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「"日本株の比率を低くして米国債比率を高める?」

「来週発表の雇用指標の注目点=求人件数の減少続くか」

 

 

 

9月29日の東京株式市場は、昨日に続き、売り圧力の強さを確認する展開となりました。TOPIXは3月末と比べて約17%上昇しています。ナスダック指数の+8%、NYダウの+1%を大きく上回るパフォーマンスです。ポートフォリオ上で膨れ上がった日本株の比率を低くして、利回り面の魅力の大きくなった米国債券等の比率を増やす「リバランス」が行われているとの観測があります。

 

 

                ☆

 

 

来週は、米国で雇用関連の重要指標が発表されます。その注目点を探ります。

 

 

3日火曜日には労働省から8月の求人・採用・離職者調査=JOLTSJob Openings and Labor Turnover Survey)が発表されます。

 

「求人件数」は企業景況感を示す重要なデータです。仕事量が多ければ求人数は増えます。7月までの推移を見てみましょう。

 

求人件数の推移(単位1000人)

410320

5 9616       

6 9165

7 8827

 

求人数が減れば「人手不足解消→賃金インフレ低下」の発想から、金融政策に対する警戒感は薄れます。しかし、現在の米国株式市場は景気の悪化を悪材料として意識している面があり、極端な求人数低下が生じると、景気・業績動向への懸念が膨らむでしょう。

 

 

「離職者数」の動向も注目されます。高い給料を求めて会社を辞める人の数が減少すれば、それは賃金インフレの抑制につながります。こちらも時系列で見てみましょう。

 

離職者数の推移(単位1000人)

4月 5660

5月 5925

6月 5691

7月 5483

 

 

7月の離職者数は5月と比べると44万人(7.5%)減少しています。企業からの求人が減少すると、高い給料を提示する企業も減少するので、離職者数は減る傾向となります。

 

 

その離職者数の給料を測るデータとして、民間調査機関ADPの発表する「転職者の給与の伸び率」も注目されます。

 

 

ADP発表の「賃金上昇率の中央値」の8月データを以下に掲載します。

 

賃金上昇率

会社に留まる人5.9%(76.2%)

転職者    9.5%(710.2%)

 

転職者の賃金の伸び率は昨年6-8月には16%を超える状態でした。同時期の「会社に留まる人」の賃金上昇率は7%台でした。昨年夏には、転職者と滞留者の賃金上昇率の差が9%Pも開いていました。それが8月は3.6%Pに縮まりました。転職者の給与の伸びが鈍化しているか、ADPデータの注目点です。

 

 

今回の8月データでは、その差が3.6%Pまで低下してきました。企業側が「高い給料を提示して他社から従業員を引き抜く行為」が一服、転職者の賃金上昇率の伸びが鈍化したことを示します。

 

 

ADPの9月雇用統計は4日に発表されます。直近の雇用者増加数の推移を以下に記載します。

 

ADP雇用者増加数

6月455,000

7月371,000

8月177,000

 

 

週末6日には労働省の9月雇用統計も発表されます。こちらも8月までの推移を以下に記載しておきます。

 

 

 

 

米国雇用統計の推移

非農雇増加数 失業率

1472000人 3.43

2248000人 3.57

3217000人 3.50

4217000人 3.39

5281000人 3.65

6107000人 3.56

7157000人 3.49

8187000人 3.78

 

 

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