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7月19日の「アサザイ 今日の1社」は、ストレージ王(2997・東証グロース)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 荒川 滋郎 様にお越しいただき、事業内容や強み、成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

ストレージ王(2997)(東証グロース市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 荒川 滋郎(あらかわ じろう)様

 

3つの力」

 

▼全国14都府県で約9,000部屋のトランクルームを運営・管理

 昨年2022年4月に上場されたストレージ、つまりトランクルームの開発・運営を手掛けている企業だが、2008年に東京都中央区に会社を設立(現在の本社は千葉県市川市)し、2015年に岡山の天満屋が展開していたトランクルームの会社と合併し、同社が存続会社となった経緯があり、この6月末時点で、全国14都府県で156か所、約9,000部屋のトランクルームの運営管理を行っている。地域別では、156か所のうち、関東エリアが約100か所、岡山県エリアが50か所と岡山県に数多くそれが存在することも特徴の1つである。

 また、同社はもともと(株)デベロップというコンテナ建築の会社の子会社としてスタートしており、コンテナに関する知見が非常に高いことが事業にも結びついている。

 

 手掛けているトランクルームは「屋内型トランクルーム」と「コンテナ型トランクルーム」に大別できるが、前者は空調が効いており、店舗の入り口にセキュリティラインがあり、カーペット敷きなのでクローゼット感覚でご利用頂いているという。

 そして、後者はロードサイドということもあり、幅広いエリアに分布し、殆どの拠点で荷物の積み下ろし作業用の広い駐車スペースが用意され、収納スペースの傍に車で乗り入れることが可能となっている。また、防犯カメラを設置しており、防犯面も安心とのこと。

 

 それぞれの用途であるが、「屋内型トランクルーム」は、洋服や靴の収納場所、アルバムや本または商品の在庫保管場所として利用されることが多く、一方で「コンテナ型トランクルーム」は、レジャー・スポーツ用品の保管場所、自転車やカー用品、また、屋内型トランクルームと同じく商品の在庫保管場所としてご利用頂いているという。

 

 強みであるが、同社の事業特長は、サービスと契約形態の幅広さにあると社長は言われた。

借地の上にコンテナを利用した屋外型の出店をするケース、用地取得を行って自社開発するケース、土地所有者の有効活用を支援するケース、他社とのコラボレーション、マンション・オフィス等との複合展開など、幅広い業態とそのニーズに対応した契約形態が採られているのは確かに強みであろう。

 

 また、利用者が保管して欲しいと願うニーズも多様であり、同社はワインセラーのトランクルーム、サーフボード専門のトランクルーム、各ブースに電源を備えたバイク専用トランクルーム&ガレージなどの運営も行っている。

 

▼「運営力」、「仕入開発力」、「物件売却力」が3つの強み

 そして、社長は自社のリソースという観点から、「運営力」、「仕入開発力」、「物件売却力」の3つが、「当社を支える(3つの)力」=「強み」であると言われた。

 

 1番目の「運営力」とは、トランクルームを適切に運営し、稼働率を上げて収益を高める力で、テレワークのために部屋を広くしたい、子供の成長に合わせて荷物を調整したい、新規事業用の事務所が欲しいなど、ご利用される方の立場に寄り添うことにより、「使いたい」と思って頂くことにつながる力と言われた。

 

 2番目の「仕入開発力」とは、不動産オーナー様向けに発揮される力だ。土地を有効活用したい、事務所ビルの空きスペースを埋めたい、土地を売却したいといったニーズに応えるもので、上場を果たしたおかげで金融機関を始めとしていろいろな企業からの問い合わせ、紹介が増えているという。

 

 そして、最後の「物件売却力」であるが、これは投資家向けの強みである。具体的には、安定した資産が欲しい、老後に備えて手間のかからない資産が欲しいというニーズのある投資家に、完成したトランクルームを継続的に売却する力だ。住宅に比べて管理の手間が少ないことや、水回りが無く追加投資が少ないといった特長がトランクルームにはあるため、安定的な投資物件としてのニーズが高く、リピーター投資家が多いという。

 

▼生活様式の変化・多様化により着実に伸びる業界

 事業環境と成長戦略であるが、事業環境について、日本ではトランクルームの世帯普及率は低いが、四季があるということ、マンション価格の高騰で望んだ広い物件を購入しづらくなっていること、生活様式が変化・多様化していることを踏まえ、着実に伸びる業界だと考えているという。また、矢野経済研究所のデータでも、その市場規模は2023年度825億円であるが、年率5%程度のペースで市場が拡大しているとのことだ。

 

 また、日本全体でみると人口は減少しているが、首都圏集中傾向が続いており、都心型屋内トランクルームもクローゼット感覚でマンションの収納不足を補うニーズで伸びているという。郊外型コンテナトランクルームは底堅い需要が続いていることから、両トランクルームともに成長の余地は大いにあり、両案件で出店を強化したいと考えていると語ったが、それは今期の取組みにも表れている。4月に既存マンションの低層階の冷蔵倉庫をトランクルームに転換した行徳パート2を開業し、現在、沖縄、品川区、目黒区、豊島区で屋内型物件を開発中で、沖縄は9月に事務所併設物件が完成予定だという。

 

 トランクルーム業界は比較的参入障壁が低く、多くの中小企業が参入しているが、コンテナ建築の中には建築基準法を満たさない建物があるなど業界全体としてまだまだ改善すべき点も多くあると社長は語った。そして、実際に行った(株)タスキ、クリアル(株)、(株)パルマとの提携の意図についても語られたが、そこに通底していることは、「この業界の認知度を高めるとともに、業種としての生産性、業種としての成熟度を高めたい」という意思である。

 

社長が語った3つの力の最後の「物件売却力」は、同社に大きなフロー型の収益をもたらすが、この上場をおおいなる起点として同社が事業規模を拡大し、「運営管理事業」が生み出すストック型収益の比率が今後大きく高まること、そこにカタリストはある。

 

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

 

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■ストレージ王 IRサイト https://www.storageoh.co.jp/ir

 

 

代表取締役社長 荒川 滋郎 様と

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