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聴く第27回「SDGs(持続可能な開発目標)」(2018年1月16日放送分)


<出演>
マスター:明石 秀親(国立国際医療研究センター)
藤沢:藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表/常連客)

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※ お寄せいただいた内容は、番組内でご紹介させていただく場合がございます。

【SDGsとは!?】

マスター:藤沢さん、いらっしゃいませ。今日は何にしますか?
藤沢:こんにちは。今日はあったかいものがいいなぁ。
すごく寒いですもんね。ホットチャイを。
マスター:じゃあそれにいたしましょう。
いろいろなご注文をありがとうございます。
藤沢:いつもマスターに挑戦をしていただくようになってきました。
マスター:藤沢さん、襟につけていらっしゃるバッチは?
藤沢:キレイでしょ?17色あるんですけれども、SDGsのバッチなんです。知ってます?
マスター:そうですね。知っているも何も、うちのスタッフもつけています。
藤沢:これって、2015年の秋に国連のサミットで作られた国際的な目標なんですよね。
マスター:SDGsというのは、日本語でいうと持続可能な開発目標、英語でいうと、Sustainable Development Goalsです。ちょっと難しいですよね。
今まではどちらかというと開発途上国中心の目標設定が多かったんですが、この17の項目は先進国も含む世界全体の目標としましょうということで、2030年までの国際目標として設定されました。
藤沢:開発目標といわれると、マスターがおっしゃったように途上国の開発目標というイメージがあるけれども、開発途上国だとか先進国だとか関係なく、世界中のみんなでこの目標を達成していこうということなんですよね。
マスター:そうですね。日本にいる人も当然関係あるんですが、SGDsってよくわからないですよね。それで個人的にはね、「(S)すごく(D)大事な(G)ゴール」みたいな言い方がいいんじゃないかなって。
こういうとオヤジギャグみたいになりますが。
とにかくみんながしっくり来ないと、目標って共有できないんじゃないかなって思います。
藤沢:今の「すごく大事なゴール」、とってもステキだなって思います。
もしかしたらみんなで日本なりにSDGsをわかりやすい言葉に代えてもいいんじゃないかと思いますね。
要するに、世界中がみんな一人たりとも取り残されることなく幸せに生きていけるように、みんなで目標を達成していきましょうということだと思うんですよね。
17個のテーマのタイトルだけ紹介します。
貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、水・衛生、エネルギー、成長雇用、イノベーション、不平等、都市、生産・消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和、そして実施手段、という17種類があるんですよね。


【組織や企業としての取り組み】


マスター:経済、社会、環境・・・と、広い範囲の課題を含んでいるということで、藤沢さんもバッチをつけていらっしゃるみたいですけれども、何かやっていらっしゃるんですか?
藤沢:証券業協会という、証券ビジネスに関わっている方々の協会があるんです。この協会でも実はSDGsの取り組みを積極的にしてきますという宣言をしていて、みんな理事の人たちはバッチを付けているんです。
証券業協会そのものも、例えばSDGsの中の"ジェンダー"について、男性でも女性でもLGBTの方でもみんな平等に活躍できる場を作りましょう、なんていうのも組織の中で実践していこうと考えています。
それから"貧困"というテーマに対しても、格差が起きないように証券業会として何ができるかということもこれから取り組んでいく。
それ以外にも、証券というのは「株式」もありますので、株式ということは全部企業ですよね。
なので企業のみなさんたちにも、こういうすべての事業を通じてSDGsの各テーマに関わる取り組みを積極的にしていただくことと、やっているんだったら「やっているよ!」と発信をしていただくような働きかけなんかもやっていこうかと思っているんですね。
マスター:社会的な活動も証券化するとか、あるいはみなさんが参加するようなお金の入れ方、それが社会あるいはSDGsに貢献するようなアイデアが出そうですね。
藤沢:「ソーシャル・インパクト・ボンド」というのもあったりします。
例えば「貧困を撲滅するための新しい取り組みをするので、みなさんでお金を出していただけませんか、貸していただけませんか」っていうことで、「ボンド」つまり債権を発行してみなさんからお金を借りるという仕組みもあります。
金融もお金ですから、実際の動きには不可欠のものになってくる。なので金融という面から社会的にお手伝いをしていくということも広がってきていますね。
マスター:金融以外にも産業界というか、SDGsにからめて活動とかあるんですか?
藤沢:もともと日本の企業って、近江商人の「三方よし」なんていうのがあって、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の感覚。
ほとんどの企業さんが、実はお金を稼ぐためのビジネスをしているだけではない。
事業を通じて地域に貢献していたり、従業員の方の夢を実現したりとか、いろんなことをやっているんですね。
最近はどちらかというと企業のみなさんが、「自分たちがやってきたことをSDGsのこの17の項目に置き換えて説明しなおしてみると、どんなことがあるんだろいう」と、あらためて整理するというのもありますね。
マスター:なるほどね。

