強い関連性があると考えます。

 

 

値上げ効果は粗利益率の改善に反映されています。先週6日に発表されたわらべや日洋(2918)の8月上半期営業利益は約45億円(前年同期比+33%)になりました。同社はセブンイレブン向けのおにぎり供給を主力としています。私もセブンイレブンでおにぎりをよく買いますが、平均単価が上がったな、と感じています。この感覚は企業側の粗利益率の上昇をもたらします。製品価格から原料・生産コストを差し引いた金額が粗利益です。

 

わらべや日洋の粗利益率

238月期19.1

228月期18.0

 

 

同様に、アパレル販売の三陽商会(8011)の粗利益率も見てみましょう。

 

三陽商会の粗利益率

238月期62.0

228月期61.3

 

 

三陽商会の粗利益率も改善しています。さらに、カレーの壱番屋、ラーメンチェーンのハイデイ日高の粗利益率も見てみましょう。

 

壱番屋の粗利益率

238月期 48.2

228月期 46.3

 

ハイデイ日高の粗利益率

238月期 72.2

228月期 71.8

 

 

上記のように外食チェーンの粗利益率も上昇しています。壱番屋の祖利益率上昇幅の方がハイデイ日高よりも大きいことがわかります。生産コストと比べて、製品全般の価格が上がれば、粗利益率は上昇します。販売価格の高い製品の比率が上がると、平均価格が上がり、粗利益率を押し上げます。

 

 

ここから小売業の決算発表が本格化します。投資対象の選別において粗利益率の改善具合を重視するのも一法です。

 

 

                 ☆

 

 

上記では、小売りを取り上げましたが、来年の半導体投資の回復を見据え、思い切って半導体関連株を中長期の視点で仕込むのも1つの考え方です。

 

 

先週金曜日の決算会見で安川電機(6506)は「来年度(25年2月期)の間には半導体投資は確実に動く」と話していました。現状では、半導体投資は鈍化し、それが受注の減少に反映されています。しかし、来年のどこかの時点で半導体投資が本格的に回復することに安川電機では自信を持っています。株式投資を行う上で重要な要素です。

 

 

加えて、本日発表の9月景気ウォッチャー調査では、現状判断DIが49.9(前月比-3.7)と大きく落ちました。今後は内需が鈍化して、外需の回復の方が色濃くなる可能性もあります。

 

 

短期的には決算内容が良さそうな内需株、少し先を見通すならば、半導体投資が回復する外需株の動きが良くなるとの仮説を描いておきます。

 

 

10月10日午後3時10分記

 

 

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