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「短期投機資金の売りかさむ」

「日経平均は4日連続陰線小売」

「内需株優位の展開も...」

「上方修正が期待される業種は」

 

 

 

10月3日の日本株は続落しました。前の日の米国市場における原油価格大幅下落が日本株のネガティブ要因になったと考えます。原油価格下落は「金利上昇を受けて世界景気が悪化するサイン」と受け止められます。日本株には朝方から売りが膨らみました。

 

 

9月末配当の権利が落ちた28日以降、日本株はさえない展開が続いています。日経平均の終値が始値を下回る展開、つまり日足陰線が4日に渡って続いています。

 

 

特に昨日2日は始値32101円、高値32401円、終値=安値31759円と、長めの上髭を引き、かつ長めの陰線となりました。株価が上昇した場面における売り圧力の強さを象徴する動きです。

 

 

そして本日3日は「始値高値」です。2日連続「終値安値」にはなりませんでしたが、短期的な方向性は下を向いているので、投機資金は売りから入ることを優先します。

 

 

当面の売り圧力が強く、上値に限界があると考えれば、短期的な投資成果を追求する資金は逃げてしまいます。本日の下げには、短期的成果の乏しさを嫌気した投機資金の離脱が反映されています。短期的方向性が下ならば、株券を借りて売る動きも活発なのでしょう。

 

 

しかし、株価の位置が下がれば、中長期視点で日本株を保有する資金にとってはチャンスです。中長期資金は短期の成果を追求するわけではないので、株価の下がったところで買うのでしょう。当面は、短期資金の売りに対して、中長期資金の買いが入って、どのくらい底堅さを増すか、そこが焦点でしょう。底堅さが出てくると、下値を売ろうとするお金も動かなくなります。

 

 

その観点では、本日、どのような銘柄が取引時間中に下げ渋ったか、今後の銘柄選択を考える上で重要です。その場合、「9月の新高値更新銘柄」の中で、どのような銘柄が下げ渋ってくるか、重要だと思います。

 

 

もともとロングショー取引における売りの対象だった弱い銘柄が、ポジション解消に伴って高くなっても、本質的な株価の強さとは言えません。だから「9月の新高値銘柄」の中で、まず、どこに買いが向かうのか、そこが重要だと考えます。

 

 

例えば、本日の業種別株価指数において、最もパフォーマンスが良かった業種が食品株です。昨日のこの欄で「9月調査日銀短観において食品業の業種別業況判断指数が上昇・16(+10)」と書きました。本日3日は、日銀から業種別のより細かいデータが公表されました。そこから食品業を取り出します。カッコ内は6月予想と比べた経常利益水準の変化率(上方修正率)です。

 

23年度の経常利益計画

食品業+17.0%(+11.7%)

 

 

食品業の23年度経常利益は17%増益見通し。6月予想と比べて11.7%も上方修正されました。

 

9月予想の23年度経常利益が6月予想値と比べて上方修正された主な業種を以下に記載します。

 

上方修正率

全産業    3.4

繊維    14.5

食品    11.7

木製品    5.2

金属製品   6.0

鐵鋼     3.6

生産用機械  5.0

業務用機械  5.6

電気機械   3.2

自動車    2.3

建設     3.3

運輸・郵便 16.2

電力ガス     197

情報サービス 3.9

 

 

これらは、7-9月期決算時に業績の上方修正が期待できる業種と言えます。

 

 

              ☆

 

 

百貨店各社は2日、9月の月次売上高を発表しました。

 

9月の売上高(前年同月比)

三越伊勢丹 +21.8

Jフロント  +17.6

高島屋   +12.8

 

 

百貨店各社の売上は、9月も順調に伸びています。今年は歴史的な猛暑にあたり、9月も酷暑の日が続きました。9月に夏物を買う人は少数派でしょうから、アパレル販売店は、なるべく早く涼しくなって、秋冬物の売れ行きが伸びてほしいと思うのは当然でしょう。9月の酷暑は衣料品販売業者にとっては強い逆風となったのでしょう。しかし、百貨店各社は堅実な売上高実績を示しました。

 

 

短期的には消費者が値上げを受け入れる傾向があるため、小売業者は「販売価格上昇・粗利益率上昇」のメリットを享受する傾向にあります。ここから本格化する8月決算において、予想以上の利益実績を発表する企業も登場するでしょう。

 

 

2日に決算を発表したしまむら(8227)の鈴木社長は「足元では天候問題が足を引っ張る。残暑厳しく冬物の動きが鈍い。(本日は)涼しくなって、これからだ。所得環境が良くなっているので、あまり心配はしていない」と話していました。

 

 

この鈴木社長のコメントを聞くと、日本の消費動向のポイントは賃上げ、賃上げが日本の内需のカギを握ると感じました。

 

 

原油価格下落が示すように、世界景気への悲観論が強まるようなら、結果的に日本の小売株、内需関連株の動きが、世界景気敏感株と比べて良くなる可能性が出ています。

 

 10月3日午後3時50分記

 

 

 

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