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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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1月11日の「アサザイ 今日の1社」は、i-plug4177・東証グロース)を放送しました。

 

今回は、代表取締役CEO 中野 智哉 様にお越しいただき、事業内容や強み、成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

i-plug(4177)(東証グロース市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役CEOの 中野 智哉(なかの ともや)様

 

「真逆の姿勢」

 

▼一人ひとりが持つ"キャリア・ポテンシャル"を引き出す

 会社設立は2012年。「我が子のために」を合言葉に創業した会社で、2021年3月に創業から10年経たずに上場を果たした。

ミッションとして掲げているのが「つながりで世界をワクワクさせる」~次世代を担う若い人材の可能性を拡げる仕組みをつくる~であるが、具体的には3年以内離職率が3割を超える深刻な就活のミスマッチ状態を社会問題と捉え、その解消を目指し、新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」、適性検査「eF-1G(エフワンジー)」の提供を行っている。

 

 現在の日本は「労働人口の減少」、「人生100年時代における多様な生き方」といった労働環境の激変が起きており、これまでの「1社終身雇用」という考え方が崩れ、岸田内閣がその言葉を多く使っていることから、「リスキリング」という考え方もより一般的になりつつある。

 

 このような状況において、同社は『キャリア・ポテンシャル』という造語を生み出した。この意味するところは「一人ひとりが持つ多様な可能性の発揮」、「100年の生涯にわたる成長」、「新しい選択肢の獲得」である。そのため、同社は「一人ひとりが持つ"キャリア・ポテンシャル"を引き出す」ことを目指し、同社自身を「あらゆる人が自分らしく活躍するための一助となるべく存在している」と唱えている。存在価値であるパーパスが明確なのだ。

 

▼就活生の3人に1人以上が「OfferBox」に登録

OfferBox」は、通常の就活サイトによくある企業を選んで自分からアプライする方法とは真逆で、学生が登録し、人柄が分かる写真、オファーに関するリクエスト、強みや価値観、過去の経験が分かる自己PRや過去のエピソード、志望する業界、職種、勤務地、企業規模、保有している資格やスキルなど、豊富なプロフィールを掲載することによって、企業側が、適性検査の結果を含む多くの検索軸から採用したい学生を絞込み、直接アプローチできるダイレクトリクルーティングサービスである。その際に、学生のパーソナリティを194項目で捉えることができる適性検査である「eF-1G (エフワンジー)」がさらにマッチング精度を高めてくれるのだ。現在、就活生の3人に1人以上がこのサービスに登録しており、非常に認知されたサービスとなっている。

 

 同社の収益モデルは、基本的に成功報酬型のサービス(前払い型の早期定額型というプランもある)であり、決定(内定)が出れば38万円が企業から同社に支払が行われる。そのため、同社には「決定が出るように」というマインドが強く醸成されており、そのマインドが「OfferBox」のマッチング精度を高める原動力となっている。

 

 また、同社は企業に対しても真剣さを求めており、(就活生向けの)オファーの一斉送信ができない仕組みを整え、学生との1to1コミュニケーションを強く推奨している。そして企業側も、同社が学生検索結果に機械学習を取り入れており、内容の濃いデータが蓄積されることによって個社毎に学生検索結果が最適化されていくという部分を高く評価しており、「OfferBox」の継続利用につながっている。

 

▼「Vision2030」として、生涯のキャリア・ポテンシャルを最大化するためのアクションをあらゆる人が実行できるプラットフォームを実現

 同社は、現在の市場環境について、これまで新卒採用のミスマッチ解消を事業の軸足としてきたが、この10年で社会は大きく変化し、現在約7,300万人の日本の労働人口が2050年には約5,000万人に減少するという総務省の白書推計から、今後は労働力不足、国際競争力の低下、国内需要の減少、社会保障制度の崩壊などを「潜在するリスク」として認識し、事業の展開を図ることを考えている。

 

このことは、「事業の寿命と働く期間の関係」にも変化をもたらし、過去の「事業の寿命の方が働く期間よりも長かった時代」が終わり、テクノロジーの進化や事業のライフサイクルの短期化といった要因により、将来は事業の寿命よりも働く期間の方が長くなることを意味している。そして、終身雇用制度が崩れ、企業と個人の関係性も、現在とは違ったものとなると同社は考えている。それは、現在の「就労前、就労中、引退後」という3ステージの人生キャリアが変化し、マルチステージモデルに移行するというものだ。

 

ここで、上記した『キャリア・ポテンシャル』の3つの意味を改めて見てみると、それらはそのまま事業環境の変化に即したものであることが分かる。そして同社は「Vision2030」として、生涯のキャリア・ポテンシャルを最大化するためのアクションをあらゆる人が実行できるプラットフォームを実現すると定めている。

 具体的な施策としては、まだまだ伸びしろが大きい「OfferBox」の成長を加速させることに加え、今年度から始めた若手層(25歳から30前半)の転職市場における課題解決に向けた転職プラットフォーム「PaceBox」の拡大、新たな事業の柱として育てるということも含まれている。

 

 そして私は、今年度同社が行った2件のM&Aにも新たな方向性を感じている。

9月に食品業界特化の就活イベントを企画・運営する株式会社マキシマイズをグループに招きいれ、翌月には就活カフェ事業であるHELLOVISITS事業をVisits Technologies株式会社から譲り受けている。

お分かりであろうか、ネット上だけでなく、イベントやリアル店舗において企業と出会うという新たな価値を同社は生み出そうとしているのだ。

 

 冒頭に書いたように、同社の創業時の誓いは「我が子のために」。

全ての就活生を我が子と考え、就活のミスマッチを社会問題と捉え、就活生と企業の両方に真摯さを求め、そしてつなげるプラットフォーム。就活の流れは間違いなく真逆の姿勢を採った同社に向いている。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■i-plug IRサイト https://i-plug.co.jp/ir/

 

代表取締役CEO 中野 智哉 様と

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