お知らせ:

ラジオiNEWS

番組へのお便りはこちら
長月翠,鈴木遥夏,鈴木亮,栗林さみ

ラジオiNEWS、4月のマンスリーゲストはラストアイドルだ。デビューから3年ちょっと、10曲目のシングル「君は何キャラット?」が28日にリリースされる。 以前から気になっていたことがある。ラストアイドルはなぜ、ラストアイドルと名付けられたのか。秋元康さんが手掛ける最後のアイドルグループだからなのか。それとも別の意味があるのか。

ラスアイといえば、デビュー前の激しいオーディションバトルで知られる。5000人ものオーディションを勝ち抜いた7人。それだけでも大変な狭き門で、普通ならここで即デビューだろうが、ラスアイは違う。暫定メンバーと位置づけられ、毎週毎週、挑戦者という刺客が登場、サシでのバトルが展開された。一発勝負に敗れれば、たちまちアイドルの座を追われてしまう。なんと過酷なシステムか。

ようやくデビューした7人、この日ゲストに来てくれた長月翠さん、鈴木遥夏さんは、ファーストシングル「バンドワゴン」を歌った栄えあるメンバーだが、その地位は安泰ではなかった。2曲目以降で早くも、表題曲をかけたユニットバトルが繰り返され、「大人サバイバー」で初めてメンバー全員で歌えると思ったら、団体行動という難しい歩行パフォーマンスが待っていた。「青春トレイン」ではアイドル史上、最も激しいダンスに挑み、「愛を知る」は選抜された18人しか歌えなかった。オーディションに漏れたメンバーに与えられた曲が「壁は続く」。もう天を仰いで、うなるしかない。

次々と試練を課され、それを健気に、必死で乗り越える。こんなアイドルは他にはない。そして、これこそがラスアイの最大の魅力なのだと思う。ラスアイの魅力、それはレジリエントだ。困難に立ち向かう力、壁を乗り越える力といった意味だ。イメージにぴったりの漢字がある。「勁い」。つよいと読む。疾風勁草という熟語を聞いたことがあるだろうか。風に吹かれる草のように、しなやかな強さを意味する。勁いアイドル、それがラストアイドルだ。 芸能情報に詳しい知人によると、今、最も勢いがあるアイドルは韓国なのだという。昨年ブレークしたNiziUを初め、日本でも徐々にファンが増えている。韓国の音楽業界では国外の売り上げが国内の6倍ある。人口が日本より少ない韓国では、国外でも売れるアーティストを育てないと、大きなビジネスにならない。今の主戦場は中国だが、昨年から明らかに日本をマーケットとして意識している。国外のファンをがっちりつかむため、韓国のアイドルはかわいいだけでなく、歌もダンスも素晴らしい。

そんな韓流アイドルに勝てるアイドルが日本にいるだろうか。私はラスアイなら勝てると思う。歌がうまい、ダンスは「青春トレイン」以来、群を抜いている。なにより精神的なタフさ、勁さがある。韓流アイドルに対抗できる最終兵器、最後の切り札、だからラストアイドルなのだ。
なお関係者に取材したところ、グループ名の由来は諸説ありとのことだった。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)


鈴木亮,栗林さみ

お知らせ

お知らせ一覧