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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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6月8日「アサザイ 今日の1社」は、ノバレーゼ(2128、東証1部)を放送しました。

 今回、代表取締役社長 荻野洋基様にお越し頂きまして、事業内容、強み、そしてブライダル市場の動向まで盛りだくさんでお話を伺いました。

 貸し切り型の婚礼施設であるゲストハウスにおける「挙式・披露宴の企画・運営」、「婚礼衣装の販売・レンタル」、そして「婚礼時や平日のレストラン運営」などを中心とした「ブライダル・レストラン特化型事業」を運営している同社。昨今では、旧来型の結婚式場やホテルや歴史的建造物を婚礼施設として再生させる「結婚式場再生事業」も高い評価を得ています。

 今回は、井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
ノバレーゼ (2128) (東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の 荻野 洋基 ( おぎの ひろき )様。
「ブランドイメージを作るよりも大変なこと」

▼「堅実な事業成長」の礎となるもの
 「やっと、『アサザイ』でご紹介することができた」
 これまで、何度もセミナーで同社を紹介してきた私にとって、これが正直な感想である。

 ブライダル事業で着実な成長を遂げている同社。大きなセグメントのくくりは、「ブライダル事業」と「レストラン特化事業」である。「レストラン特化事業」は、ブライダル施設ではなく、純粋なレストラン運営と考えてもらってよい。

 六本木けやき坂通り(六本木ヒルズ1F)にある「Jean-Georges TOKYO(ジャン・ジョルジュ東京)」は、NYにミシュランが進出して以来、10年以上も三つ星を取り続けているシェフ、ジャン・ジョルジュが日本に進出した第1号店であるが、開店からわずか9ヶ月でミシュランの一つ星を獲得した。

 その運営にあたっているのが同社である。
 このお店の持っているノウハウが、ブライダル事業における「レストラン部門」にも活かされている。また、このレストラン特化事業は既に海外でも行なっている。2010年8月に「SHARI SHANGHAI SUSHI BAR(現SHARI MODERN JAPANESECUISINE)」を中国・上海市にオープンし、2013年7月には「Serafina NEW YORK Hapjeong Seoul」を韓国・ソウル市にオープンしている。

 主業のブライダル事業ではなく、このレストラン部門で進出し、まずはその風土を知ることから始めていると私は考えるが、水を向けると社長は「ゆっくり、じっくりとその部分は考えて進める」と述べた。この着実さが、同社の堅実な事業成長の礎であったのだと思う。

▼ブライダル事業の特徴
 主業の「ブライダル事業」はさらに3つのセグメントに分かれる。「婚礼プロデュース部門」、「婚礼衣裳部門」、「レストラン部門」である。

 「婚礼プロデュース部門」は、貸切り型の婚礼施設であるゲストハウスにおける挙式・披露宴の企画・運営を行なう。
 そのゲストハウスは、都市型施設である「モノリス」、リゾート型施設である「アマンダン」、そして、歴史的・文化的価値があり利便性の良い高付加価値建造物を活用しブライダル施設として再生させたもの( 神戸・ジェームス邸など(神戸を代表する築80年の歴史的洋館を婚礼施設兼レストランとして再生し、建設当時の姿を残した建築維持が評価されて「BELCA賞」を受賞した ))、中価格帯施設( 既存の式場・ホテル・ゲストハウスを改装した再生物件 )の4つに区分され、多様なニーズに応える受け皿となっている。

 「婚礼衣裳部門」は、2つのブランドの販売、レンタルを行っている。「ノバレーゼ」ブランドは、NNYやイタリア等で買い付けた大人のための高級ウエディングドレスであり、「エクリュスポーゼ」ブランドは、華やかでキュートなデザインのウエディングドレスである。

 「レストラン部門」は素敵なゲストハウスを有し、自信のある料理を提供しているからこそできる事業である。婚礼は土日に集中するが、それ以外の日にもレストランとして料理を提供するのである。

▼ブライダル市場の環境
 市場環境は、「少子高齢化」、「ジミ婚」、「晩婚化」など、ブライダル業界は先細りのイメージがあるが、婚姻件数自体は65万組前後で推移しており、ここ数年はほぼ横ばいである。また、晩婚化が進んでいるということは、結婚対象となる潜在人口が増加していることであり、"ある程度社会経験を積んだ大人の結婚式"にふさわしい、その多様なニーズに応えることができる業者が選択されているのである。
 また、番組でも紹介されたが、ブライダル市場は、売上高の大きい上位5社合計でもトータルシェアは14%程度であり、ガリバー企業が存在しないため、成長のチャンスが残されている。
 これらかも、物件を選別し、婚礼施設は年間3~4店舗、ドレスショップは2~3店舗の出店を行なうという。

▼ノバレーゼが意識する「おもてなしの心」
 結婚式は人生における大きなイベントであり、また、それまでお世話になった人達にその感謝の意を示すことができるイベントである。そこに通底しているものは「おもてなしの心」以外の何物でもないと思う。そして、それを示したいと思っている新郎新婦に対して提案をする側は、それ以上の「おもてなしの心」を持っていなくてはならない。

 その社員の「おもてなしの心」はどこから生まれるか。
 多くの企業に接してきた私にははっきりと分かる。それは経営の意識である。
 きちんと、「社員=人材・人財」であると認識し、活躍できる場をいかに提供できるかを考えるという努力を経営がするかどうかである。

 ブランドイメージを確立するには大変な努力を伴う。しかし、社員の士気を高め、目標を共有する社内風土を確立することはその数十倍も大変なことである。
 弊社の経営指標ランキングで継続的に上位に選ばれてきた企業にはそのことに成功した企業が多い。2010年度からの6年間、トップ500位内を維持したのは151社。同社も栄えあるその1社である。やはり、「なでしこ銘柄」はダテではない。これまでセミナーで紹介してきて良かったと、収録を終えて、心から思った。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 今回は、取材後記にも記載されている。高付加価値建造物を活用しブライダル施設として再生させた一つ、「神戸・ジェームス邸」を紹介いたします。

▼神戸・ジェームス邸
(左:エントランス、右:レストランフロア)          








 

 こちらは、1934年にイギリス人貿易商アーネスト・ウイリアム・ジェームスの自邸として建てられました。瓦屋根とぬくもり漂う外壁が印象的な、本格スパニッシュスタイルの洋館で神戸市の有形文化財に指定されています。

 長い歴史の中で迎賓館としても使われていたそうです、華やかな社交場時代の面影が伝わり。古き良き時代の情緒があふれる素敵な建物ですね。

 まじめに・誠実に、50年後も100年後も信頼される会社でありたいと語った荻野様の言葉がとても印象的でした。同社の今後の展開にぜひ注目してゆきたいと思います。

 それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
ノバレーゼ IRサイト

代表取締役社長 荻野洋基さまと