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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 5月23日の「アサザイ 今日の1社」は、メドピア(6095、東証マザーズ)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 CEO 石見 陽 様 にお越しいただき、会社の紹介・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」・事業内容・新規事業について、詳しくお話を伺いました。

 同社の運営している、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」は、全国の医師が地域や専門を超えて臨床経験を共有するオンラインプラットフォームです。

 コミュニティサイトの参加者は、国内医師の「3人に1人」にあたる「10万人以上」にのぼり、コミュニティの質も入会時の厳重な医師資格認証により維持されています。その為、1人の医師が目の前の患者の治療に迷ったとき、「MedPeer」という「全国の医師の集合知」が、最適な治療法を見つけることを、サポートすることを可能にしました。

 事業も2018年3月にスギHDとの業務資本提携を実現させるなど、積極的に展開中。FY2020の時価総額500億超えを目標として、現在も取り組みを続けています。

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
メドピア (6095) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は、代表取締役社長CEO の 石見 陽(いわみ よう)様。

「集合知」

▼医療業界に潜む真の課題解決に挑む
 医師専用のコミュニティサイトである「MedPeer」の運営で知られている同社が上場したのは2014年の6月のこと、もうじき丸4年を迎える。経営メンバーは、現役医師とIT業界の牽引者で構成されており、医療業界に潜む真の課題を、ITビジネスにより持続的に解決していくことに挑んでいる。

 「MedPeer」は、全国の医師が地域や専門を超えて臨床経験を共有するオンラインプラットフォームであり、入会時に厳重な医師資格の認証が行われる。これにより、コミュニティの質を維持しており、現在、国内医師の3人に1人にあたる、10万人以上の医師がコミュニティに参加しており、会員医師の属性分布は、日本の医師全体のほぼ縮図となっている。

 このサイトにおけるキーワードは「集合知」。
 1人の医師が目の前の患者の治療に迷ったとき、「MedPeer」という「(全国の医師の)集合知」が、最適な治療法を見つけることをサポートすることを可能としている。一人の医師の疑問は多くの医師の疑問かもしれない、つまり、医薬品や疾患など多様なテーマで医師同士が知見を共有することによって、さらにこの「集合知」が高い水準へと形成されていくことになる。

 この「MedPeer」には、番組でご紹介した以外にもさまざまなページがある。
 「薬剤評価掲示板」・・・口コミ件数は50万件以上。医師同士が薬剤の処方実感を口コミで共有しており、「処方のさじ加減」や「副作用情報」など、臨床現場で活躍する医師からの口コミと、薬剤の一般情報が閲覧出来る。
 「症例相談(Meet the Experts)」・・・医師の「いまさら聞けない」臨床の疑問を解決。450名以上のエキスパートが臨床の疑問に回答することによって、医学書とは比較にならない知識が得られる場となっている。
 「症例検討会」・・・有名臨床研修指定病院の症例で、鑑別診断をトレーニングできる。主催病院から提示された症例に、医師会員が実名で鑑別診断にチャレンジし、最終的な診断に至るまでの思考プロセスを学ぶことができる。 
 「FORUM(掲示板)」・・・臨床からキャリア、プライベートまで医師同士の自由な意見交換が可能となっている。 
 「FORUM Survey」・・・3,000件以上の回答が集まる医師への大規模アンケート調査であり、臨床からライフ、時事まで、医師ならではのトピックを中心に、多数医師の考えを知ることができる。
 「MedPeer朝日ニュース」・・・朝日新聞グループの誇る国内最大級のコンテンツと「MedPeer」の医師集合知を融合した医師向け総合医療ニュースであり、医師が気になるニュースをタイムリーに配信しながら、医師同士でニュースに対して意見交換できる双方向型のニュースメディアとなっている。

 また、この他にも、エキスパートが執刀する手術動画を、エキスパート自らの解説付きで配信している「Web手術見学(Expertsʼ Surgery)」、「Web講演会」、提携する複数の医師転職支援会社の求人情報をまとめて掲載する業界最大級の医師専用求人情報サービスである「MedPeerキャリア」などがある。

