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競馬が好きだ!

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 日曜夜に久しぶりに思い知りました、こんばんは大関です。

 今日、手帳の今週のページに書いてあったスケジュールに次々と×印をつけて、予定を書き直しました。自分ではどうしようもない事と分かっているとは言え、寂しさが無いと言えば嘘になります。

 本来なら明日夜、私は双眼鏡とパスポートを携え成田からエミレーツの便で出国し、ドバイへ向かう予定でした。当然責任、緊張もありましたが、映像でしか見たことがないドバイ、メイダン競馬場ってどんな所なのかをこの目で見られる事は純粋に楽しみでした。2年前の今頃、人生初の海外渡航で香港チャンピオンズデーのG1の実況で現地へ行く事になった時と同じように。

 しかし、新型コロナウイルスというモノの影はひたひたと忍び寄っていました。先週、美浦取材のさなかに登録してあった外務省のたびレジから「19日からUAE政府がビザの新規発給を停止」というメールが届き、まさか?と思ったのもつかの間。いや、どこであろうと実況する事は変わりないのだから、と鉢巻を締め直して、休みの土日で9レース分の資料作りに取り掛かっていました。

 そんな日曜の夜、ふと資料作りの合間にtwitterを見ていると「ドバイワールドカップ中止」という文字列が見えて来たではないですか。いや、さすがにそれは...と思っていると、地元紙のガルフニュース、ドバイのメディアオフィス、海外の競馬メディアなどが次々に速報を打ち出す有様。大学受験で止まってしまったワタクシの乏しい英文読解の知識でも、ああ、本当にドバイワールドカップが中止になるんだなというのはすぐに理解しました。

 作った資料がこんな形で水泡に帰してしまう、などという経験はさすがに初めてです。2011年3月11日に、翌日小倉の実況用に塗り絵をしていたら14時46分を会社のオフィスで迎えて生命の危険すら感じたという事はありましたが。

 当然、その夜は早く眠ろうとしてもなかなか眠くならない。やはり色々な考えが頭の中をぐるぐると回ってしまう。1996年当時、競馬が行われているとはあまり知られてもいなかったドバイへ単身乗り込んでシガーの圧勝した第1回ドバイワールドカップを実況したあの先輩が天から「今の君にドバイへ行ってきちんと実況できる器量は無い、という思し召しだよ。もっと自分を厳しく追い込んで努力しろ!」と厳しい言葉を私に投げかけている、とも思えました。

 しかし勿論誰のせいでもない。巡り合わせが自分の行くはずの時に当たったという事。私に比べたら、実際に馬と普段から接している関係者の皆様の方がはるかにやり切れない思いのはずです。

 とは言え、きっと自分はまたここで試練を与えて貰えたのでしょう。「ここからどうするのか」をお客様は冷静に厳しく見ている。要は第1打席で併殺打に倒れた後の第2打席、どういう結果になるかが重要な訳でして。

 幸いにして自分は元気で日常生活を送れていて、仕事も出来ている。それならしっかりと自分の出来る事をやりましょう。数年後に「ああ、あの時ドバイに行けなかった事が結果的に良かった」とどこかで言えればそれでいいと思います。それをドバイで言っているかは全く分かりませんが。

 タモリさんでしたか、「大切なこと、それは引きずらない事だ」と言ったのは。その通りだよねと今は深く頷けます。折角なので、美味しいドバイ料理が食べられるお店がないか探してみますか(笑)。

 さて本題。今日の「競馬が好きだ!」は地方競馬の話題を中心に。中央競馬に先駆けて地方競馬では明日、浦和で行われる桜花賞の話題を中心に。ラブミーチャンが出るならと取材に行ったけど結局出走取消になってショウリダバンザイが勝った、というのがもう10年前なんて早いですねぇ。お楽しみに!

 最後に本文と全く関係ないんですが、本日の写真。



 金曜に実況したフラワーカップの塗り絵。13番人気の伏兵アブレイズが勝ちましたが、ここでJRA重賞初制覇を飾った鞍上藤井勘一郎騎手とワタクシ同学年(1983年生まれ)なのですね。一度はJRAの騎手を目指したものの叶わず単身海外に渡り、ムチ1本で世界中を飛び回った先に母国の騎手となったという経歴に応援せずにはいられなかったのですが、このような節目のレースを実況させて貰うとご縁があったのかもとしみじみ。果たして桜花賞やオークスでどんなレースを見せてくれるでしょうか。

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