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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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9月7日の「アサザイ 今日の1社」は、藤森工業(7917・東証プライム)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 布山 英士 様にお越しいただき、事業内容や成長戦略等についてお話を伺いました。

 

同社は、1914年(大正3年)に設立された長い歴史を持つ会社です。生糸を包む「藤森式ターポリン紙」の製造から始まり、以来、時代のニーズを先取りしながら、食品や医薬品の包装、建築・土木資材、情報電子へとその事業範囲を拡大させ、現在はウェルネス、環境ソリューション、情報電子、建築・土木資材の4つの領域に区分して事業を展開しています。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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藤森工業(7917)(東証プライム市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 布山 英士(ふやま えいし)様

 

「包んできた大切なもの」

 

BtoBを経てBtoBtoCとして皆の目に入る製品が数多く存在する

 来年、上場30周年を迎えられる、東証の業種区分「化学」の会社であるが、創業は1914年で、実に108年の歴史を有している。

創業当時の大正初期、日本が外貨を稼ぐ輸出産業の花形は絹製品であったが、今のような頑丈なコンテナー等は無く、高温多湿という劣悪な環境の下、欧米に向けた長時間の船便で輸送が行われたことから、品質劣化がすすんだ製品として安く買いたたかれてしまう状況が多発していたのだが、同社がアスファルト素材を紙で挟み込んだ「藤森式ターポリン紙」という防湿・防水包装資材を開発・上市したことにより、品質の高さを維持することが可能となったという。

 

以来、「大切なものを包み守る」と言う経営理念のもと、さまざまな製品を開発し、新たな事業に進出してきたが、BtoBを経て、結果的にBtoBtoCとして皆の目に入る製品として数多く存在している。

 

暮らしの身近なところに存在する、同社が開発した"包むもの"

 その幾つかを紹介すると、まず、日本人にはなじみの深い味噌は、昔、酒屋などで大きな樽に入れられ、秤売りされていた。味噌は空気に触れると褐変と言って色が変わり、商品価値が早く下がってしまうという問題を解決したのが、同社が開発した、当時は珍しかったナイロンとポリエチレンを組合せて作った味噌用包装材料である。現在、スーパーで色々な地方のお味噌を買うことが出来、海外でも流通するようになったキッカケは同社が開発した"包むもの"にある。

 

 その他にも、学校給食でお世話になった、牛乳の三角パック、建設現場や災害に遭われた家屋を一時的に守るブルーシート、医薬品や医療器具を入れる包装資材、LCDと呼ばれる液晶パネルの重要な部材である偏光板を保護する保護フイルム、シャンプー・リンス等の詰替え包装容器(トップシェア)など、私たちの暮らしの身近なところに同社が開発した製品は存在している。

 

 これらの製品は事業としては、「環境ソリューション事業」、「ウェルネス事業」、「情報電子事業」、「建築・土木資材事業」の4事業のもと輩出されているが、それを支える体制は、日本国内に11の生産拠点、10の販売拠点、5か所の研究開発拠点を有し、海外においてもアジア地域と米国に14の生産・販売拠点を構えている。

 

培養技術の展開で期待がさらに高まる「ウェルネス事業」

そして、成長戦略として、現在、特に注力しているのが上記4事業のなかの、人々の大事な命を守る「ウェルネス事業」である。

バイオ医薬品やコロナワクチンを含む各種ワクチン等の開発や実際の生産に使用される培養装置では、同社のシングルユース仕様のフレキシブル培養装置の「バイファス」と言う製品をいち早く上市し、今では国内唯一の量産メーカーとしての地位を築いている。またこの製品については、経済産業省からの強い要請もあり、約50億円を投資して生産能力増強と、更なる差別化製品の開発を進行中である。

 

 更に同社では、この「バイファス」で培ったノウハウを活かし、自社で色々な細胞の大量培養生産技術を開発している。具体的にはiPS細胞を使ったがん治療や線維芽細胞を使った人工血管の作製、間葉系幹細胞を使った人工血小板の作製などであり、大学を含めた研究機関と共同で実用化が進められている。この中でiPS細胞については、1年半前に、一度に100億個以上の均質な細胞を作製出来たことを公表しているが、現在は更に格段の進歩を遂げており、実用化に向けた期待がさらに高まっている。

 

また今後はこの培養技術を基本にして、特殊な細胞を大量に作製出来る技術を展開し、最終的には地球環境に優しいプラスチック素材の開発に、チャレンジしたいと社長は語った。

 

 ここでは紹介しきれない多くの製品や技術に、是非同社のWebページで触れて欲しい。

 そうすれば、同社が「包んできた大切なもの」が、そんな言葉が生まれるずっと前から、「サステナビリティ」であり「SDGs」そのものであったことをご理解頂けると思う。

 

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 

それでは来週もお楽しみに!

 

■藤森工業 IRサイト

https://www.zacros.co.jp/ir/

 

代表取締役社長 布山 英士 様と

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