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「一時540円高、その後上げ幅縮め、終値はマイナス」

「日銀短観=経常利益予想値上方修正」

「日本企業の収益力向上、投資家の評価が高まるか」

 

 

10月2日の日本株は、米国の政府機関閉鎖が回避されたことを好感して、午前中は大幅高となりました。しかし、後場に入ってからは、上昇幅を縮めました。

 

 

仮に政府機関閉鎖となれば、マーケット混乱の可能性がありました。その可能性を意識した投資家は、閉鎖に備えて「プットオプションの買い」や「先物の売り」を行います。政府機関閉鎖回避は「プットオプションの買いポジション解消」、「先物の売りポジションの買戻し」要因にはなります。しかし、上値をどんどん買い進む材料ではありません。

 

 

一方、日銀短観を受けた日本企業の業績改善認識は、日本株の保有比率を上げる要因になります。日銀短観の内容が、今後、日本株買いを再燃させるか、注目点されます。

 

              ☆

 

 

日銀は2日、9月調査の短観を発表しました。以下に示します。(カッコ内は6月調査と比べた変化)

 

9月短観業況判断指数

大企業製造業

最近 9(+4

先行き10(+1

 

大企業非製造業

最近 27(+4

先行き21(-6

 

 

足元の業況判断指数は、製造業、非製造業とも上昇しました。日本企業の景況感・業績動向が堅実な状況にあります。日本株投資において、心強いデータです。

 

足元の業種別業況判断指数では、以下の業種の改善が目立ちました。。

 

石油・石炭 14(+20

窯業・土石 16(+18

食料品   16(+10

自動車   15(+10

小売    24(+7

電力・ガス 22(+36

宿泊・飲食 44(+8

 

 

「業況判断指数の改善業種」は、7-9月期の決算内容も好調でしょう。決算発表を予想する上で重要なデータです。これらの業種の業績好調を予想して、決算発表前にこの業種から有望企業を選別する姿勢が有効です。

 

 

ただ、非製造業の「先行き業況判断指数」が「6P低下の21」になったことは覚えておきます。それと合わせて、小売業の「先行き業況判断指数」も18(-6)でした。

 

 

日本の小売りチェーンの月次売上高を見ると、「客単価」の上昇で月次売上高は増加しています。しかし、「客数」は前年同月比で減少する傾向が、国内ユニクロや日本マクドナルドで見られています。値上げの影響が徐々に消費者の購買意欲に反映されてきたのか、注意が必要です。

 

 

経常利益予想について、以下に示します。カッコ内は、6月予想に対する実額の修正率です。

 

 

23年度経常利益の見通し

大企業

全産業  -3.0%(+3.4%)

製造業  -5.0%(+2.1%)

(素材) -10.7%(-2.2%)

(加工) -2.9%(+3.7%)

非製造業 -0.8%(+4.9%)

 

 

23年度の経常利益は前期比で減益見通しですが、6月調査と比べると、製造業、非製造業とも上方修正されました。日本企業の業績修正の方向性・リビジョンインデックスが上向きになっていること示す重要データです。

 

 

大企業全産業の23年度予想経常利益率は8.48%となり、6月調査に対して0.3%P上昇しました。日本企業の収益率向上が確認されました。円安要因だけでなく、利益追求にどん欲になっている日本企業の姿が認識されれば、投資家が日本株保有比率を引き上げる動機付となるでしょう。

 

 

前提為替レートは1ドル135円75銭(6月調査132円43銭)、1ユーロ144円62銭(同140円11銭)でした。

 

10月2日午後3時20分記

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