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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 1月23日の「今日の1社」は、MCJ(6670、東証2部)を放送しました。

 今回は取締役社長兼COOの安井 元康様にお越しいただき、事業内容と沿革、強み、市場環境、中計と株主還元等についてお話を伺いました。

 同社の事業はPC関連事業と総合エンターテイメント事業の2つで構成されており、PC関連事業は乃木坂46のCMでおなじみの「マウス」ブランドが主力に、パソコン製造・販売、周辺機器の販売を展開。総合エンターテインメント事業は総合カフェ「aprecio」の店舗運営が展開されています。

 業績は好調で、中計発表後2期連続で売上高・各利益ともに過去最高を達成、中計最終年度である進行期においても増収・増益が計画されています。

 井上哲男から取材後記が届いておりますので、ぜひご覧ください。

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取材後記
MCJ(6670)(東証2部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。

お相手は、取締役社長兼COO の 安井 元康(やすい もとやす)様。

「ROICの重要性を認識する企業」

▼連結売上高1,000億円を達成
 早いもので、今年、上場から15周年を迎える。上場の翌年からM&A戦略を遂行し、その3年後には連結売上高1,000億円を達成した。同社の知名度が一気に上昇したのが、アイドルグループ乃木坂46を起用したTVCM。「マウスコンピューター」の名前が世に浸透した。

 インタビューの中で社長が語ったのが、それまでマウスコンピューターの(PC)購買層は30代、40代が中心であったが、それが広がりを見せているということ。

 もっとも、この、これまでの購入層、利用者層が示していることは、同社のひとつのエッジであり特長でもあった。
 というのは、同社の製品に差別化を認識している人に、ゲーマー、クリエイター、そして、(株式などの)ディーラーなどがおり、最新技術が反映され、カスタマイズ対応を行ってくれる特定用途向けハイスペックPCの分野では以前から有名であったのだ。
 
▼幅広いセールスチャネルを保有
 しかし、同社は、一部のユーザー向けのハイスペックPCだけではなく、きちんとグループ全体で幅広いセールスチャネルを保有している。具体的に書くと、個人向けには、ECサイト、70以上の直営店舗(「UNITCOM」が行う事業)、大手量販店、OEM供給などのルートを有しており、法人向けには、各種法人への自社営業部隊による直販や全国展開されているIT販社との協業に加えて、有名なECサイトの利用も行っている。

 そして、一気通貫のバリューチェーンモデルが完成されており、24時間365日稼働の自社コールセンターや国内自社修理拠点の確保という体制が採られている。同社の製品が、スペック比で価格優位性が高い、また、安心感が提供されていると言われる所以であろう。

 海外展開もユニークである。昔からファンの多い「iiyama」のモニタについては、欧州で各国の代理店経由で販売が行われており、新たにグループ入りした「RLOGIC」は、東南アジア5ヶ国で事業展開を図っている。これは、修理をIT機器メーカーからの受託によって行うというサービス提供である。

 PCの出荷台数という市場全体での縮小がイメージされ、それを懸念される投資家もいるかもしれないが、それがそのままニッチユースを含む全ての市場の縮小を意味しているのでは決してない。

 近年のVRブーム、eスポーツ熱などは、ゲーミングPCなど、同社の得意とするハイスペックPC市場にとっては追い風であり、この分野は成長市場となっていることを忘れてはならない。

 また、少し意地悪な書き方となるが、市場全体が縮小傾向となっても、同社のシェアはまだまだ小さく、国内市場という同社にとって巨大な市場において、マーケットシェアを拡大する成長機会は確実に存在しているのだ。


▼中期経営計画も順調に進捗
 番組の中でも紹介したが、今年度最終期を迎えている中期経営計画(3カ年計画)は、既に過去2期において十分に達成されている。極めて順調な進捗であるが、私が強調したいのは、その中計の中身の"濃さ"である。

 ガバナンスコードにおいて、昨年から「資本コストの認識」が必須となったが、同社は「 ROIC 」という、投下資本からどのくらい(税引き後)営業利益を獲得しているか、言い換えれば、付加価値が生み出され企業価値がどのくらい増加しているかを計測しているのである。

 この「ROIC」の計算は、結果的に同社が採ってきたM&A戦略に活かされてきたことであろう。
 そして今後の事業展開において、1つの鍵となる言葉を社長は述べられた。それは、「『ハード(取扱製品)』 と『コンテンツ・サービス』の両分野について、両者は独立したものではなく、相互依存関係にある」というものだ。
 今後は、この後者「コンテンツ・サービス」において、新たな事業に取り組むことが想定される。これにより、「一気通貫」がさらに完成形に近いものとなる。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 本日の放送はオンデマンド配信にて早速アップされております。是非お聞きください。

 それでは、来週もお楽しみに!

(関連リンク集)
MCJ IRサイト 
アサザイ(2019.1.23放送分)

取締役社長兼COOの安井 元康さまと