全ての人に健康と福祉を】

藤沢:ちなみに、マスターとスタッフのみなさんがいらっしゃる国立国際医療研究センター/NCGMですけれども、ここでもSDGs、取り組みはなさっているんですか?
マスター:そうですね、NCGMはご存知のように保健医療分野の専門機関ですので、特に保健医療、今のSDGsでいうと目標の3番が関係しています。
実際には、前の枠組みであるミレニアム開発目標というMDGsの中でも取り上げられていた、母親とか子供、特に新生児とか母性のことなど、まだ前の段階では達成途上であるということを続けてやっていました。
あるいは感染症もそうですね。特に薬剤耐性菌の問題や公衆衛生危機、エボラウイルスなんかも含めて、感染症の問題がまだ残っています。
それから世界的にはUHC:Universal Health Coverage、基本的な保健医療サービスを必要なときに自分で払えるお金で受けられますと。日本でいうと1961年にできた国民皆保険制度。そういうことができる状態、あるいはそういうシステムをUHCというんですが、そのようなことに対して貢献しようと、いくつかのサービス提供について協力しています。
藤沢:今、3番目のテーマとおっしゃいましたけれども、SDGsだと3番目は「保健」。
「全ての人に健康と福祉を」というテーマ、目標ですよね。
その中で最後におっしゃったUHCというのはとても興味深いですね。
全ての人が払える金額で保健や医療を受けられる。よく考えたら日本人ってみんな保険に入っていて、当たり前のように保険証を持っていて、病院に行っていますけど、世界にはそれができないところがいっぱいある。
マスター:そうですね。達成されている、100%カバーされているという国はそんなにあるわけじゃないんです。
保険料を払う制度だけじゃなく税金でカバーする場合もありますが、例えば保険料を払っていても実際には医療サービスがないこともあって、お金払っても意味がないよ、どうせサービス受けられないよ、ということが起こっている。
あるいはサービスを提供しようと思っていても、財政的に援助・援助で立ち行かない場合もあって、みんなで払えるお金でなんとかならないだろうかというような動きもあるんですね。
ですからおっしゃるように日本だと当たり前のことが、国によっては当たり前じゃないこともあるというのは事実ですね。
藤沢:じゃあそういう国に、NCGMは保険や医療の制度を作るお手伝いに行かれているということ?
マスター:そうですね。あとは研修生を受け入れて日本の保健医療制度を学んでいただくこともあります。もちろん日本のやり方だけではないんですね。いろんな国の別々のやり方がある。日本の制度はひとつの例で、じゃあそれぞれの国でどうしたらいいかということを一緒に考えていくというスタンスですね。
藤沢:このNDGsの3番目の「全ての人に健康と福祉を」というテーマ。
日本はかなり目標達成しつつあると考えてもいいかもしれないけれども、そういうノウハウを使ってNCGMではほかの国の目標達成のためのお手伝いにいっているということになるんですよね。



