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競馬が好きだ!

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こんばんは、大関です。今日新千歳から飛行機で帰ってきました。

仕事で北海道へ行くようになってそれなりの年が経ちますが、仕事で北海道へ行くのに実況をしない、というのは入社以来初めての経験でした。「本来のスケジュールなら」、こんな状況にはならなかったと思いますが。日曜の朝に飛行機に乗るなんて実に新鮮な感覚でした。


(千歳の空も青かった。札幌のように)

千歳から向かった先は道東の新ひだか町、北海道市場。ありがたい事に今年もグリーンチャンネルのセレクションセール生中継の司会、という大役を仰せつかり、これで3年続けてこのセリを現地で見届ける事になりました。

セレクションセールは文字通り、日高地区を中心とする牧場の生産馬から選び抜かれた馬たちが集まってくる市場です。本来なら7月、セレクトセールの翌週に開催されていますが、今年は新型コロナの影響で1か月程開催時期が後ろへずれました。

このセレクションセールは、選考委員会が定める「血統基準」から上場申込馬が絞り込まれ、さらに実際に馬を見て行う「実馬検査」があるというのが大きな特徴ですが、上場を希望する馬は北海道のみならず本州にもいるので、コロナ禍の影響で人の移動が出来なくなってしまった、という事情も日程に大きく影響しました。

(セリ会場内にもソーシャルディスタンス確保のための対応が)


(3密対策で今年はこんなスペースも。セリ会場の外からでも参加が可能に)

しかし、選ばれた馬は各生産者にとっては自慢の若駒。今年は選抜頭数がさらに絞り込まれ、晴れて上場を許されたのは申し込んだ馬の中の4割程という決して広くはない関門でした。その馬たちが、今年は1か月開催時期が後ろにずれたことで、さらに成長を促し、磨きをかけられる時間が増えました。生産者の方々にとっても、セリが行われてくれることと、時期の変更は前向きに考えられていたようです。

さらに今年は展示もセリの前日ではなく当日、展示が終われば即セリ開始という1日で完結するスタイルに。久々にディープインパクトの産駒が上場されるなど見所に満ちた今年のラインナップとは言え、買おうとしているオーナーや調教師からすれば、馬を見てからセリの戦略を練る時間は殆ど無いという異例の短期決戦。果たしてどうなるのか?コロナ禍という厳しい状況でどれくらい売れるのか?と手探りな部分も多くありました。


(当日朝に展示。中央、地方問わず調教師の方々も多数来ていました)

それが...いざ蓋を開けたら盛り上がること盛り上がること!上場番号1番のオルフェーヴル産駒「ピエールドリュヌ2019」からいきなり活発な競り合いになって3700万!去年も活発だなぁと感じたけど、間違いなく今年はそれ以上だと思えてきました。

注目の唯一のディープインパクト産駒「ティズウィンディ2019」は5800万円。おそらく血統的にもこの馬が最高値かな?と思っていたらなんのなんの。その後もキズナ産駒の「スマッシュハート2019」に6000万円の高値。そしてハイライトは上場番号155番、父ドゥラメンテの牡馬「キルシュワッサー2019」でした。

1000万円台で始まった競りは、あちこちから値を上げる声が出てくる展開に。5000万円を一気に越えて、6000万円台という近年のセレクションでは見られなかった価格帯での応酬に、セリ会場内もざわざわとしていました。

(最高価格となった「キルシュワッサー2019」落札直後。7200万!)

ハンマーが落ちた後にもざわめきとあちこちから「凄いね」という声。7200万円という評価を受けた1歳馬を生産したのは天羽禮治牧場。チューリップ賞勝ちなど今年の3歳世代の牝馬クラシック路線で活躍したマルターズディオサを生産した牧場です。天羽禮治牧場の天羽里美さんにインタビューさせて頂いたのですが「信じられないし、本当にうれしい」と、喜びを語ってくれたのがとても印象的でした。

このほかにも、高額落札された馬の生産者の方々に今年もインタビューさせて頂いたのですが、皆様が笑顔で、手塩にかけてきた生産馬が高く評価されたことが誇らしいという表情だったのです。

やはりこの場に来ると、自分が普段競馬場で実況しているレースを走る馬たちにどんな想いが、熱が託されているか、ということを肌で感じることができます。ああ、この方々の熱意に負けてはいけないよね、と身も引き締まるものです。3回目にしてようやく徐々に落ち着いて自分の仕事も出来るようになってきたので。今さらかよ、ですが。

暑い夏なのに、夏競馬らしさが例年に比べると感じられないような気もしましたが、セレクションセールに行ったらああ夏だよね、と感じられるものです。さあ夏競馬もあと2週。最後まで走り抜けるのみッ!

さて本題。今日の「競馬が好きだ!」は地方競馬の話題を中心に。木曜日に笠松で行われる「3歳秋のチャンピオンシップ」対象レース、岐阜金賞の話題を中心にお送りします。ドリームズライン以来3年ぶりの「東海三冠」達成なるか、という見どころが今年は加わって楽しみな一戦になりましたよ!

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