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 9月2日の「今日の1社」はラクオリア創薬(4579、東証JQSを放送しました!

 
 皆さんは、10年後の自分を想像することはできますか?

 企業への投資をする際、現状をみて、10年後の姿を想像できるか否かは大事なことです。

 創薬の場合、ひとつの薬が出来上がるまでに約10年かかると言われています。事業のステージや状況によっては、投資するには相対的にリスクが高いと考えられてます。なので、創薬ベンチャーへの投資は「宝探し」などと例えられるのかもしれませんね。

 ただ、本日の番組終盤で「創薬ベンチャーへの投資は宝探しではない。創薬ベンチャーは『人のため』のビジネスだ」と井上哲男が申しておりました。「人のため」ということは、ひいては「自分のため」に繫がるのかもしれませんね。

 
  

 さて、井上哲男から取材後記が届いておりますので、ご覧下さい。

 

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取材後記

ラクオリア創薬 (4579) (東証ジャスダック グロース)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の谷 直樹(たに なおき)様。

 

「 中部初、中部発 」

▼名古屋の創薬企業
 ファイザーの探索研究拠点の一つとして、「疼痛」「消化管疾患」を中核に創薬研究を行っていたファイザー(日本法人)の中央研究所が前身で、同社が2007年に世界的な体制見直しを行った際に閉鎖が決定され、スピンアウトしたことが創業のきっかけとなった。医薬品業で名古屋というと非常に珍しい印象を受けるが、名古屋大学との産学共同研究が進められ、現在はその創薬研究機能は名古屋大学内に移転している。また、昨年、京都大学iPS細胞研究所及びiPSアカデミアジャパン(株)とも共同研究契約を締結しており、現在非常に注目度が高い創薬ベンチャーの1社である。


▼1000億円と10年 

 「ひとつの薬が出来上がるまで、1000億円と10年の月日がかかる」と社長は言われた。現在新国立競技場の総建築費が1500億円程度と考えるとその大きさが分かるが、当然創薬ベンチャーは、製薬会社に技術、特許をライセンスアウトすることにより早期の資金回収を行い、その後、製薬へと育っていく過程で得られるマイルストーン収入に期待することになるが、同社の場合、既にヒト向け2種、動物向け2種のライセンスアウトを行っている。また、現在ライセンスアウト前のポートフォリオ群もとても豊富であり今後が非常に楽しみな段階まできていることは確かだ。

 

 同社の強みは「イオンチャネル創薬」とよばれる分野での技術力。詳細な説明には時間を要するが、平たくいうと「非常に幅広い汎用性を持ち、参入障壁も高いが、難易度が極めて高い」薬である。「チャネル」とは「経路」のことであり、その経路を通過する物質、成分が限定される特徴を利用した全く新しい分野の薬である。社長は、それについて「経路の門(ゲート)を開けたり、閉じたりする技術」と説明した。

 

 また、番組の中でも紹介があったが、同社は知的財産の申請を活発に行っており、特許の申請件数が非常に多い。この知的財産の企業収益化(知財ビジネス)に注目した会社施策は、日本だけにとどまらない。この8月19日に同社株は大きく上昇したが、それは、同社が創りだした「選択的ナトリウムチャネル遮断薬」の物質特許のうち、「アリールアミド誘導体」と「ピロロピリジノン誘導体」が、米国で特許査定を受けたというニュースであった。「特許査定」とは特許に関わる当局がその特許性について認めたものであり、これにより同社は特許料を納付することにより特許が得られるのである。

 
▼中部初、中部発

 まだ、非常に費用がかかる時間は続く。しかし、同社の場合、この豊富な特許およびポートフォリオ群により、一旦黒字化した後は非常に明るい展開が開ける可能性が高いと私は現段階で考えている。「中部初、中部発」の創薬ベンチャーに期待したい。(了)

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 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 

 さらにロングインタビューでも、知的財産の申請についてお話し頂いてますので、後日、オンデマンドよりお楽しみ下さい。

 

 それでは、来週もよろしくお願いいたします!

 

(関連ウェブ)

ラクオリア創薬 IRサイト

谷社長と