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競馬が好きだ!

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さすがに久々にビールが進んだ日曜の夜はふわふわしてまして。こんばんは大関です。放送ギリギリで失礼いたしました...。

先週日曜、安田記念を実況してきました。早々と参戦を表明していたダノンプレミアムがどんなパフォーマンスをするかな、と思っていたら、そこに香港、いや世界最強マイラーのビューティージェネレーションが参戦を検討の一報。そしてアーモンドアイも...!という話を耳にした時には「エラいことになった...」と思ったものです。

実際去年の香港マイルや今年のチャンピオンズマイルで、ビューティージェネレーションが圧勝したところを実況しているので、この3頭が争ったらどんなレースになるのか?結果的にビューティージェネレーションが日本遠征を見送ったものの、ダノンプレミアムVSアーモンドアイの4歳世代の両雄対決、そこにマイル路線の楽しみな素質馬が集結する訳ですから、そりゃ胸も高鳴るというものでした。

と言っても、競馬は何が起こるかわからない(三強!と言われたダービーがあの結果、というのを現地で見て尚更)。二強、両雄は並び立たないとは過去の歴史が示す通りで、メジロマックイーンとトウカイテイオーでも、ナリタブライアンとマヤノトップガンでも決まらなかったんだから!と思っていました。アーモンドアイはドバイ遠征後で久々のマイル、そこに僅かながら他馬の付け入るスキはあるのではと思っていました。

加えて、この春の東京で目立った、芝で基本的に内に進路を取った馬が簡単には止まらないレースの多さ。枠順を見たとき、ダノンプレミアムも15番枠?前に行ける脚があるとは言え、脚を想定外に位置取りに使うリスクがもしかすると...という考えになりました。

結局、導いた組み立てのイメージは「あくまで二強を見すぎない」。例年なら1番人気でも不思議のないレベルに達している馬も多いし、フラットに構えて行こうという結論に至ったのです。

当日、例年の安田記念とは明らかに違うファンの皆様の多さ、熱気に、普段のGI実況の日以上に緊張感を持ちつつ7レースから実況していました。何度ももうGI実況を経験しているのに、朝からどうも落ち着かなかったのです。それでも焦るなよ、焦るなよと自分に言い聞かせて、いざ安田記念の実況へ。

ゲートが開いた瞬間、少しだけアーモンドアイが後ろのほうになったのが見えました(1つ外の枠にいたダノンプレミアムは見えなかったです)。しかし、馬群には入っているし、あからさまに遅れたという感じもしない。「相対的に上位に来る確率が高いと考えている以上、極力良いスタートを切った馬から描写」といういつもの視点は変えないようにしよう、と咄嗟に判断して先行争いに意識を集めました。

と言っても「ほぼ揃いました。さあ何が行くか...」と数秒を要して言っている時点で、好スタートを切った馬が見えていなかったと告白したに等しい訳です。結果的に「どっちつかず」になってしまった感は振り返れば否めなかったなぁと。正直、ロジクライがあれほど内へ切れ込んでいたのは分からず、ダノンプレミアムの川田騎手がスタート直後に手綱を引く形になり、後方へ位置を下げる事になった瞬間も見えていませんでした。「人気も、焦点もそこに集まっている以上、スタートはまず二強の出を注意して見ておこう」という視点でいれば...。

道中は「えっ、ダノンプレミアムが前にいない...」と少し不思議な感覚で先頭から馬を追っていました。すると、中団よりも後ろでほぼ同じ位置にいる人気2頭。今の東京の芝で、これはもしかしたら...という予感がしました。4コーナーで位置を確認しても、明らかに馬群の外めにいたので、これで大丈夫なのか?と思えてきたのです。

直線、前で運んだアエロリットとグァンチャーレは易々とは止まらず、これを後ろから追ってきたのがインディチャンプ。内、外と脚のありそうな馬をさばいていてもなかなか前は止まりません。アーモンドアイも伸びてはいるけれどちょっと距離がある、ダノンプレミアムはまだあんな後ろ!?という驚きゆえ「ダノンプレミアムはまだ後方だ!」という言葉がとっさに出てきていました。

最後は粘るアエロリット、これを追い詰めてきたインディチャンプの外からぐいぐい伸びてきたアーモンドアイの争いに。ただ、アエロリットはちょっと勢いが鈍った、インディチャンプがしのげるかアーモンドアイが届くかだ、と思ったゴール寸前、インディチャンプが前に出たのが見えました。ほぼアーモンドアイと脚色が同じ、これはインディチャンプで行けるだろう。ただ、自分の真っ正面にゴールが見えているわけではないからこの差なら万が一も考えて「インディチャンプが勝っている、というニュアンスを『か』とか言わずに出せるようにしよう」と判断して「インディチャンプゴールイン!!」で締めました。ゴール直後、福永祐一騎手がガッツポーズしたのが見えていたので、これで大丈夫だと確信してインディチャンプが最後かわして、アーモンドアイの追撃も抑えたというフォローをした訳です。

ゴール後はダノンプレミアムの川田騎手が下馬していて、その後に裁決放送が入ったところで初めてスタート直後に出来事があったことを知りました。正直あとでパトロールビデオを見て、「えっ、こんなにごちゃついてたの!」と知ったくらいです。やはりスタート直後に何があるかというのは実況席(横方向目線)からは正直かなり見えにくいんです。

自分にしてはよくあの僅差をぼかさず(脚色見えていれば言い切れるだろ、とご指摘を受ければそれまでですが)言ったな、と不思議な感覚でもあります。そういう判断が出来たのが、今回の収穫なのかなと感じています。

当然、反省することは沢山あります。スタート後になんとか見える範囲で描写が出来れば、とかやはり「ゴールイン!」と言うのがゴールの瞬間とずれているとか大量に...。大阪時代に「ゴールイン」の「ン」の音が出た瞬間に、先頭の馬の鼻先がゴールに入るのが基本だと、厳しく言われ続けていたというのに、です。


ただ、今回、あれだけの豪華なメンバーの集まった安田記念を実況できた、というのが一番の財産だったという気がします。精神的にもかなり緊張はしましたし。やはり大レースは実況するたびに発見があり、今回も沢山の発見があったので、今後にまた生かさなきゃと思いつつキーボードを叩いています。本当に無事に終わって良かった!!


(↑安田記念の実況で使った塗り絵)

という訳で本題。今日の「競馬が好きだ!」は、あさって木曜日に行われるダートグレード競走=北海道スプリントカップの話題を中心にお送りします。お楽しみに!

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