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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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8月2日の「アサザイ 今日の1社」は、エコム(6225・名証メイン)を放送しました。

 

今回は、代表取締役 髙梨 智志 様にお越しいただき、同社の2つの事業や成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

エコム(6225)(名証メイン市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役の 髙梨 智志(たかなし さとし)様

 

「"待ったなし"の使命を担った企業」

 

Ecology(環境)&Combustion(燃焼)=「燃焼技術を用いて環境に優しい機械設備をつくる」

 会社設立は1985年。今年2023年3月31日に名証メイン市場に上場されたが、業種区分は「機械」、工業炉に関する設備メーカーである。社名のECOM(エコム)とは、Ecology(環境) & Combustion(燃焼)の造語で「燃焼技術を用いて環境に優しい機械設備をつくる」という願いが込められている。

 

 事業セグメントは、工業用加熱設備をオーダーメイドで製作する「産業システム事業」と、その設備のメンテナンス及び改造工事を行う「保守サービス事業」の2つ。

 

 深堀りすると、「産業システム事業」は「乾燥炉」、「焼成炉」、「熱処理炉」などの工業炉をオーダーメイドで設計・製造する事業であるが、現在、顧客は生産性や品質は勿論のこと、加えてカーボンニュートラルを目指したCO₂の排出が少ない工業炉を要望している。

 ここにおいて同社が「強み」を発揮するのが、受注段階で提案する「ヒートトライアル」。これは、同社のテクニカルセンターに顧客を招き、加熱対象物を実際に多くのテスト装置によって加熱することで、より最適な熱源、時間、温度、圧力、風速、ノズル形状などの最適パラメータを計測し、結果的に「何度でどの様に何分加熱すればよいのか?」など、カーボンニュートラルに寄与する最適解を見つけ、顧客に提示するのだ。まさしく、「ソリューション」である。このようにして検証されたデータは、顧客と共有し、そして実機に反映させることができ、他社との差別化に繋がっている。

 

 もう1つの事業である「保守サービス事業」は、会社設立時の祖業がメンテナンスであったことから、創業時からノウハウが蓄積されたビジネスと言えるが、同社がメンテナンスを請け負っている会社は全国500社以上で、設備数も1,200を超えている。また、メンテナンスを行っている約4割の設備は「乾燥プロセス」であるが、この「乾燥炉」は、労働安全衛生法で年1回以上の点検が義務化されている。これにより、ストック型ビジネスとして、景気に左右されにくく、安定して利益を確保できる事業となっている

また、この「保守サービス事業」であるが、自社製品のメンテナンスだけではなく、他社製品のメンテナンスも行っていることが大きな「強み」となっている。実際に同社でメンテナンスを行っている約8割は他社製の工業炉だという。

 

▼"一気通貫"が、顧客企業からの高い信頼の源

 つまり、同社は「産業システム事業」と「保守サービス事業」によって、工業炉に関する設計・製造からメンテナンス、そして改造工事に至るまで、一気通貫で行うことができるのだ。設計のみ、製造のみといったメーカーが多い中、この"一気通貫"が、顧客企業からの高い信頼を得る源(みなもと)となっている。

 

 現在、地球温暖化が進み、環境問題は深刻な状況に直面している一方で、社会全体として「2050年のカーボンニュートラル」の達成へ向け、取り組みを進めている。

そのような中、環境省から発表されたデータによると、CO₂排出量の約34%が工場等の産業部門からの排出であり、うち40%が「工業炉」からの排出となっている。つまり、掛け合わせると日本のCO₂排出量の約13.6%が「工業炉」から排出されていることになる。

 

▼同社の成長が日本がカーボンニュートラルの達成に近づいているという証に

 そのため、工業炉メーカーである同社は、工業炉の省エネルギー化を事業の中心に位置付け、コア技術である加熱技術を用いて、CO₂などの排出が少ない加熱プロセスを提案し、カーボンニュートラルの実現に寄与することを企業ミッションとしている。

 同社の事業活動そのものが、サステナブルな社会の実現に寄与・貢献することは確かだ。しかし一方で、私は、同社は好むと好まざるに関わらず、既にその "待ったなしの大きな社会的な使命"を担わされていると考えている。

 同社が上場して良かった。そして、これから事業をさらに拡大させ、その時価総額が大きくなることを私は望んでいる。それはそのまま、この国がカーボンニュートラルの達成に近づいているという証なのだから。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

 

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■エコム IRサイト https://ecom-jp.co.jp/ir/index.html

 

 

代表取締役 髙梨 智志 様と

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