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9月6日の「アサザイ 今日の1社」は、システムサポート(4396・東証プライム)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 小清水 良次 様にお越しいただき、事業内容や強み、成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

システムサポート(4396)(東証プライム市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 小清水 良次(こしみず りょうじ)様

 

「独立系ゆえの強み」

 

▼メーカーに属さない独立系のシステム開発会社

 会社の設立は1980年。金沢市内で産声をあげ、オフィスコンピューター開発とデータ入力の2つの事業からスタートしている。その後、設立4年目に名古屋、続いて東京・大阪へも進出し、現在は売上・人員ともに約半分が東京の組織が占めている。

 

 小清水氏が社長に就任したのがバブル崩壊後の1994年で、経営が非常に厳しいタイミングでの社長交代であったというが、その後、2000年に「石川ベンチャー大賞 奨励賞」を受賞し、2018年に東証マザーズ市場に新規上場、翌年には東証一部に市場変更を果たし、現在は東証プライム市場に上場している。

 

 同社の特徴は、なんと言ってもメーカーに属さない独立系のシステム開発会社として、エンドユーザーとの直接取引にこだわり、同時に、他社にない尖った強みを作るため、データベースやクラウドの技術者を積極的に育成したことにある。また、OracleAWSMicrosoftなどグローバルITベンダーとの関係を強化して、その分野の受注を拡大させたことが、現在の成長につながっている。その姿勢は、会社の構成にも表れており、国内4社のグループ会社に加え、海外でも米国・シリコンバレーとカナダ・バンクーバーに2社組織を構えている。無論、シリコンバレーの拠点は、先進の技術、サービスをいち早くキャッチし、有望な事業の国内展開へとつなげる役目も担っている。

 

5つの事業セグメント

 決算短信の事業セグメントは5つ。

 1つ目の「クラウドインテグレーション事業」は、ServiceNowMicrosoft AzureAWSGoogle Cloud等のクラウドサービスの移行・利用に係る技術支援やライセンス等の再販を行う事業で、前期2023年6月期の全社売上に占める比率は27.6%、営業利益に占める比率は54.3%となっており、利益率の高い事業であることが分かる。

 

 2つ目の「システムインテグレーション事業」は全社売上高に占める比率は58.7%と高い事業で、ERPパッケージの導入・利用に係る技術支援、Oracleデータベース等のインフラ構築、ITシステムのコンサルティング・設計・開発・運用保守などを行っている。

 

 3つ目の「アウトソーシング事業」の全社売上高に占める比率は9.2%であるが、アウトソーシングとして、プライベートクラウド等のデータセンターサービス、データ分析・入力、システム運用保守などを請け負っている。

 

 そして4つ目の「プロダクト事業」は、全社売上高に占める比率は3.6%と小さいものの、利益に占める比率は13.1%と、利益率の極めて高い事業であり、このセグメントでは、ソフトウェアの開発、販売、そしてユーザー企業の用途に応じたカスタマイズを行っている。

 

 そして最後の「海外事業」は、前述の役目だけでなく、海外においてシステムインテグレーション事業、給与・会計業務のアウトソーシング、人材紹介サービス、メディア運営など、きちんと売上を計上できる事業を行っている。

 

▼中期経営計画のローリングプランを発表

 同社は、昨年2022年8月に3か年の中期経営計画を発表したが、事業環境の変化を反映させて、ちょうど1年後であるこの8月に2024年6月期から20266月期までの3か年の中計ローリングプランを発表した。

 ローリングに至った経緯として、DX需要の高まりを受け、国内IT市場はさらに拡大傾向を強めていること、特にクラウド関係の伸びが大きいことが予想されること、また、人材の採用は競争が加速していることといった外部環境の変化に加え、内部環境においては、エンジニアを中心とした体制強化が計画通り進捗しており、また、クラウドインテグレーション事業の成長が継続していることや、ストック型収益の比率も拡大していることなどが挙げられている。

 これだけを見てもポジティブな要因が多いことが分かるが、これらの要因を受けて、経営指標の計数目標を、当初の目標であった2025年6月期の売上高21,892百万円を24,365百万円に上方修正し、新たに2026年6月期の目標として26,805百万円を設定した。

 

 この要因にも挙げられた「クラウドインテグレーション」であるが、やはり現在の同社を含む同業のキーワードであろう。

 その点、同社はAWSMicrosoftGoogleなどのグローバルITベンダーから受賞等の実績を積むことで関係性を強化し、顧客の紹介を受け受注につなげている。無論、そこに活きているのは「独立系ゆえの強み」だ。

 特定のクラウドをメインで扱う同業他社も多いなか、同社はその扱いが幅広く、顧客のニーズに沿った対応が可能であり、それは近年増加しているマルチクラウドのニーズに対しても同じことが言える。この差別化により、今回ローリング、そして上方修正した計数目標をクリアするがい然性は現段階で非常に高いと推察する。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■システムサポート IRサイト https://www.sts-inc.co.jp/ir/

 

代表取締役社長 小清水 良次 様と

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