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「日本株も下落」

「"米景気好調で金利見通し引き上げ"――日本株にとっては"さほど悪くない環境"」

「バリュー株優位の展開が続く」

 

 

9月21日の日本株は下げました。FOMCの結果を受けて前日のナスダック指数は1.5%下落しました。重要イベントに対するネガティブな反応を受けて、日本株にも売りが先行しました。

 

 

朝も書きましたが、FOMCは23年のGDP成長率を2.1%(6月予想1.0%)、24年を1.5%(同1.1%)に引き上げました。経済成長率が高まったため、来年末の想定政策金利の中央値が5.1%(同4.6%)に引き上がりました。

 

 

「来年の金利水準が想定よりも高い」ため、グロース株(高PER、高PBR銘柄)の株価調整がもたらされました。高金利継続は企業経営のコストが重くなることを示します。中期成長率を割り引く必要性が想定され、高PER銘柄の下落につながりました。

 

 

ここで「景気と金融政策」について、基本的な部分を押さえておきます。

 

仮に次の4つのパターンがあるとします。

 

  • 景気見通しが上方修正されたけれども、金利見通しは下がる
  • 景気見通しが上方修正され、金利見通しも上がる
  • 景気見通しが下方修正され、金利見通しも下がる
  • 景気見通しが下方修正されたけれども、金利見通しは上がる

 

 

今回はGDP上方修正、来年の金利見通し引き上げなので、②のパターンです。上記のパターンは、株価にとってポジティブな順に、上から並べてあります。景気見通しが上方修正されたのですから、そんなに悪いパターンではないのです。景気見通しが下方修正されたのに金利見通しが上がる④のパターンよりもずっとマシでしょう。

 

 

特に日本株の場合、米国景気の強い時期の方がパフォーマンスは良くなるはずです。米国景気が強いとドルが日本円よりも強くなります。行き過ぎた円安は日本経済にとって不安材料でもありますが、日本で生産した製品を海外で売る日本企業の収益は拡大します。従って、日本人にとっては「日本企業の株を買って、企業利益拡大の果実を享受して生活防衛に努める」ことが理屈に合った発想になります。

 

 

ここからは、景気・企業業績の状況と金利水準、株価水準を照らし合わせながら、買った方が得な銘柄を購入する、その基本姿勢で良いのでしょう。

 

 

               ☆

 

 

日本株投資については、ここからもバリュー株(低PBR銘柄)の中から選別する姿勢が有効でしょう。年初来高値更新銘柄からヒントを探ります。

 

 

時価総額1兆円企業の中で、連日の高値更新銘柄の一つが、PBR約0.8倍のAGC(5201)です。AGCは今月6日、「車載用全固体電池向け硫化物固体電解質の新生産技術開発に成功~」と発表しました。量産が難しかった硫化物固体電解質の生産技術として、ガラスと化学の技術を融合させた独自の溶融法を確立したとしています。

 

 

リョービ(5851)やアイシン(7259)など「ギガキャスト市場の拡大を受けてビジネスチャンス拡大が期待できる株」の高値更新が今週の話題でもありました。

 

 

バリュー株の中でも、「全固体電池」や「ギガキャスト」等、今後の新規成長分野の拡大期待を持つ株への関心が高まると考えます。単にPBRPERが低いだけではなく、中期成長の芽がある企業が求められます。

 

 

9月21日午後3時10分記

 

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