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グローバルヘルス・カフェ

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聴く第29回「みんなでSDGs~つながりを連想した活動」(2018年6月19日放送分)


<出演>
マスター:明石 秀親(国立国際医療研究センター)
藤沢:藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表/常連客)

※ 番組では、みなさまからのご意見・ご感想を募集しております。
※ 番組宛メール送信フォームより、ぜひご意見をお寄せください。
※ お寄せいただいた内容は、番組内でご紹介させていただく場合がございます。

【SDGsとアドボカシー】

マスター:藤沢さん、いらっしゃい。今日は何にしますか?

藤沢:こんにちは。今日は蒸し暑いじゃないですか。甘いものが欲しいので、甘いカフェラテを。

マスター:いつもの銘柄指定じゃありませんね。

藤沢:ちょっと元気をつけたいなという感じなんです。

マスター:そうですか。ところで最近、SDGsの話題がいろいろありましたね。

藤沢:そうそう。ここでマスターとSDGsの話をさせていただくようになって、ネットでも検索してみたんですよ。そしたらすごくたくさんありました。

例えばね、福岡県の北九州市は、国内で初めてSDGsのモデル都市に選ばれたという発表がありました。大分県では、女性の経営者が集まってSDGsのワークショップをやったとかね。SDGsって女性もひとつのテーマですよね。女性たちがジェンダーの問題を語り合うワークショップをする、といったように、あちこちで動き始めているんです。マスターの周りはどうですか?

マスター:例えばNCGM(の活動)にも入っている長崎大学が、SDGs研究センターというのを作って、ワークショップとかセミナー・シンポジウムを始めたとかですね。「アドボカシー」が多い気がしますね。

藤沢:アドボカシーだから、まずみんなで「こういうものがあるよ」っていう認知を広げて、それぞれに取り組みしようという働きかけだと思います。そういう意味じゃ、このグローバルヘルス・カフェもですよね。ある意味「アドボカシー」かも知れない。

マスター:そうですね。


【SDGsでインスタ映え!?】

藤沢:本当に嬉しいことに、リスナーの方々からいっぱいメッセージをいただいています。

マスター:本当ですね。嬉しいです。

藤沢:SDGsについて「何を取り組みますか」とか、「どういうふうに取り組んだらいいですか」っていう投げかけに対して、例えばね、40代男性のキャボさん。ひとこと「ガッツ」!

マスター:ガッツでやろうってことですかね。

藤沢:かもしれないです。面白い!

これは面白いなと思ったのは、30代の男性でバートンさん。

「ロゴマークに関心を持っています」。きれいですもんね。

マスター:17個並んでね。

藤沢:虹みたいなあのマーク。国連が使わせてくれるので、みなさんバックに付けてみるとか、アクセサリーにしてみるとか、そういうのも良いんじゃないかな。

マスター:確かに。ワンポイントだけじゃなくてあれを全面にプリントして!?

藤沢:ぜひマスターに!そいういう洋服を着ていただいてね!

マスター:それで写真を撮ると。それもいいかもしれない??

藤沢:今の写真を撮ることについて、とってもいいアイデアをくださったのが、20代女性、学生のわかばさん。

「今まで筋トレは趣味としてやっていましたが、それも自分の健康のためという言い方が出来るのか、と感動しました。それぞれのSDGsがあっていいし、それを共有する場があるのは楽しいなと思います!」ということで、アイデアを頂戴しました。

マスター:どんなのでしょう?

藤沢:「#私のSDGs とか、写真付きで投稿したら、インスタ映えを狙えそうです笑」

マスター:さすが20代ですね。

藤沢:ということで、番組ではテーマとして「みんなでSDGs」って言っているので、このわかばさんのアイデアを頂戴して、「#みんなでSDGs」って書いて写真をインスタとかツイッターにあげて欲しいです。早速あげようかな。今、マスターの写真を撮っていいですか?

マスター:私の??

