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 3月10日 の「アサザイ 今日の1社」はヤプリ(4168・東証マザーズ)を放送しました。

 今回は、株式会社Yappli 取締役CFO 角田 耕一様にお越しいただき、事業内容・機能・収益モデル・顧客数・強み等についてお話を伺いました。

 同社は、2013年2月にプログラミング不要でネイティブアプリを簡単に制作、運営できるクラウド型のプラットフォームを提供することを目的として設立され、現在ノーコードのクラウド型アプリ運営プラットフォーム「Yappliシステム」の企画・開発・販売を行っております。
 
 「Yappliシステム」はノーコードでネイティブアプリをスピード開発できる他、機能やデザインを自在に更新することが可能な管理画面を備えています。そして、ユーザーのアプリ活用状況等を流入経路などが可視化されたダッシュボードによって、素早いPDCAサイクルを運用することが可能です。またGoogleアナリティクスやAppsFlyerを用いたデータ分析、DMPやDWHとのデータ統合を行うことも可能な為、データ分析という点でも非常に強みを発揮しております。

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
ヤプリ(4168)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、取締役CFOの 角田 耕一(つのだ こういち)様

「ノーコード」

▼ノーコードアプリ開発プラットフォーム提供会社として世界初上場
 「モバイルテクノロジーで世の中をもっと便利に、もっと楽しく」という経営理念を掲げられ、昨年2020年12月に上場されたが、同社は2013年2月に、プログラミング不要のいわゆるノーコードでネイティブアプリを簡単に制作、運営できるクラウド型のプラットフォームを提供することを目的として設立された。

 ノーコードプラットフォームの歴史は実は長く、2000年代にはWebサイトをノーコードで開発するプラットフォームが出現し、昨今ではECサイトをノーコードで開発できるプラットフォームが躍進しているが、同社はそのなかにあって、スマートフォンアプリを開発することができるプラットフォームを提供しているという点で世界でも稀有な企業であり、この分野においてリーディングカンパニーであると考えられる。提供しているプラットフォームの名は「Yappliシステム」。また、ノーコードアプリ開発プラットフォームを提供する会社として上場を果たしたのは、同社が世界で初めてでもある。

 一般的に企業が自社のネイティブアプリを作成する場合(スクラッチ開発)、まず、アプリの企画/設計やデザインを外部に委託し、次にシステムインテグレーターがその開発を行い、アプリストアを申請することとなるが、その後の保守運用、効果の分析もまた外部の企業に発注し、追加のシステムのアップデートも再びシステムインテグレーターに委託するということになる。

 この様に複数の委託先を介する為、その都度支払う手数料やコミュニケーションコストが嵩むことで、費用面でも運用面でも負担が大きくなるという課題と直面するとともに、この開発には各OSへの対応という不可欠なニーズから、iOSとAndroidの2つの異なるプログラミング言語を用いて並行で開発を進めなくてはいけないという問題がある。

 この点、「Yappliシステム」は、同社がソフトウェア・アプリケーション開発プラットフォームをクラウド上で提供しており、ネットワーク経由で利用できるというSaaS型プラットフォームであり、顧客企業にアプリ開発技術が無くても、ドラッグ・アンド・ドロップなど直感的な操作を行うことによって、デザインの設計、変更、機能の登録、プッシュ通知の送信などの"機能"を備えた必要なネイティブアプリの開発が可能で、しかもそれをiOSとAndroidの双方で行うことができる。

▼「Yappliシステム」の機能
 この「機能」の部分について深く説明すると、上記「プッシュ配信機能」とは配信タイミングと対象者の掛け合わせからプッシュ通知を送ることができる機能であり、その他、APIによって顧客ポイントサービスと連携し、ポイントカード/会員証を表示できる「ポイントカード機能」、QRコードを読み取り、スタンプカードにスタンプを付与することができる「スタンプカード機能」、アプリ内に動画を埋め込み、自動再生できる「エンベッド動画機能」、商品カタログやルックブック、チラシ等のあらゆる紙媒体を配信できる「電子書籍機能」、配信コンテンツに対して毎月継続型の月額課金が実施できる「アプリ内課金機能」、前に登録しているメールアドレス/パスワードでユーザー認証を実行する「認証機能」など、スクラッチ開発に見劣りしない実に40以上もの充実した機能が提供されている。

 同社の事業領域は「大企業×消費者向けアプリ」というドメインであるが、その収益モデルは、導入時に同社が初期制作サポートを実施した対価として受領する「初期制作収入」、Yappliシステム利用料及び保守運営料として毎月受領する「月額利用料」、(「ベース利用料金」と有料オプション機能やプッシュ通知を受領できる端末数に応じた「従量課金方式により加算される追加料金」により構成される)からなる。

▼産業や業態にとらわれない様々な課題解決のソリューションを提供
 「Yappliプラットフォーム」が提供する主なソリューションとしては、「Yappli for Marketing」と「Yappli for Company」の2つがある。前者は店舗・施設への集客支援、ECサイトへの集客支援、オウンドメディアの運営支援、そして、アプリ内で入金や出金状況を確認することが可能な残高照会機能の金融機関への提供などが該当するが、後者の例を挙げると、紙のカタログや営業資料をアプリに集約して常に最新の情報を取引先へ届けることが可能な「販売支援」や、全国の自社店舗や支店、フランチャイズ店に接客マニュアルや研修動画を配信する「スタッフ教育支援」、採用、総務、IRなどバックオフィス業務に関するニュースやコンテンツをアプリで配信する「バックオフィス支援」、また、その他のソリューションとして、学生手帳や学内掲示板の情報を、アプリを通じて電子化することで各学生に応じた最適な情報配信が可能となる「学校支援」なども行っており、産業や業態にとらわれない様々な課題解決のソリューションを提供していることは、同社の強みであろう。

 比類なき柔軟性と機能性を備えたこのプラットフォームは多くの顧客の支持を得ており、既に400社以上に導入された実績を誇っているが、その月次解約率は2016年12月期より1%未満という極めて低い水準を継続している。
 世界各国の人口に対するIT技術者の割合から見ても、日本のIT人材不足は深刻である。また、米国と比べて日本のSaaS導入率が極めて低いということは、逆に国内のSaaS市場の成長ポテンシャルが高いということを物語っている。このような環境において同社が、クラウドシステム開発市場、また、従来のマーケティングメディアの市場についてビジネスとして捕捉する可能性があると考えている市場規模の最大値は約3.8兆円。極めて高い開発技術力を既に備えている同社の事業が拡大する蓋然性は極めて高いと判断する。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか。

 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 それでは来週もお楽しみに!

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