1月20日の「アサザイ 今日の1社」は、シーアールイー(3458、東証2部)をご紹介しました!
同社は国内では数少ない物流系に特化した不動産会社として、物流不動産の開発、マスターリース、リーシング、管理からアセットマネジメントまでのトータルサービスを行っています。
物を保管する施設は、以前では"倉庫"というイメージが強く、段ボールに入った荷物が棚に積み込まれている印象が強かったですが、昨今ではライフスタイルの変化もあり、翌日発送から即日発送といったスピード化が求められ、商品の管理方法が非常に高度化されています。
皆さんが普段使われているネット通販などのサービスも、物流施設の発展によって支えられているのですね。
今回は、井上哲男より取材後記が届いております、是非ご覧ください。
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取材後記
シーアールイー (3458) (東証2部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は常務取締役、亀山忠秀 ( かめやま ただひで )様。
「 ここまでやってこそ『ワンストップ』 」
▼同社を支える事業内容
昨年4月にマザーズやジャスダックではなく、いきなり東証2部という本則市場への上場で話題となった同社。ただ、その事業内容についての個人投資家の理解は、会社情報等における「業界トップの貸し出し面積を誇る物流不動産会社」という、やや漠然としたものとなっている印象を受ける。
同社の強みをひとことで述べるとすれば、「物流不動産において派生する、さまざまな事業を『ワンストップ』でこなせる」に尽きるが、その具体的な内容を書きたいと思う。
まず、土地や不動産を保有するお客さんからの相談ベースで始まる事業には、「マスターリース事業」と「資産活用事業」がある。「マスターリース事業」は平均300坪程度(延床面積)の流通倉庫物件が主であり、物件の調査、分析、査定を行ったうえで長期の契約により、その土地や建物をオーナーから借り入れる、つまり賃貸契約を結んだうえで同社がそれをテナントに貸し出す事業である。その際に、建物について、修繕(無論、新築も含む)等の必要性がある場合は、同社がその施工、建築を行うことも請け負っている。
「資産活用事業」とは、物流施設に限らず、その土地の有効活用に最も適した物件の建設に関わる相談にのる事業であり、用途も倉庫などだけでなく、コンビニエンスストアやその他の商業施設にも及ぶ。また、土地・建物の売買や相続対策、税金対策などの細かなニーズに沿った提案を行うことも可能である。「マスターリース事業」との違いは、同社がオーナーと賃貸契約を結ばないことである。昨年10月に、同社は(株)エンバイオ・ホールディングスと資本業務提携を結んだが、この会社が土壌汚染地での開発ノウハウを具備しており、市街化調整区域など、それぞれの土地の条件に沿った提案能力をより高めることに寄与している。
「マスターリース事業」同様に、物流施設を手掛ける事業に「開発事業」がある。これは、同社が能動的に大規模な物流施設を建設するものであり、現在、延床面積が約5000坪から約9000坪の「ロジスクエア」3施設を保有しているが、さらに今年度、来年度で、延床面積が約7500坪から1万5000坪を超える5施設が同ブランド名で建設される予定である。
また、不動産物件については当然、管理業務が発生する。これについて、自社が手掛けた物件で有るかどうかに関わらず、その事業施設の管理、運営を行う事業が、「プロパティマネジメント事業」である。
▼同社の強みを支えるもの
ここまでの一連の事業において、同社の強みを支えていると私が認識するものは、実際に物流施設を借りるテナントと同社の強い結びつき、ネットワークに他ならない。
同社は「LogiSquare」という業界随一の倉庫検索サイトを運営しており、この情報ネットワークを活用したソリューション提案を行うことができるということが、オーナーの高い信頼感(=満足する稼働率の提供)に繋がっている。これは「リーシング事業」と呼ばれているが、情報ネットワーク・システムの活用だけでなく、同社はもうひとつの努力を行っている。それは、企業が抱えるロジスティックの課題を同じ目線で捉え、それを提供するサービスに活かすための努力であり、具体的には、業界として初めての取組みとしてCREフォーラムを月1回開催し、ここにおいて荷主・物流企業が毎月講師となり、それぞれのテーマについて講演を行っている。約2年間(20回)の開催で参加した社数は延べ1,172社。これは新規顧客の開拓にも寄与する取組みであろう。
海外戦略においては、昨年7月にシンガポールに駐在員事務所を開設し、本邦企業の海外での流通においてのビジネス展開を視野に入れている。また、まだ売上高は小さいが、不動産ファイナンス・証券化に関わる「アセットマネジメント事業」も行っている。
ここまで「一気通貫」しているからこそ、同社は自らを「ワンストップ企業」と呼んでいるのだ。この単語を語る際に、同社はもっと胸を張ってよいと思う。但し、無論、その事業内容を投資家に正しく理解してもらうためのIRという企業努力をしたうえで、である。
▼高まるJ-REITへの期待
ここまで読んでくれた人には「J-REIT」という単語が浮かんでいると思う。
「J-REIT」という枠組みに必要な要件である、物件の目利き、オペレーション能力、ファイナンス業務への精通など、同社はもう既にこれまで培った企業としてのリソースで十分に対応できるレベルにあると私は思う。同社が何れ、J-REITへの物件の売却というレベルではなく、スポンサー会社として進出することに大いに期待したい。そして、それは大きなカタリストである。今年の正月に出版された「週刊現代 新春号」において私が同社を取り上げた理由がこれでお分かり頂けたと思う。
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取材後記は以上です。いかがでしたか。
期待されるJ-REITへの取り組みについても、亀山様より社内でも現在検討中とのお話がありました。
今後の展開にぜひ注目してゆきたいと思います。
そんなシーアールイーさんのお話を直接お聞きできるイベントが3/12に開催されます!
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「個人投資家感謝Day~春のIR祭り2016~」 3/12(土)
@東京ドームシティ プリズムホール (東京・後楽園)
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当日は井上哲男との掛け合いも予定しております。
シーアールイーさんの事を更に深くご理解いただける絶好のチャンスです!
イベントの詳細につきましては、後日ラジオNIKKEIのホームページよりアップされますので、しばらくお待ちください。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブサイト)
■シーアールイー IRサイト
▼常務取締役、亀山忠秀さまと