藤沢:このアロハシャツを着ているのは、環境的にオフィスやいろんな場所が暑くても大丈夫ってことなので、今からマスターの写真を・・・

マスター:ただ私、職場ではさすがにこの服装ではないんですけど・・・。

藤沢:今、マスターのお写真を取りました。じゃあこの涼しげなマスターを最初の「#みんなでSDGs」ということでインスタにあげます。

わかばさんもぜひ続いていただきたいし、リスナーのみなさんも、こんな取り組みしています!っていうSDGsの取り組みの写真をあげていただいたら嬉しいです。

わかばさんは腹筋の写真をあげていただけるのかな?楽しみにしています。

 

【チョコレートやコーヒー豆も、SDGs】

藤沢:他にもね、40代女性で、あきこたさん。

「水を出しっぱなしにしないようにしたり、ごみを減らすようにマイバッグやマイ箸を持ち歩いたりしています。食べ残しを減らすよう、食品を買いすぎないようにもしています。」

マスター:みんなできることだけどなかなかね、やれていないかも知れないですよね。

藤沢:30代女性で、こうさん。

「取り組みに関するチョコレートを買っている。」ご存知です?

いろんなチョコレートのメーカーさんが、バレンタインの季節、1月の半ばから2月のバレンタインデーの間は、チョコレートが一番売れるんです。そのときのチョコレートの売り上げの一部を、アフリカの難民の子どもたちや、アフリカのチョコレートに関わっている子どもたちの支援のために寄付されているんですよ。

マスター:みなさん取り組んでいますね、ちょっとずつでもね。

藤沢:なので、マスターも、バレンタインデーにチョコレートをもらうときは、こういったSDGsチョコレートお願いします。

マスター:最近ほとんどもらっていないです。

藤沢:じゃあ、私から。来年はそのようにしたいと思います!

それ以外にもマスターに関わりがありますよ。50代男性、ASさん。

「コーヒー豆の製造元に気をつける」

マスター:ああ!これはね、うちのカフェもやっています。

藤沢:最近カフェが増えてきて、いろんなカフェに行くとコーヒー豆が置いてあって、どんな場所でどんな人が作っていて、農薬をどう使ったか、使っていなかったかといったことを説明してくださいますからね。

マスター:意識は高くなっているんでしょうね。全体的にね。

藤沢:そういうのに気をつける意識を持つことだって、「みんなでSDGs」ですよね!

 

【20代のリスナーからは継続的な長期ビジョンの必要性も】

藤沢:ほかにも今回もたくさん20代の方からいただいているんです。

マスター:増えてきている感じがします。

藤沢:20代男性のゆうたさん。

「会社含め取り組む姿勢はありますが、まだ浸透しきれていないです。また、2030年までとなり、世界的な長期ビジョンとしては短いかと思います。」

マスター:そうかも知れないですね。20代の方はその後ずっと長く生きるし、自分たちの世代だけじゃなくて、次の世代に伝えていくということが大事なんでしょうね。

藤沢:そういったご意見をもうひとつ。

20代の男性の福冨さん。

「天災が起きた時に一時的な支援ではなく継続的な支援が必要。そのためにメディア、SNSなどを使い定期的に発信していく事が大事。数年先も支援の輪を閉ざしてはいけない。」

福富さんもやはり持続的にやっていかなきゃダメだよね、ということをおしゃっています。

マスター:そうですよね。

 

【つながりを連想しながら活動する】

マスターマスター:実はNCGMも東日本大震災のあと、東松島市というところに支援して、今も続いているんです。

その東松島市で、2013年、津波の塩害があったところを中心に、太陽電池パネルをパークみたいなかたちで作って発電を始めているそうです。

そういうことは忘れられがちですが、被災したこと自体は今も続いているし、自分たちもがんばっているんです、というような発信があるんだと思いますね。

藤沢:マスターのところも、医療が中心かと思ったらそういった太陽光のパネルを設置するご支援なんかもされている?

マスター:直接はしていないんです。保健医療って、「医療」だけでは全部が完結しないんですね。例えば、病気になりがちなその人たちは孤立しがちとか、あるいは別の社会的な問題を抱えていると、医療だけでは解決できない。そういうことを現場の保健師さんとか、医療だけじゃなくて別の生活支援とか、いろんなものにつなげながら住民の人たちがどうやってよくなるかということをやっているわけです。

藤沢:「病は気から」なんて言葉があるけれども、津波で塩をかぶった土地で今まで農業をやれたのにできなくなった、働く場所もない収入もない、心がつらくなっていくっていうときに太陽光パネルを置いて新たな収入源であるとか、その土地がまた意味を持つということ。実は健康につながることのひとつかも。

マスター:結果としてそうだと思います。

藤沢:風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど、そういうつながりを想像しながらSDGsというのを考えてみたら、実はいろんなつながりが思いついて。

