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76日の「アサザイ今日の1社」は、ASNOVA9223・名証ネクスト)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 上田 桂司 様にお越しいただき、事業内容や収益モデルについてお話を伺いました。

 

同社は2013年に設立、2019年に現在の社名ASNOVAに変更し、今年の4月に名古屋証券取引所ネクスト市場へ上場されました。

事業内容は、仮設機材、足場機材をメーカーより仕入れ、仕入れた足場機材をお客様である足場施工業者や地域の工務店、中堅ゼネコンにレンタル・販売、一部足場工事を行っております。その中でも主に「くさび緊結式足場」を取り扱い、全社売上のうち約84%がくさび緊結式足場のレンタル売上によるものです。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

ASNOVA9223)(名証ネクスト)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 上田 桂司(うえだ けいじ)様

 

「明確なパーパス」

 

▼"「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす。"

足場のレンタルを主要事業として2013年に愛知県名古屋市に設立した会社で、今年20224月に上場を果たした。

社名のASNOVA"明日の場"であり、社会に新たな価値を作っていきたいと考えているという。非常に見やすいパーパスブックを作成しているが、その中で同社の存在理由であるパーパスを"「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす。"と定めている。

 

足場の歴史は古い。2500年前にピラミッドが造られた際にも、既に足場が使われていたと言われているが、現在においてその重要性はますます増しており、全ての新しい建物を建築する際にはもちろんのこと、リフォーム工事の際にも、そして社会のインフラ整備にも、また自然災害が発生した際にも必要なものとなっている。

 

▼足場ビジネスの収益モデルの特徴がそのまま強みとなっている

この足場ビジネスであるが、収益モデルに大きな特徴がある。

同社が購入した足場機材は5年で減価償却が終わるが、実際は10年、20年、30年と使用が可能である。同社はこれまで、毎年約9億円弱の足場への投資をしてきたが、今年度はこれを約15億円に増額し、次年度以降については約20億円の投資を行うとしている。既に同社が保有している足場機材のうち、5年の減価償却期間を終えたものが約70億円分あり、減価償却を終えていないものが約20億円分、つまり足場機材トータルとしては約90億円分保有しているが、これに上記の金額が加わることになる。

 

足場機材の稼働率を維持しながら、保有量が上がるということは、おのずとレンタル売上、利益増加を意味するが、いずれ足場投資がひと段落し、安定期・回収フェーズに移ると、減価償却費はどんどん下がるため、現在よりもさらに利益の向上が見込まれることになる。これは、特徴であり、そのまま収益モデルとしての強みであろう。

 

現在、全国、5つの営業所と17拠点の機材センターで展開しているが、今年度、佐賀県鳥栖市と栃木県河内郡上三川町に機材センターを2店、新規出店し、19拠点に拡大する。今後も積極的に新規出店を継続し、「いつでも、近くで、安心して借りられる」を実現していきたいと考えているという。実際にニーズは高く、対応しきれていないとのことだ。

 

この5月に今年度から2025年3月期までの3期の中期経営計画を開示したが、この足場機材センターの新規出店継続のほかに、全国のパートナー企業へ、足場機材、機材管理やシステムなどのノウハウ、ASNOVAの看板等を提供するASNOVA STATIONというビジネスも今年度中に開始する予定としている。パートナー企業は機材を管理する土地や人員だけ用意すれば良いことになる。

 

▼不安材料が見当たらず、事業が大きく拡大する蓋然性は極めて高い

また、新規顧客の拡大として、既存顧客からの紹介、WEBマーケティングの推進、DX化が遅れている足場業界において、WEBでの受発注システム導入などにより、現在年間約150社超の新規顧客数を、2025年3月期には年間で300社の新規顧客獲得を目指すことも謳っている。

 

そして、最後に掲げているのが海外事業戦略であり、まずは今年度中にベトナム現地法人を設立するという。2017年からテストマーケティングを行ってきた結果、同国は著しい経済成長のもと需要の拡大が想定されることはもちろんであるが、日本の足場機材の安全性の高さからベトナム製品より高い信頼を得ていることが分かったという。

 

 事業環境も非常に明るいものがある。例えば経年マンションの修繕の問題であるが、築30年以上のマンション戸数は2030年には2020年対比で約1.7倍、2040年には約2.4倍になるとの試算がある。また、リフォーム需要の増加、近年多発する自然災害時の需要、建設業界の人材不足(同社が扱う「くさび緊結式足場」は保管・運搬効率、施工効率も良く、施工費用も比較的安い)への対応力など、同社事業について、現在あまり不安材料が見当たらないことは確かである。今回の上場を、"足場"ならぬ"足がかり"として、同社の事業が大きく拡大する蓋然性は極めて高いと判断する。

 

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。
今回はロングインタビューもアップされております。是非お聴きください!

 

それでは来週もお楽しみに!

 

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