お知らせ:

朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

番組へのお便りはこちら

 12月15日の「アサザイ 今日の1社」は、中山福(7442、東証1部)を放送しました。

 今回は、常務取締役 管理本部長 兼 グループ事業部長 兼 経営企画部長 橋本 謹也 様にお越しいただき、沿革、事業内容の説明、業界の特徴やシェアなど、中期経営計画等についてお話を伺いました。

 同社は、家庭日用品などの生活用品を取り扱い、全国のホームセンター・スーパーマーケット等の小売業者に販売する専門商社です。

 2013年から、創業100周年に向かって取り組むべき成長戦略として中期経営計画「中山福NEXT10」をスタートさせています。4つの経営戦略を策定し、「ものづくり事業の強化」「卸売事業の拡充」「物流体制の再編・強化」「海外事業の基盤整備」を中心に事業展開・組織変更・投資等を行なっております。

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

----------------------------------------------------------------
取材後記
中山福(7442)(東証1部)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、常務取締役 管理本部長兼グループ事業部長兼経営企画部長の 橋本 謹也(はしもと きんや)様

「次の100年を生き抜くために」

▼創業以来90年以上にわたり、メーカーと小売業者を橋渡しする役割を果たす
 「中山福松商店」として大阪市内で創業されたのが大正14年、1925年のことで、もうじき創業100周年を迎えられる。創業以来90年以上にわたり、キッチン用品、ダイニング用品などの家庭用品を全国のホームセンター・スーパーマーケット等の小売業者に(卸売業として)販売するという、メーカーと小売業者を橋渡しする役割を果たしてきた。

 このスーパーマーケットやホームセンターとの取引の開始、そしてその拡大がそのまま事業の拡大に結びついたのだが、1999年にはブランド管理およびオリジナル商品の輸入開発を目的とした自社ブランド「ベストコ」を開発した。現在ではこの「ベストコ」が、今後の同社の業績拡大を担う1つの大きな事業となっている。

 また、2013年からは「株式会社ENICY(旧:ロイヤル通販株式会社)」、「株式会社インターフォルム」、そして「グリーンパル株式会社」をグループ化し、卸売事業の拡充というグループシナジー効果を意識した展開を行ない、それぞれのグループ会社で園芸用品の製造、 家具・建具・インテリア用品の製造、照明器具、時計、その他インテリア及び生活雑貨の開発・輸入、中山福オリジナル商品の開発輸入及びブランド管理、そしてインターネット通信販売事業などを行っている。


▼物流拠点の拡大・集約化で効率的な物流オペレーションを実現
 同社は、国内において北は北海道札幌支店、東北仙台支店から、南は九州福岡支店、そして沖縄営業所まで10の事業所を構え、全国展開で事業を行っている。そして、この事業の全国展開を支える物流網を備えていることだけでも強みであるが、近年では倉庫を増築し、物流拠点の拡大・集約化と営業体制の強化を行うことで、より効率的な物流オペレーションを拡充している。これらは全て、取引先の幅広いニーズに応える豊富な取扱い商品を全国にお届けすることを可能とするためだ。

 また、同社の事業は、家庭で使用するフライパン・鍋などのいわゆる「生活必需品領域」であり、急速な成長性は見込めないものの、一方で景気の波に左右されにくいというディフェンシブな一面があることも強みと言えよう。このことが、同社の堅強な財務体質に結びついている。毎年、着実に事業を拡大し、そして財務面での強化を続けてきたということだ。その結果、自己資本比率は67.8%と、事業領域や地域を拡大する際に、レバレッジ(有利子負債)を用いるのが一般的な卸売業や小売業の平均的な数値に比べて極めて高い水準となっている。そして、この安定した強固な財務体質に基づき、既存ビジネスからの脱却を目的とした成長戦略の策定などを行うことが可能な状態を長らく維持してきたということになる。


▼中山福の成長戦略
 成長戦略であるが、冒頭にも書いた創業100周年に向けた9年間を3つのフェーズに区切り、それぞれのステージで中期経営計画を立て、これを実行する指針を示しており、今期はその第2フェーズ最終年にあたる。第2フェーズにおいて大きな目的として掲げているものは「既存ビジネスからの脱却」。具体的には「ものづくり事業の強化」、「卸売事業の拡充」、「物流体制の再編・強化」、「海外事業の基盤整備 の4つであり、これまでに記した「ベストコ」、「グループシナジー効果を意識した事業展開」、「倉庫の増築、物流拠点の拡大・集約化」もこれらに沿ったものである。

 そして、来期以降の最後のフェーズに掲げていることは「連結経営による更なるものづくり事業の拡大」である。現在のステージの大きな目標である「ものづくり事業の強化による収益構造の変革」を経て、この第3フェーズに大きな成長を遂げ、創業100周年の第79期(2025年3月期)に、売上高700億円を展望するということを経営指標の計数目標としている。

 これらの3つのフェーズは実は、2015年に創業90周年を迎えた際にこれからの10年間の成長戦略として定めた「中山福NEXT10」によるものであるが、この「中山福NEXT10」の中で最も大きな意味を持つのは「次の100年を生き抜くために」という部分であろう。堅固な財務体質のもと、"その後の100年"の中で、確実な歩みを続け、どのようなタイミングでどのような新しい事業分野、また、海外戦略が採られていくのかを見守っていきたい。
---------------------------------------------------------------

 取材後記は以上です。いかがでしたか。

 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
いつも聴く!ポッドキャスト
中山福 IRサイト

常務取締役 管理本部長 兼 グループ事業部長 兼 経営企画部長 橋本 謹也さまと