「日本株上昇、日経平均予想PER16倍乗せ」
「日経平均採用銘柄の合計利益38兆円、どれだけ増えるか...」
「中国8月経済指標、ポジティブな内容に」
9月15日の日本株は続伸です。昨日14日にTOPIXが1週間ぶりの高値を更新したことで「世界の中でも極めて強い株式市場」と再認識されました。日本企業の変革に対する期待から海外投資家の買いが活発になりました。
日経平均の予想PERはいよいよ16倍乗せです。近年の最高水準を更新しています。「日経平均採用225銘柄合計の時価総額」を「採用銘柄合計の予想利益」で割った数字が「予想PER」です。逆算すると、現状の「日経平均採用銘柄の合計予想利益」は38兆5000億円程度となります。
本日発売された東洋経済会社四季報秋号では、トヨタの予想利益が会社側予想に対して6200億円ほど上方修正されていました。円安に伴う輸出企業の上方修正期待が現状の日本株のPERを引き上げているのでしょう。さらに資本効率の改善や株主還元比率の上昇がPERを押し上げています。日本企業の行動がこの期待値に耐えられるか否か、今後の日本株の焦点でしょう。
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本日の日本株上昇には、中国の経済指標も寄与しています。中国国家統計局は15日、8月の主要経済指標を発表しました。以下は小売売上高です。
中国の小売売上高(前年同月比)
5月 3兆7803億人民元(+12.7%)
6月 3兆9951億人民元(+3.1%)
7月 3兆6761億人民元(+2.5%)
8月 3兆7933億人民元(+4.6%)
8月は、前年同月と比べた増加率が拡大しました。中国消費に関するポジティブなデータです。主な業種別動向を以下に示します。
外食産業+12.4%
化粧品 +9.7%
宝飾品 +7.2%
アパレル+4.5%
家具 +4.8%
8月の工業生産高は前年同月比で4.5%増加しました。以下に示します。
中国の工業生産高(前年同月比)
5月 +3.5%
6月 +4.4%
7月 +3.7%
8月 +4.5%
中国の自動車生産台数
5月230万7000台(+17.3%)
6月256万4000台(+0.8%)
7月232万4000台(-3.8%)
8月251万3000台(+4.5%)
中国の新エネルギー車生産台数
5月 67万5000台(+43.6%)
6月 74万9000台(+27.6%)
7月 75万2000台(+24.9%)
8月 80万台(+13.8%)
中国における自動車産業のビジネス環境は安定していると考えています。
エレクトロニクス製品の生産状況も見てみましょう。
8月の生産高
パソコン 3092万台(-1.8%)
携帯端末 12765万台(+7.0%)
(スマホ) 9009万台(+0.8%)
スマホを含めた携帯端末の生産底打ちが明確になると、中国経済に対する見方も良くなってくるはずです。
日経平均の予想PER拡大には「中国経済の回復」も重要なキーワードになります。
9月15日午後3時10分記