普段やっていることをSDGsに当てはめてみる】

藤沢:今日はあらためてSDGsという枠組みでおはなししていますけど、NCGMの取り組みはそもそもSDGsがあろうとなかろうとやっていて、SDGsという目標が新たに設定されたからその枠組みに合わせてみたら、共通することがあったっていうはなしでもありますよね。
マスター:そう考えてみたらみなさんそうなんじゃないかと。
もしかすると自分にとっては普段やっていることでも、SDGsっていう枠組みを俯瞰してみると「これやってるんじゃない?」みたいなことが起こっているのかも知れないですよね。
藤沢:自分がやっていることが、世界全体が持続性をもってみんなが幸せに生きていくための一助になるんだと思ったら、ちょっとやりがいもありますね。
マスター:みんなで同じ目標に向かっているんだぞと。みんないっしょにやろうよ、みたいな感じになるのかも知れないですね。
藤沢:よくマスターがおっしゃっている「いろんな人とつながらなきゃ」っていうのも、これでつながるかも知れない。
マスター:そうですね。
藤沢:ちょっとマスター、紹介してもいいですか?
マスター:はい、どうぞ。
藤沢:前回「生涯現役のアイデアありませんか?」ってリスナーのみなさんに呼びかけたところ、いくつかメールをいただきました。
ラジオネーム松岡さん。50代の男性です。
「生涯現役であるためには若い人と一緒に働いたり活動することがいいと思います」。
あべちゃんさん。60代男性です。
「週に1度でも良いから働きたい。お金はそんなにいらない。時間がありすぎるのは夫婦喧嘩のもと」。
おっかあさん。30代の女性。
「生涯現役であるためには、働き盛りの子育て世代が高齢者に頼ることが大切だと思います」。
いただいたこのご意見。
生涯現役には働いたほうがいいよ、若い人をお手伝いしたほうがいいよって考えると、このSDGsの取り組みなんかはまさにぴったりじゃないですか?
マスター:そうですね。特にリタイヤした人もそうですけど、今までの蓄積がある。
それらを、ほぼいろんなものをカバーしているSDGsの17個にあてはめると、それに対して働いている意味のようなことが生まれるかも知れないですね。
藤沢:例えばジェンダーなんていうのが5番目のテーマで「女性及び女児の能力強化」と書いてある。
働きたいというお母さんのために高齢者の人が子供を預かってあげるよというのは、この5番目のテーマそのものであったりしますよね。
8番の「成長雇用」というテーマ。
高齢者の人が働くということは、働いて雇用をさらに生みだすことや経済成長のお手伝いになるという意味ではこれにもあたるし。
マスター:そうですね。かなりやりようですね、これは。
藤沢:やりよういっぱいありますよ。
あべちゃんさんなんて「お金はそんなにいらない」とおっしゃってくださっていますよね。
この17のテーマの中でやれそうなことをどんどん実現してくださったら、あべちゃんさんはもうSDGsの先頭バッターのシニアとしてご活躍いただけるかも知れない。
マスター:そうですね。

SDGsに関わるきっかけを探してみよう】

マスター:自分が前にアイデアがあると言ったときに、「それはやるかやらないかです。やっちゃえばいいんです」っていうおはなしをしていた。
それって機会があったらやるということなのかな、とも思うんですよね。
そういう方は多分、自分も含めてたくさんいらっしゃるんじゃないかなと。
それだったら「こういう機会があるよ」とか、そういう人たちが多いんだったら「じゃあこういうのはどう?」といったような。
例えば産業界なんかでそういう動きってあるんですか?
藤沢:そういう意味では、SDGsと検索されると、それに関わる取り組みをしているNPOやNGOがたくさん出てくるので、そういうところがもしご近所にあれば参加するというのもあると思います。
それにこれからはクラウドファンディングなんかで、こういうSDGsに関わる取り組みがしたいんだけれども、お金を寄付してくれる人いませんか、もしくは一緒に働いてくれる人いませんか、っていう募集がどんどん増えていくと思うんです。
そういうのを見つけてご近所だったら行ってみるとか、ワークショップもこれからどんどん増えていくと思うんですよ。
まずは、一緒に働く前にどんなことをやろうとしているのかを一緒に考える会に積極的に参加してみるとか。
何かやりたい人にとっては、このSDGs、とてもいいキーワードだと思うんです。
毎日「SDGs」「ワークショップ」とか「取り組み」とかって検索してみると、ご近所で何かが起こっているかも知れないですね。
マスター:なるほどね。
藤沢:じゃあぜひ今度はリスナーのみなさんに「SDGsでこんな取り組みができたよ」とか「こんなふうに取り組みができそうだよ」とか。
マスター:「始めたよ」みたいなのもね。
藤沢:あとは「SDGsをもっとわりやすい言葉にするならこれだ!」なんていうのもいただけたら嬉しいですね。
マスター:よろしくお願いします。
藤沢:みなさまからのお便りお待ちしております。

 
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