2月25日の「アサザイ 今日の1社」はアルプス技研(4641、東証1部)をご紹介しました!
社名の由来が気になる企業ってありませんか。
同社の場合、創業者が登山を好んでいたことと、「アルプス山脈のような雄大な企業を目指す」という目標を掲げていることから、社内に「アルプス」がついたとのことです。
今回スタジオにお越し頂いた代表取締役社長の牛嶋素一さまには、社名の由来以外にも、「正社員の技術者派遣会社」としての強みなどについてお話し頂きました。
井上哲男より取材後記が届いておりますので、どうぞご覧下さい。
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取材後記
アルプス技研(4641)(東証1部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の牛嶋素一さま。
「ジャンプアップ」
▼優秀な技術者派遣
正社員の技術者派遣会社の同社は、技術系のなかでも、その"上流工程"に強いことで知られている。正社員の教育に力を入れることにより、優秀な技術者が育ち、企業からの高い評価を受け、それが高い稼動率に繋がる。メーカーにおける製造工程の海外移転は行われているが、技術工程は、その流出を恐れて国内に留まることが多い。まして、上流工程であれば尚更のことであり、結果的に、同業と比較しても景気の波に左右されにくいという強みを持っている。
また、上流工程の派遣単価は一般のそれよりも高い。番組の中でも紹介があったが、1時間あたりの平均単価は3700円とのこと。会社によって単価は異なるが、現在の一般的な派遣業務は1時間あたり2160円程度から始まることを考えると、およそ1.5倍程度にもなる。
▼ジャンプアップ
終わった12月期の決算は絶好調。3回の上方修正を行い、売上高が200億円を突破し、営業利益、経常利益ともに16億円を超えた。この利益率はそれぞれ、8.1%、8.0%で現段階での金融を除く2014年度全社ベース集計5.7%、5.9%を大きく上回る数字となっている。
投資家の注目するROEも14.4%にまで跳ね上がった。それまでの4期も同数値は7.1%から8.4%の高い水準で安定的に推移していたが、それが一気にジャンプアップした結果、その経営指標総合順位は、対象3383社中501位となっている。これは上位から15%以内の高い順位である。
そして、何よりも同社の経営指標を語る際に忘れてならないのは、「健全配当性向」である。「配当性向の原則50%」というお話が番組の中であったが、2010年度以降の当期純利益を配当総額で除した配当性向は、51.95%、49.8%、50.6%、74.3%、49.1%と非常に高い水準で維持されている。また、外国人投資家も注目する、"真の配当性向"であるDOE(ROE×配当性向)は今回の決算で7.1%にまで上昇した。前期の5.7%という数字が全社中125位であったことを考えると、この数字が、全社の決算が出揃う5月時点で何位になるかが非常に楽しみである。
いずれにせよ、2014年度の経営指標総合順位が確定するのは5月。
2011年度1092位、2012年度467位、2013年度352位と順位を上げてきた同社の2014年度の暫定順位は、昨年11月時点で289位、この2月時点で237位である。恐らく5月の確定順位はここからさらに大きく上昇すると思われる。
▼IRの債務
番組の中でも話したが、2月12日の決算発表から昨日までで、株価は約25%上昇したが、それでもPERは東証1部の加重平均を3.5年も下回り、配当利回りは1.8%も上回っている。この市場の過小評価を埋める努力を今後も同社は続けるであろう。
IRの責務。それは、きちんと業績、業況を伝え、そして、業況にふさわしい株価に導くことである。そのことが、既存の株主価値と企業価値の増大に寄与し、「どの銘柄に投資してよいのか分からない」と嘆く投資家の道に光を照らすのである。同社の業況を、今後も投資家に伝えていきたいと思う。(了)
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取材後記は以上です。いかがでしたか?
同社は12月決算で、先日2014年12月期の決算を発表されています。過去最高業績とのことですから、チェックしておこうかと思います。
またロングインタビューが後日配信されます。今後の動きなどについてお話し頂きましたので、こちらも合わせてお楽しみ下さい。
それでは来週もよろしくお願いします!
(関連ウェブ)
■アルプス技研 IRサイト代表取締役社長の牛嶋素一さま