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競馬が好きだ!

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月曜の夜に、会社で夜のニュースの準備の合間でパソコンに向かってこの文章を打っています。こんばんは、夏の終わりはいつもセンチメンタル。大関です。

夏競馬の最終週、というのは毎年のように寂しさが去来するものです。大阪の3年間、小倉で夏競馬最後の週末を迎えて、西日が照り付けるなかで撤収作業をしていると、6週間の夢から醒めたような気分になっていました。この6週間のために、来週からあと40回以上の週末を経なくてはならない。そして段々涼しく、寒くなっていく。あの感覚は、今もよく覚えています。

東京へ帰ってからは札幌、新潟、札幌、新潟、ときて今年の夏の最後は札幌で迎えることに。札幌2歳ステークスの実況も4年ぶり。やっぱり8月上旬からひと月経って来てみると、風は爽やかで、長そでのシャツを着ていても違和感なく仕事ができる気候になっていました。


(実況席からの札幌競馬場。もう本当に爽やかで...)

札幌2歳ステークスは白毛馬のソダシ、早めの仕掛けから最後の1ハロンのラップ13秒0、という消耗戦をクビ差しのいでデビュー2連勝。白毛馬としてハヤヤッコ以来2頭目、芝では初の重賞ウィナーとなりました。3コーナーからの仕掛け合いは実況していてもかなり見ごたえがあるレース。早めに抜け出したソダシを、後方からぐーんと仕掛けて追い詰めたユーバーレーベンのレース振りも大味ながら素質を感じるものでした。

しかし、そんないいレースだったのに、実況が奥歯にモノが挟まったような質だと落ち込むものです。実はワタクシ大関、4コーナーで一気に先頭集団に押し上げていたユーバーレーベンを、同じ枠のコスモアシュラ、と取り違えていたのですね。ソダシの外に1頭ピッタリ重なっていて「ああ、見えない。何とか角度がつかないかな」と思っていたら、4コーナー手前で角度がついて黄色い帽子、赤と緑の服が視野に。そこで確認が甘かったがゆえに起きてしまったミスでした。

しかし、その直前にユーバーレーベンがぐーんと押し上げていったのは言えていたのです。その動きを咀嚼しきれていれば、前にいる黄色い帽子の馬を取り違えるなんてミスは起きないはず。要は、自分はレースの流れ、馬の動きを「線」として頭の中に捉えられていない、ということでしょう。馬がここにいる、という所、「点」で思考が切れている。三次元で捉えるというプロなら持っていなくてはならない視野が甘すぎた、と。

違和感に気が付いたのは、直線に入ってから。「まさか俺、取り違えてた...?」しかし、もう残り200mを切っている段階ではどうしようもなく。少なくとも捲りは仕掛けていた、「一気に来ている」という言葉で何とかしのいで、追い詰められながらもソダシが勝った、というニュアンスでゴールインさせていました。

ああ、この夏は函館、新潟、札幌と2歳ステークスを実況させて貰えたけど詰めが甘い実況ばかり。どのレースも「位置取りの先にある動き」はとても面白いレースだったのに、言えなかった。勉強ばかりの夏でした。

ただ、秋に向けて良い課題がハッキリ出たというのは良かったのでしょう。重賞だけ何とかしようとしても上手くは運ばないのは当たり前。その動き、線をいかにうまくどのレースでも掴んで、言語化していくかというのが、秋以降の命題になりそうです。そんな事を大阪時代、藤田直樹さんに口酸っぱく言われていましたが。

しかし、歓声が響かない競馬場で実況をすることに慣れてしまうのもある意味怖いものです。競馬が終わって、
機材を撤収している時の寂しさは、今までで一番大きかったかもしれません。来年の夏競馬こそは、歓声の中で実況できる競馬場であって欲しいと願っています。

さて本題。火曜の「競馬が好きだ!」は地方競馬の話題を中心に。今週は火曜にはヤングジョッキーズシリーズトライアルの佐賀ラウンドに大井のアフター5スター賞、水曜には大井でJBCクラシック指定競走の東京記念、木曜には笠松で今年は西日本ダービー...。楽しみなレースが続きます。お楽しみに!

(至福のキンキンに冷えたサッポロクラシック。ジョッキで呑めるのはもう当分先かな...)




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