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競馬が好きだ!

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夏が終わる、と言えばミスチルよりスピッツが思い浮かぶ、こんばんは大関です。毎年のことですが、夏競馬が終わった後にぽっかりと胸に穴が開いたような気分になるのって何故なんでしょうか。



(この夏もセレクションセールの司会で新ひだかへ。活況なセリを今年も見られました)

大阪にいた3年間、この夏競馬が終わった直後の週と言えば、何かぽっかり胸に穴が開いていたような記憶しかありません。秋を迎えて、GIを狙うような馬が続々と秋初戦を迎えるというのに、です。やはり、非日常を味わえる2泊3日の出張、というものがいかに1年の競馬の仕事のサイクルにおいて良い味を引き出すスパイスたるか、ということを感じていたのでしょう。金曜の夜にキャリーバッグ曳いて会社に行き、諸々準備をして帰宅するのではなく新幹線に乗る。あの新幹線の中で快適に競馬新聞が読めることが、どれだけ自分にとって大きかったのかと。あの10週間のためにあと40週少々頑張る、という3年間でした。東京へ戻ってきた今も変わりませんが。

この夏も、自分にとっては勉強になることばかりでした。競馬中継は勿論、今年もセレクションセール中継の司会。そして海外競馬中継の受けでディレクターと司会。この夏はひたすら海外レースの中継時には、ディレクターと司会を担当していました。理由は単純で、実況よりもそっちを担当することの方が、今年夏の時点での自分には必要だと直感的に考えたからです。

結果的にはその勘が正しかったのです。馬券を買おうとしている時に働く勘とは対照的に。

実況ならある意味自分がやりやすいように準備すれば良いのですが、ディレクターや司会だとそうも言っていられなくなります。コンテンツ(中継)のコンセプト、構成も自分で考えて、提案し、それが具現化したら、実際その現場で動く人々がいかに気持ち良く携わって頂けるかを考えねばならない。突き詰めれば「周りを冷静に観察し、一歩、出来るなら二歩か三歩先を見越して動く」ことを求められる。そういうスキルが決定的に自分には足りていない、という現実を思い知って痛い目に遭いました。考えてみれば一事が万事で、そういう思考が足りないから、実況にも影響しているのでしょう。そりゃ直線で伸びてくる馬を見逃しますし、自信を持って普段決断できない人間が、ゴール前の接戦を瞬時に決断して言い切れる訳がありません。

沖縄勢で初の春夏甲子園連覇を達成した興南高校野球部の我喜屋監督は「ルールを守らない人間は試合に出さない」「集合時間に1分遅れたら容赦なくメンバーから外す」「野球バカを作らない」「挨拶から掃除まで、野球以前の生活態度の指導の徹底」などの厳しさで知られました。なぜか東京に戻ってきたあたりから、こういった教えが何と理にかなって、社会に生きる人間に不可欠であるかと感じるようになったのです。

実況とかアナウンスとかという事以前に、いち社会人として生きる上で求められるスキルが足りていないのではないか?そう思わされる機会が増えました。特にこの夏、毎週末の競馬中継以外の仕事をして。

まもなく人生3度目の年男を迎えるにあたり、そんな場で結果を出せるようになった時、自分は接戦になった大レースを自信をもって「〇〇"だ"ゴールイン!」と言い切れるようになっているのではないかーそんな気がしています。「普段ルーズな人間は、試合の肝心なところでエラーをやらかす」と言われるように。

きっとそれに気が付けただけで良い夏だった、と思わねばならないのでしょう。夏の最後に新潟記念の実況で「自分を大阪で厳しく毎週叱ってくれた先輩の壁はいかに高く、自分がいかに甘いか」気が付けたので、猶更そう思いながら今この文章を書いています。その先輩は去年久々に会った時、こうも言っていました。「今のお前ぐらいの年齢やったら、休みが欲しいとか思わずに、とにかく仕事をした方がええ。30半ばでどれだけ自分を追い込んで努力出来るかが、40超えてからの分かれ道や」。



(新潟記念の実況用塗り絵。馬番+馬名にもう一段乗せる事を武器にするにはまだまだ修行が足りなかった...)

さて本題。今日の「競馬が好きだ!」は、地方競馬から3歳秋のチャンピオンシップ対象レース=戸塚記念の話題を中心にお送りします。東京ダービー馬に、南関東の三冠で好走してきた馬もいて面白いメンバーになりました。お楽しみに!



(新潟駅がすごくきれいになっていてびっくり。在来線の車両も新しくなりましたね)


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