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6月1日の「アサザイ今日の1社」は、アサヒホールディングス(5857)を放送しました。

 

同社は、貴金属などの希少資源をリサイクルすることにより、再生製造されている非常にSDGs貢献度の高い企業です。1952年に創業、1999年に店頭公開、翌年に東証2部、2002年に1部上場されました。

 

今回は、代表取締役社長 兼 CEO 東浦 知哉 様にお越しいただき、事業内容や強み、成長戦略についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

アサヒホールディングス(5857)(東証プライム市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 東浦 知哉(ひがしうら ともや)様

 

「事業、そして内なる部分でのSDGs推進」

 

▼SDGsに直結する「貴金属事業」と「環境保全事業」

創業は1952年。1999年に店頭公開を果たし、その翌年に東証2部に市場昇格し、2002年に1部に市場変更となった。「この手で守る自然と資源」をパーパスとして掲げ、金、銀、パラジウム、プラチナといった「貴金属の回収・精錬・製品加工」や、「産業廃棄物の適正処理・再資源化」というSDGsに直結した事業を、国内38拠点、海外10拠点の全48拠点で行っている。

 

前者は「貴金属事業」、後者は「環境保全事業」とセグメントづけできるが、「貴金属事業」は、前期2022年3月期の全社売上高1924億円のうち、約9割を占める主力事業であり、実際には、電子・半導体製造業、化学・自動車触媒製造業、自動車解体業、宝飾加工・流通・買取業、歯科医院・技工所、鉱山などから発生する原材料をもとに貴金属地金を製造している。

 

この事業は地域で言うと、日本、韓国、東南アジア、北米で行われているが、この中で北米での事業について解説すると、鉱山産業から供給されるプライマリーと呼ばれる原材料の取扱いに加えて、ニューヨークやロサンゼルスに集積する宝飾産業から供給されるセカンダリーと呼ばれる原材料も取扱い、リサイクルに用いている。

 

もう1つのセグメントである「環境保全事業」は、製造、建設、医療、教育などの幅広い分野から排出される産業廃棄物の適正処理を行っている。処理が難しい廃棄物の無害化やその再資源化においてこれまでの実績が豊富で、高い評価を得ているが、12の処理工場を含めて25の事業拠点により、北海道から沖縄までの全ての都道府県で事業が展開していることも特長だ。

 

また、この事業の拡大に向けて、計画的に設備投資を行い、段階的にその処理能力を拡大させている。焼却炉を例にとると、2018年に鹿児島市で1基、2020年と2021年に北九州市で2基、2025年に横浜市で1基(予定)といった具合で最新鋭炉を建てている。

 

それぞれのセグメントに3つの「強み」

「強み」であるが、「貴金属事業」のそれは、「営業力」、「技術力」、「IT活用と情報武装」の3つが挙げられる。

「営業力」を表すと、正社員による顧客に密着した型営業によって、貴金属の全回収分野におけるシェアナンバーワンの地位を保っていることが全てだ。具体的な数字で示すと、昨年度約30%から40%程度が同社のシェアで、特にデンタルについては約7割の圧倒的なシェアを有している。

 

また、「技術力」であるが、積極的な技術投資を行った結果、高精度回収を実現しており、このことが、高い買取価格と高い回収返却量の実現という結果につながっている。そして、最後の「IT活用と情報武装」であるが、ITの利用により、リアルタイムの相場価格で買取りを実現するとともに、貴金属売買サービスの提供を行うことが可能な「メタルアカウントシステム」によって、顧客は任意のタイミングで取引が可能な状況を提供している。

 

続いて「環境保全事業」における強みだが、こちらも3つ挙げられる。その1つ目は「広域のリソース配置」であり、これは日本全国に営業員を配置し、また、廃棄物ライセンスを取得することによって、あらゆる廃棄物処理を実現しているということだ。

そして2つ目は「顧客ニーズを起点とする事業運営」である。自社、協業パートナー含む幅広いソリューション綱を構築しており、高い顧客満足度が実現できている。

最後の「M&Aの実績」は、これまでのこの事業においてM&Aを行い、投資に関わる金額の数倍のキャッシュフローを生み出してきたという実績である。

 

▼「生産性の向上」と「SDGsの推進」に真っ向から取り組み成果を挙げる

人類社会がその存続のためにSDGsを必要とする中、同社のビジネスはそれがそのままSDGsに直結するものとなっているが、資源再生や環境保全のビジネスは産業社会や市民社会の要請に沿って、間断なく稼働することから、しばしば「人体の静脈」に例えられ、その役割の重要さが指摘されている。

 

そのような中、同社は展開する事業だけでなく、"内なる部分"においても、SDGsの取組みを高めている。今年4月、茨城県坂東市にアジア最大の貴金属リサイクル向上を完成させたが、これによってこれまでは神戸において行っていた成型や刻印も含めた全工程が集約され、一気通貫でリサイクルを完成させることが可能となった。工場間輸送を無くすということは、コストだけでなくCO2の削減にも結びつくことだ。また、最先端技術の導入により、工場の所要人員を約2割、そして薬液等の原単位使用量を約4割も削減することにも成功している。

「生産性の向上」と「SDGsの推進」。今の日本が求められている2つの大きな課題に真っ向から取り組み、そして成果を挙げている同社の姿を、これからも私は「成功例」として紹介していきたい。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 

それでは来週もお楽しみに!

 

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