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2月14日の「アサザイ 今日の1社」は、デコルテ・ホールディングス(7372・東証グロース)を放送しました。

今回は、代表取締役社長 新井 賢二 様にお越しいただき、事業内容や成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記

デコルテ・ホールディングス(7372)(東証グロース市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長 の 新井 賢二(あらい けんじ)様

 

「ライフフォトカンパニー」

▼フォトウェディングのリーディングカンパニー

 コロナ禍であった2021年6月に上場されたフォトウェディングのリーディングカンパニーである。

 フォトウェディングとは、前撮り・別撮りとも呼ばれる結婚式とは別の日に結婚写真を撮影すること、或いは結婚式は挙げずに結婚写真だけを撮影することの総称であるが、国内の婚姻組数は2019年に約59万組であったものが、コロナ禍の2020年には約53万組に大きく減少し、その後2021年・2022年も約50万組に留まるなど、回復に至っていない状況にある。

 

 しかし、一方でコロナ禍以前からの結婚に対する価値観の変化に伴い、近年では結婚式を挙げない、いわゆる「ナシ婚」のカップルが増えているものの、フォトウェディングは挙式・披露宴と比べてリーズナブルに花嫁体験ができること、撮影場所や衣装なども自由に選べ、何よりも新郎新婦が主役として周りに気を遣うことなく撮影を楽しめることから、実施率が上昇しており、現在は、挙式・披露宴を挙げる方でも7割以上がフォトウェディングを行うという。

 そのフォトウェディングを行う同社のスタジオは、関東では「スタジオAQUA(アクア)」、関西では「スタジオTVB(ティヴビー)」といった地域ごとのブランド名で展開しており、現在は大都市圏やリゾート地を中心に23のスタジオ数を誇っている。

 

 同社を語るとき、このフォトウェディングの事業のみがフィーチャーされているが、もうひとつの事業であるアニバーサリーフォトサービスも伸びている。

 これは、お子様の誕生日や七五三、成人式など様々な家族の記念日を写真に残す事業で、「HAPISTA(ハピスタ)」というスタジオブランド名で現在9店舗を出店しており、今後も首都圏を中心に店舗展開を進めていく計画だという。

 

▼「人材」「衣装や店舗設備」「WEBマーケティング」3つの内製化

 同社の強みは、業界各社が固定費圧縮のために様々な外注化を進める中、逆に「3つの内製化戦略」を進め、クオリティとコストの双方を自社でコントロールできる仕組みを構築してきたことにある。

 その1つ目は「プロフェッショナル人材の内製化」であるが、フォトスタジオのサービスの根幹であるフォトグラファーやメイクアップアーティストなどの人材を、同業他社の多くは(固定費抑制のため、)業務委託契約を結び、撮影の時だけスタジオに来てもらう形をとっている。

 しかし、それでは写真のクオリティやサービスレベルが安定せず、また繁忙期に必要な人数を確保できない、委託単価が上昇するという問題が生じることから、同社は事業立ち上げ時から、"徒弟制度"に近かった業界の人材育成プロセスを見直し、23年で誰もが一通りの撮影をできる育成プログラムを構築し、社員として数多くの人材を育ててきた実績がある。そして、社員への研修を繰り返し、クオリティとサービスレベルを高い水準で安定させることで利用者の満足度を上昇させてきた。

 また、土日祝日に集中しがちな利用者を平日に誘導し、都市部では閑散期となっていた冬と夏に、沖縄・北海道などリゾート地での撮影を広めることによって、撮影件数の平準化を進め、設備と人材の稼働率を高める取組みを進めてきた。繁忙期の需要を獲りきれる自社雇用の人材を有するとともに、そうでない時期においても、クオリティとコストの双方を自社でコントロールすることに成功したのだ。

 

 2つ目の内製化は、「衣装デザインや店舗設備の内製化」である。

 撮影時に利用者が着用するドレスは、ドレスメーカーから仕入れるだけでなく、海外の工場と直接契約し、同社がデザインしたオリジナルのドレスを導入している。デザインを内製化し、直接発注することで製作期間を短縮し、最新のトレンドをいち早く取り込み、クオリティとコストのバランスを自社でコントロールすることができるという。同社の利用者は年間約2万組の新郎新婦と大きな数であることから、衣裳の回転率も高く、内製化のメリットがより効果として働いている。

 そして、ロケーション撮影に頼らず、屋内に本格的な和室を備えた和庭園、天候に左右されず撮影できる環境などを造ることでスタジオ設備を充実させ、多様化するニーズに応えつつ、撮影効率を高める取組みも進めているのだ。

 

 そして、最後の内製化は、「WEBマーケティング機能の内製化」である。

同社の利用者の9割は同社のWebサイトから来店予約をされるというが、自社サイトへ誘導するためのWebマーケティングとサイト制作の機能の一部についても内製化している。利用者及びそのニーズは絶えず変化し続けるため、広告の内容、配分、タイミング等も対応して変えていく機動性が求められるが、マーケティング・制作機能を内製化することで、よりスピーディーでタイムリーな対応が可能となっているという。また、この内製化は、当然、広告宣伝費の抑制にもつながっている。

 

▼様々なライフステージでの「思い出づくり」の場を提供する「ライフフォトカンパニー」へ

 同社は、今年度から20269月期までの3か年の中期経営計画を定めたが、その骨子は、高度なフォト技術をコアにしつつ、いつまでも残しておきたい「写真」と、心に残る「感動体験」をリアルなサービスで提供し、様々なライフステージでの「思い出づくり」の場を提供する「ライフフォトカンパニー」へ、というものである。

 「フォトウェディングサービスのさらなる成長」、「ライフフォトカンパニーの礎を創る」、そして「インバウンド事業の強化」という具体的な戦略を掲げているが、その 「フォトウェディングサービスのさらなる成長」において、未出店のエリアへの出店を進め新たな顧客を獲得しつつ、顧客層の厚い大都市圏では、スタジオを備えた大型店舗に加えて、スタジオを持たない接客専用の店舗をアクセスの良い場所に設けるなど、様々な手法で集客の強化を図り、20259月期からは、地方中核都市を中心に地方都市型店舗の出店を開始し、展開範囲を広げていくという。

 業界のリーディングカンパニーとして自ら市場を拡げていく活動とともに、引き続き新規出店を進めさらなる成長を目指す、ということだ。そして、その先にあるものは、フォトウェディングサービスを受けた"ふたり"が"家族"を持ち、アニバーサリーフォトサービスで一生のおつきあいをするという方向性である。

 「ライフフォトカンパニー」として目指す姿がそこにある。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■デコルテ・ホールディングス IRサイト https://ir.decollte.co.jp/

 

代表取締役社長 新井 賢二 様と

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