マスター:だから、17個マスがあるけど、ひとつのマスだけで収まらない。どのマスの活動をしているかというより、活動が結果としてこのマスにもこのマスにも入っていますというようなことになるのかな、という気もしますけどね。

藤沢:SDGsすごろくとか作れそうね。

マスター:次々にアイデアが出てきますね。

藤沢:1番をやったら、気が付くと1番がうまくいったら3番につながったとか。作れそうです。

マスター:すごいですね。アイデアパーソンですね。

 

【難民健康手帳の電子化は、まず始めて進化させる】

藤沢:そんなリスナーさんから、マスターにメッセージが来ていますよ。

50代女性、りんごさん。

「日本の母子手帳が世界で役に立てるなんて嬉しい事ですね。」って。

マスター:そうですね。

藤沢:どうなっていますか、マスター。難民手帳プロジェクト!

マスター:実は先日ヨルダンにまた行ってきました。

概念としてはわかってくださる。次にデジタル化するということについてです。

すでに、パレスチナ難民を支援していらっしゃるUNRWA(アンロワ)・国連パレスチナ難民救済事業機関はすでに日本のJACAさんと組んで電子化が済んでいるんです。

例えば電子であることは、紙をただ単に電子に置き換えればいいという話じゃ、本当はなさそうじゃなさそうな気がするんですよ。

これまで紙を使っていて、電子化されたら使うかというと、必ずしもそうではない。なので、電子ならではの情報があるんじゃないかと考えたんです。

例えば移動距離を測るとか。メニュー・レシピが出てくるとか。

アンロワさんではクックパッドと組んで、イスラムの方に合うような健康な食のレシピを作っているらしいんですよ。

あるいは、お母さんのための離乳食の作り方が映像で出てくれば、必ずしも字が読めなくてもいい時代になるかも知れないですよね。

今、難民健康手帳にからめて、NCD手帳といって生活習慣病の手帳を作ろうというお話になっているんですが、それも同じことが言えるんですね。レシピが呼び出されるといったことに加えて、運動量のデータとか、電子ならではの付加価値である、そういうのがついたら面白いんじゃないかというお話はしているんですよ。ただ、技術的にどこまでできるのかと。狙っているのは世界標準なので、世界に使えるようにね。

そうすると、アンロワさんだけが使えるんじゃなくて、UNHCR難民高等弁務官事務所の難民の方とか、ヨーロッパにいらっしゃる方とか、別の国にいて働く人、移動する人たちがいるじゃないですか。そういう人たちの健康も含めて、世界標準にしようとすると、アプリケーションを連動させるのが難しいとか、電子カルテにどうやって結びつけるとかね。問題が出てきて、これはかなり苦戦しそうだなと。これは藤沢さんにぜひアドバイスをいただかないと立ち行かんわと最近思っています。

藤沢:めずらしくマスターが苦悩に満ちた表情でお話されていますけど。

いいものに取り組むとき、いろんな人の知恵を集めたほうがいいんです。

でも、集めるといろんなことをしたほうがいいって言われるんで、コレ全部やるのどうやって?と迷っちゃうんですよね。

アジャイルという言葉があるんですが、とにかくとりあえずやってみる。そして声を聞き意見を聞いて改善する、増やしていく。常に完成を目指して進化するというのがサービス開発の基本なんですね。

まず小さくやってみる。最初は写真に撮っちゃうだけとか。

計測したら母子手帳的な紙に記入するんだけど、それを写真にとってスマホに残しておくだけとか。

今は写真をOCRという仕組みで自動的にテータ変換してくれる機能もあるので、そしたらデータに変わって自動的にアプリの中にたまっていくとか、そういうのも出てくる。

アイデアはたくさん聞いてためておきながら、できるところから小さく始めていくと、動いているところにまた集まってくるんですよ。そうすると世の中が変わる。

マスターも難民手帳はまず小さく。ぜひできるところからものにしていくといいと思うんですよね。来月はその小さな一歩についてみなさん聞けることを楽しみにしましょう。

マスター:そうですね。

藤沢:ということで、みなさんからのメッセージをお待ちしています。メッセージをいただいたらマスターからプレゼントがね。

マスター:番組のホームページを見ていただければ、海外で買ってきたプレゼントがありますので、ぜひ投稿お待ちしております。

藤沢:私もインスタ映えするSDGsがんばります!

マスター:ありがとうございます。

藤沢:ありがとうございます。

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