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4月17日の「アサザイ 今日の1社」は、サクサホールディングス(6675・東証スタンダード)を放送しました。

今回は、代表取締役社長 齋藤  政利 様にお越しいただき、事業内容や成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記

サクサホールディングス(6675)(東証スタンダード市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長 の 齋藤  政利 (さいとう まさとし)様

 

「サクサは変わる。」

 

 2004年に通信技術に強みを持つ「田村電機製作所」と「大興電機製作所」が経営統合して設立され、今年で創立 20 周年の節目を迎える同社だが、統合前から数えると80 年以上の歴史がある。

 行っている2つの事業は、モノづくりをベースとした「プロダクト事業」とシステム提案・システム構築を行う「ソリューション事業」であるが、両事業ともに中小企業(Small to Medium Business)向けに展開されている。

 

 最初の「プロダクト事業」で手掛けている主製品はボタン電話装置(ビジネスホン)であり、経営統合前からその企画・開発・製造・販売・アフターサービスを手がけてきたという自負があり、自社製品であるサクサブランド以外に、パートナー企業経由のOEM生産も行っている。同社グループにおける収益の中核となっているプロダクトだ。

 

 また、このプロダクト事業で、ボタン電話以外に手掛けているものは、ネットワークアプライアンスである。

 ネットワークアプライアンスという言葉から事業をなかなかイメージしづらいと思うが、これは企業のネットワークの入口で、さまざまなサイバー攻撃による不具合を検出・防御する装置で、一般的にUTMと呼ばれる装置が代表的なものと言える。このネットワークアプライアンスも、ボタン電話装置と同様に、企画・開発・製造・販売・アフターサービスをフルターンキーで提供しているが、実はこの事業は10年ほど前に立ち上げた比較的新しい事業である。

 しかし、ボタン電話装置と同じ商流でSMB向けに販売することで、短期間で事業を立ち上げることに成功し、現在では、弊社グループの売上全体の2割に迫っており、当社グループにおける収益の中核になりつつあるプロダクトに成長している。

 

 そして、「ソリューション事業」であるが、こちらは主に、映像・AIソリューションを提供するものだ。AIによる画像解析および画像認識技術を利用してシステムを構築することで、受託開発や顧客の実証実験の手伝いを行い、課題解決のための提案・システム構築を行っている。

 ネットワークアプライアンスがサイバーセキュリティという領域のビジネスであると考えると、映像・AIソリューションはある意味、物理的なセキュリティ領域におけるビジネスと言える。そして、同社は、このビジネスを成長領域ビジネスと考えており、今後も投資を強化すると言う。

 

 このセキュリティ領域は、サイバー攻撃などを検出・防御する装置の例をとると、コンペティターには、フォーティネット、パロアルトネットワークス、シスコシステムズ、ジュニパーネットワークスなどの外資勢中心の名前を挙げることができるが、これらの競合社は、主に大企業や中堅企業をターゲットとしているため、大規模な製品がビジネスの中心となっている。また、SMB向けにも製品を展開する際も、大規模な製品をベースに小型化したものを販売していると言える。

 

 ここに、同社の優位性・差別化の部分がある。

 同社グループでは、ボタン電話装置で培った技術や確立した商流およびアフターサービスの体制といった優位性を生かすために、当初からSMBを対象とした製品を開発しているのだ。機能や価格だけでなく、設定のメニューやリモートメンテナンスなど、SMBというエンドユーザーにできるだけ負荷を負わせないためのいろいろな工夫がそこにはある。また、競合には外資が多いと上記したが、逆に国産であることがエンドユーザーの安心感や信頼感につながっている重要なポイントだと社長は語った。そして、このように展開されている同社のビジネスを支えているのが、全国1,000店程度の販売網である。無論、これも強みの1つである。

 

 同社は、この20243月期まで、「サクサは変わる。」というスローガンを掲げ、3期の中期経営計画を推進してきた。その初年度は世界的なサプライチェーンの混乱により、部品調達難という局面があったが、その後、その改善に向けた調達体制の強化を図り、前期20233月期には売上高、営業利益ともに計数目標を上回る水準となり、最終期である20243月期も、第3四半期まで計数目標を上回るペースで業況を拡大させている。

また、その"変わる"の部分であるが、「事業を変える」、「財務を変える」、「ガバナンスを変える」という3項目について重点施策を実行し、基盤事業の収益維持、保有不動産の流動化・収益化、コーポレートガバナンス改革の大きな断行などを行い、その成果を感じていると社長は語った。

 

 そして、同社は、この29日に、新中期経営計画を見据えたキャピタルアロケーションの考え方に関するお知らせをリリースしている。その内容は、中長期的な財務健全性を維持しつつ、事業ポートフォリオ変革の実現に向けた投資を意識し、「成長及び育成領域への投資」、経営資本である人材の価値を最大限に引き出すための「人的資本投資」、「DX投資」、並びに生産工場を主体とした「設備の維持・更新投資」を行いながら、株主還元を実施するというものだ。

 ここで待たれるのが、新たな中期経営計画である。その中には、前中期経営計画を踏まえて、次にさらに変わっていくサクサが想う"未来のありたい姿"が描かれているであろう。それを確りと読み取りたい。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■サクサホールディングス IRサイト https://www.saxa.co.jp/ir/

 

代表取締役社長 齋藤  政利 様と

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