▼予防医療に向けた事業を展開
 この「MedPeer」は「ドクタープラットフォーム事業」であるが、もうひとつの事業が「ヘルスケアソリューション事業」である。2016年にMediplat、フィッツプラスを子会社化し、それまでの「MedPeer」を展開する単一事業セグメントが「ヘルスケア領域全般」に拡大された。この部分が、「ヘルスケアソリューション事業」である。

 具体的には、医師および管理栄養士の専門家ネットワークを活用したコンシューマー向け事業として、予防医療に向けた事業を展開している。

 「first call」・・・Mediplatが行う事業で、日常生活における自身や家族の身体の悩みについて、チャットやテレビ電話でいつでもどこからでも医師に相談できる。一般内科や小児科、産婦人科、精神科など幅広い相談科目で、約50名の医師が実名で相談に回答してくれる。これは、主に法人の利用が中心で、例えば300人規模の会社であれば月額52,000円で全従業員が何度でも相談を受けることが可能であり、個人向けのプランも月額540円で展開している。

 「DietPlus」・・・1昨年10月にクックパッド社から株式譲渡により子会社化した「フィッツプラス」の事業であり、管理栄養士による対面カウンセリングとアプリによる毎日の食事アドバイスで、正しく食べてなりたい自分を実現することのサポートを行っている。

 特定保健指導サービスは、国の政策にも合致しており、今後市場が大きく伸びる可能性がある。ICTを活用した事業展開で更に成長することを目指している。また、ラボ(店舗)では、経験豊富な管理栄養士による体組成と食生活診断で、一人ひとりに最適な食生活プログラムを作成し、専用アプリで毎食の写真を撮って送るだけで、専任トレーナーから食事のアドバイスが提供されるサービスを行っている。(この栄養管理士ネットワークは約1,500名いる。)

▼「スギ薬局」、「エクサウィザーズ」との業務提携を発表
 そんなメドピアが新規事業を発表している。
 1つは「スギ薬局」との業務資本提携。これはスギ薬局グループのもつ、全国1,000以上あるドラッグストア等の店舗網と顧客基盤/年間780万枚以上の処方箋応需などの医療ヘルスケアにおけるリアルな顧客接点と、メドピアグループのもつ医師ネットワークおよびその集合知を組み合わせて、「健康・医療・介護領域におけるネットとリアルを融合させた地域密着型の統合的医療ヘルスケアサービス」を推進」するという。いわば、「IT×リアル」の試みである。

 もう1つは、日経NEXTユニコーン10社にも選ばれたAIベンチャーのエクサウィザーズとの業務提携。
 「MedPeerの医師集合知」や「first call」の相談データを活用したAIソリューションを開発することになるが、その第一弾が、製薬企業向けに次世代MRの育成支援サービス「HR君 for MR」の提供である。AIソリューションの対象は企業だけでなく一般消費者向けにも広がっていくことになろう。これは「AI× 医師集合知」である。

 コーポレート・ミッションとして「Supporting Doctor、Helping Patients.」、そして、そのビジョンとして、「集合知により医療を再発明する。」を掲げているが、今回紹介した事業モデルの中心に、やはりこの会社のキーワード「集合知」があることが十分ご理解頂けたと思う。
 そして、石見氏は現在も、現役の医師として週1回、外来患者の診察にあたっている。それは、実際に医療の現場で起きていることから離れずに、医師として自らも「集合知」を高めたいという意志と私は思っている。

 冒頭に書いた、「医療業界に潜む課題を、ITビジネスにより持続的に解決する」ということは、高齢化が進む日本、医師不足、看護師不足に悩む日本、へき地診療・弱者医療の問題を抱える日本、そして、財政を圧迫し続ける社会保障費問題に有効な解決手段を見出せない日本、つまり、日本全体の課題に取り組んでいることに他ならない。
 そのため、私の目に「MedPeer」は、単なるオンラインプラットフォームやコンテンツではなく、社会インフラとして必要なプラットフォームとして映るのだ。
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取材後記は以上です、いかがでしたか?

本日の放送はオンデマンド配信にて早速アップされております。是非お聞きください。

それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
メドピア IRサイト
アサザイ(2018.5.23放送分)


代表取締役社長 CEO 石見 陽 さまと