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6月21日の「アサザイ 今日の1社」は、POPER(5134・東証グロース)を放送しました。

 

今回は、代表取締役 栗原 慎吾 様にお越しいただき、事業内容や成長戦略、直近の業績等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

POPER5134)(東証グロース市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役の 栗原 慎吾(くりはら しんご)様

 

「『教える』をなめらかに」

 

▼学習塾を中心に教育事業者のバックオフィス業務をデジタル化(DX

会社設立が2015年1月、教育現場のDX化に寄与するサービスの提供で成長し、昨年202211月に上場された。

社名のPOPER(ポパー)は、科学哲学者であるカール・ポパーからとったという。カール・ポパーは反証主義として有名で、科学的であるかどうかの基準は、ある仮説に反証可能性が明確に有るかどうかであると主張している。そして、その仮説が反証されることを通じて真理に近づいていくということは、間違いや失敗によって真理へと近づいていくということで、このような姿勢を生き方としても大事にしていきたいと考え、また、会社としてもそうありたいと考え、社長が名付けたという。

 

 同社のミッションは「『教える』をなめらかに」。

 「教える」という現象の本質は、先生と生徒の関係性にあり、その関係性は相互に尊重しあい、相互にオープンで、相互に影響し合うものだと感じているが、この関係性を構築するために、少なくとも先生には気持ちと時間の余裕が必要であることはもちろんだが、今はそれを確保するのが非常に困難な時代で、そのため、これを課題として認識し、事業を展開してきたという。

 

実際の事業の沿革は、創業年の201512月に教育事業者等のバックオフィス業務の効率化及び保護者とのコミュニケーションを強化するSaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」をリリースしたのだが、これは、学習塾を中心に教育事業者のバックオフィスのアナログ的な業務をデジタル化(DX)することで効率化を図り、講師等がより多くの生徒と向き合える「教える時間」、「子どもたちと正面から向き合う」ことに集中できる環境を提供するものだ。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社が発行した「ミックITリポート2021年2月号 高成長続くクラウド型学習塾向け業務管理システムの市場動向」によると、同社のこの「Comiru」が、クラウド型学習塾向け業務管理システムにおける導入教室数No.1とのことだ。

 

その後、この「Comiru」と連動する形で、リモート教育をより効果的に実現しやすいオンライン授業・自宅学習支援サービス「ComiruAir」を2020年8月に、講師等の労務管理・コミュニケーションサービス「ComiruHR」を202012月にリリースし、サービスの拡充に努めてきた。

 

▼少子化による教育業界の厳しい状況が事業へのニーズの高まりに

主要顧客は無論、学習塾であるが、現在は英会話教室、音楽教室、プログラミング教室等の習い事全般の顧客事例が増え、今後も教育業界へのタッチポイントの深化、多様化を進めることで、顧客基盤の更なる拡大を進めていきたいと社長は語った。

 

教育業界を取り巻く経営環境は、少子化による学齢人口の減少に伴い、市場全体が伸び悩むという厳しい状況にあると同社は認識している。そのため、教育業界では同業者間での生徒数確保に向けた競争が激化していくことが予測され、より一層の業務効率化と経営上の意思決定の迅速化が必要となることが、逆に同社事業へのニーズの高まりとなるという。

 同社資料によると、株式会社船井総合研究所が202110月に行った調査では、民間教育の業務管理市場のポテンシャル(ユーザーがICTを使用した場合の最大市場規模)は500億円程度と算出され、2026年以降の民間教育におけるICT市場のポテンシャルが2,000億円程度、民間教育及び学校教育におけるICT市場全体の市場のポテンシャルが3,500億円を超えると算出されており、また、生徒数1,000名以下の中小塾等におけるバックオフィス業務はほぼシステムを利用しておらず、表計算ソフトなどを活用したアナログ作業が中心であることにより、今後の普及率上昇に伴う高い成長が見込まれると同社は予想している。

 

202310月期第2四半期決算の業績は、売上高及び利益ともに増収・増益

202310月期第2四半期決算の業績は、売上高及び利益ともに前年同四半期比で増収・増益となり、計画どおりに推移している。また、KPIとして認識している課金生徒ID数は、大手学習塾の解約や学年入れ替えにより、第1四半期から一時的に減少したが、現在、当社で取組みを強化している大手学習塾向けの「ComiruPRO」と基幹システムの有償開発」をセットにした販売戦略は、長きに渡り、多くの大手学習塾が抱えていた課題が解決できるということもあり、当初想定していた見通しを大きく上回る引き合いがきており、期末に向けてKPIの値をリカバーしていくという。

 同社の強みである、教育業界に特化したサービスを学習塾等の要望等に合わせて、スピーディに、且つ安定的に開発することができるということが、大手学習塾に評価されたのだ。これはカタリストと言えよう。

 

 もう1つのカタリストは、公的な教育現場への進出である。

 これについては、FCEエデュケーションと、20231月にアライアンスを結んでいる。同社は学校領域に強く、POPERは学習塾に強い。両者の新たな領域への進出の布石を打つという点で極めてパートナーシップの高い業務提携が期待される。

 これからも、同社は反証可能性の有無をひとつずつ確認しながら、事業を進めていくだろう。全ては、「『教える』をなめらかに」というミッション実現のために。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

今回は、本日の放送に入りきらなかったロングインタビューもPodcast限定で配信しています。

是非お聴きください!

 

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■POPER IRサイト https://poper.co/ir/

 

 

代表取締役 栗原 慎吾 様と

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