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「半導体関連株が下落、TSMCの設備投資先送り報道」

「リョービ(5851)が大幅高、ギガキャストビジネスを拡大...」

UBE、リョービから大型ダイカストマシンを受注」

「中堅証券株が軒並み高」

 

 

9月19日の日本株は下げました。日本の連休中、海外において半導体関連株が下落しました。日本でも半導体関連株が下げました。

 

 

半導体受託生産の世界トップメーカーTSMCによる設備投資延期報道が嫌気されてます。ロイター報道によると、米国アリゾナ工場の建設が遅延しているとのことです。

 

 

半導体製造装置メーカーでは、世界最大の時価総額にあるASMLの株価は、報道を受けて15日米国市場で596ドル(前日比-25ドル、-4%)となりました。19日は1ドル高と小反発しました。

 

 

TSMCの米国市場における株価は15日に2.4%安、19日0.4%安でした。

 

 

日本の代表的な半導体関連株(レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコ、ソシオネクスト、ルネサスエレクトロニクス、イビデン等)は19日、4%~6%の下落率です。日本の半導体関連株の下落率の方が海外企業よりも大きいですね。日本株については、トレンドフォロー型の資金流入にって、上がる時も下がる時も振れが大きくなる傾向にあります。

 

 

「短期的な半導体需要の落ち込みは予想以上」は事実なのでしょう。先週のリードフレームメーカー三井ハイテック(6966)の大幅な下方修正(24年1月期営業利益予想・226億円→160億円)が端的に事実を示しています。

 

 

一方で「長期的なAI開発用半導体市場の拡大」は事実でしょうか?将来展望ですので、事実ではありません。しかし、長期AI市場の拡大を信じる投資家ならば、短期的な需要減少を受けた急落場面では、買う時期を探るでしょう。

 

 

                ☆

 

 

半導体関連株の売却資金は、東京市場において海運株、資源関連株、鉄鋼株、自動車株、銀行株等に回りました。自動車株が軒並み新高値です。

 

 

自動車部品株では、リョービ(5851)が大幅上昇し、約5年ぶりの高値です。リョービは「ダイカスト大手メーカー」として知られています。最近、トヨタの「ギガキャスト」が話題を集めています。「ギガキャスト」は自動車の部品点数を大幅に削減できる生産技術です。リョービは「ギガキャスト関連株」として買われています。

 

 

「ギガキャスト」は約100の部品、50の工程をそれぞれ1部品、1工程に減らし、自動車生産の効率化をもたらす技術とされています。「溶かしたアルミニウム合金で自動車の車体部品等を一体成形し、製造工程を大幅削減する技術」です。そしてリョービの「ダイカスト」とは、「溶かした非鉄金属の合金を精密な金型に高速・高圧で注入し、瞬時に製品を成形する鋳造技術」(リョービのHPより引用)です。つまり「ギガキャスト」と「ダイカスト」は極めて近い単語です。

 

 

リョービは先週14日、「産業機械メーカーのUBEマシナリー株式会社へ型締力(製品を鋳造する際に金型を締め付ける力)6500トンのダイカストマシンを発注した」と発表しました。ギガキャストの採用を検討する自動車メーカーに対して、大型鋳造部品の試作サービスを提供します。ギガキャストを導入する自動車メーカー向けのダイカストビジネスが伸びるとの観点から株価は大幅上昇です。

 

 

14日には、UBE(4208・旧宇部興産)が「リョービ向けに大型ダイカストマシンを受注した」と発表しました。同じ事実が両社から発表されています。UBEが作ったダイカストマシンを使ってリョービがダイカスト部品を生産して自動車メーカーに納入します。この発表内容は記憶しておきましょう。UBEの株価も連日の高値更新です。

 

 

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丸三証券(8613)が大量の買いを集めました。15日に中間配当25円(普通配当10円、特別配当15円)を実施すると発表しました。28年3月期まで特別配当を継続的に実施すると発表しました。特別配当の金額は、28年3月期までの累計で120円となります。

 

 

丸三証券の大幅な増配を意識して、他の中堅証券株も軒並み上昇しました。

 

 

日経平均は大幅安ですが、買われる日本株は数多くあることが本日の動きから確認できました。特にリョービやUBEなど、低PBR企業が「実は成長力のある分野を持っている」と認識された時、相場的な面白さが発生します。

9月19日午後3時10分記

 

 

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