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2月21日の「アサザイ 今日の1社」は、東洋テック(9686・東証スタンダード)を放送しました。

今回は、代表取締役社長 池田 博之 様にお越しいただき、事業内容や事業環境、中期経営計画等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記

東洋テック(9686)(東証スタンダード市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長 の 池田 博之(いけだ ひろゆき)様

 

「関西PRIDE

▼金融機関を主要な株主として警備事業を開始

 会社設立が1966年。日本では他に例がないのだが、金融機関(旧福徳相互銀行)を主要な株主として警備事業を開始したのが始まりである(旧東洋警備保障株式会社)。

 主要3事業は、警備、ビル管理と不動産であるが、警備事業は前期の全社売上の約66%を占める主力事業であり、実際には、機械警備・常駐警備・輸送警備・ATM管理などを行っている。

 また、ビル管理事業は、大規模修繕・建物設備管理・消防設備点検、エレベーター設備点検、給水設備点検、建物の日常の清掃や定期清掃などを行っており、前期の全社売上に占める比率は約30%と、主要2事業で95%以上の売上を構成している。

 そして、最後の不動産事業においては、レジデンス、テナントビル、ビジネスホテル、学生寮などの収益不動産にこれまでに8件の投資を行っており、その賃貸業務や、不動産仲介業務を行うとともに、不動産情報を早期取得し、他社に先駆けビル管理を一括して受託する為のアプローチを行っている。

 

▼グループ会社で一括して受託できる"総合ビル管理会社"

 同社の強みは何よりも、警備から設備管理・修繕・点検・清掃などのビル管理まで、グループ会社で一括して受託できる"総合ビル管理会社"であること。この"一括"という部分は顧客にとっても、コストの低減に繋がるメリットがある。

 また、創業以来、営業利益・経常利益の黒字を継続しており、前期まで12期連続で増収も果たしているという業績の安定度も大いなる強みであるが、これには警備事業や清掃業務がストックビジネスであることが寄与しているという。

 そして、上記のように設立時の大株主が金融機関であったこともあり、金融機関向け機械警備等の定評が高いことも大きな差別化である。1967年に、同社が設置した機械警備が事件を未然に防いだのをきっかけとして、大阪市内の金融機関等への普及が加速したとのことだ。

 

 事業環境であるが、警備市場の市場規模は、警察庁の調べによると2022年度で3兆5,250億円、前年比713億円増加しており、コロナ禍前に戻りつつある。また、ビル管理市場は、矢野経済研究所調べによると、2022年度の国内ビル管理市場規模(元請金額ベース)は45,889億円で、こちらも前年度比105.7%となっており、両市場ともに足元で拡大している状況だが、その両市場ともに、AIIoT、ロボットによる人手の代替手段の開発が課題となっているという。

 

 このような事業環境のもと、同社は20224月に20233月期から20253月期までの3期の新たな第12次中期経営計画を定めた。

 これは、2030年の在りたい姿として掲げている2030ビジョン「将来にわたり想定される環境下において求められる安心・快適を永続的に提供できる企業」という将来ビジョン達成のために、この3年間にすべきことを定めたもので、「構造改革への挑戦」をスローガンに、「社会的要請に応え、成長・発展し続ける企業グループ」を目指す姿としている。

 

▼大阪・関西万博の警備を幹事会社である共同企業体として受注

 事業構造の改革推進を目的とした具体的な成長戦略として掲げていることは、「警備事業ポートフォリオの革新」、「ビル管理事業ウエイトの拡大」で、2024年度の経営指標の計数目標として、2021年度274億円であった売上高を350億円に、8億円であった営業利益を17.5億円に、同じく8億円であった経常利益を19億円に拡大させることを定めている。

 そして、同時に、サステナビリティ経営の徹底を目指し、社会的価値の高い企業であるべく、サステナビリティ活動の基本方針・マテリアリティに基づく取組みの推進、SDGsの取組みを進化させ、脱炭素経営に取り組むこと、そして、2030年度温室効果ガス排出量2013年度比▲50%実現に向けた取組みを強化するという。

 

 大阪といえば大阪・関西万博という大きなイベントが控えているが、この警備を同社が幹事会社である共同企業体として受注することが決定した。

 思えば、現在、警備を主体業務とする企業7社が上場しているが、うち関西に本社を置く企業は同社だけである。創業当初から、金融機関や地元大阪企業とのパイプを太く育てていった同社。大阪・関西万博の警備受注を語る社長の顔は、まさに"関西PRIDE"で満ち溢れていた。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■東洋テック IRサイト https://www.toyo-tec.co.jp/ir/

 

代表取締役社長 池田 博之 様と

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