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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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12月27日の「アサザイ 今日の1社」は、Fast Fitness Japan7092・東証プライム)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 山部 清明 様にお越しいただき、事業内容や中期経営計画等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

 

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取材後記

Fast Fitness Japan(7092)(東証プライム市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 山部 清明(やまべ きよあき)様

 

「価値訴求のサービス業 -第2エンジン点火-」

 

▼日本国内で24時間ジムを出店したパイオニア

 街でよく目にする「エニタイムフィットネス」を運営されている企業であるが、この「エニタイムフィットネス」は、2002年にアメリカで発祥した24時間マシン特化型のジムで、同社は2010年の設立後、そのマスターフランチャイジーの権利を取得し、国内で初めて24時間ジムを出店したパイオニアである。

 その後、直営展開、FC展開により店舗数が増加し、現在は全国47都道府県全てに進出を果たし、2023年9月末時点で国内1,100店舗を構え、国内会員数も81万人を突破している。

 

 「エニタイムフィットネス」の特徴として、24時間どの時間帯でも、そして、国内外5,500店舗のどこでも利用可能なフィットネスジムであることがまず挙げられるが、マシンジムに特化していること、安全で快適な施設とスタッフのサポートにより「安全・安心・清潔・快適」を謳っていることも加えられる。

 

 「エニタイムフィットネス」は、前述のとおり、直営店とFC店で構成されるが、FC店と言っても飲食業界やコンビニエンスストア等のフランチャイズと異なり、初期投資が約1億円と比較的高いことから経済基盤の強いFCオーナーが集まるという特徴がある。そして、900店舗を超えるFC店舗のオーナー数は、実は約160人と少ない。つまり、店舗運営での成功体験から、一人で数店舗のオーナーとなるケースが多いのだ。

 店舗面積が80120坪が中心で、小商圏でも成り立つビジネスモデルとして総合型フィットネスが出店困難なエリアにも出店できることも特徴である。有人スタッフの時間があることで質の高い店舗運営が可能となっている一方で、固定費が低く抑えられることから、損益分岐点が低い店舗モデルとなっており、少人数・短期集中型のパーソナルジムと違い、定額の会費性なため、安定的にキャッシュが流入するストック型のビジネスモデルとなっていることも特徴である。この点が、売上に収入が大きく左右される飲食業界やコンビニエンスストア等のFC店との違いである。

 

24時間型フィットネスジムへの需要は増大傾向

 事業環境について、社長は、エネルギー価格の上昇による店舗運営コストの上昇は継続しており、また、異業種との物件取得競争、店舗賃料の引き上げなど環境は厳しいと分析されたが、それでも24時間型フィットネスジムへの需要は増大傾向が続いているという。

 事実、同社は3月決算であるが、この11月の第2四半期決算発表時に、通期の業績について、売上高、各利益ともに上方修正している。また、9月末時点での会員数81万人超という数字は、1年間で9.5万人増加した計算となり、1店舗当たりの平均会員数も1年で、690名から737名に増加している。

 

 なぜ、このように好調な業績となっているのかであるが、総合スポーツジムは、今年の春先から会員数前年度割れが続いている状況となっており、また、24時間マシン特化型ジムは参入障壁が低いことから、同社の平均7,000円の会費に対し、同額、または同額以下で出店する競合が進出しているのにもかかわらず、同社は創業時より、徹底した"価値訴求のサービス業"という姿勢を貫いているため、競合が増えても"価格訴求の戦い"には巻きこまれず、会員数が増え続けているという。

 

▼「第二の創業」の覚悟で収益を生む新ビジネスや会員の利便性向上にチャレンジ

 今後の成長戦略であるが、同社は11月に今期から2026年3月期までの3か年の中期経営計画を発表した。

 それによると、同社のさらなる成⻑のためには、これまでの延⻑線上の取り組みだけでは不⼗分であり、日本国内のエニタイムフィットネス拡大という強⼒な「第1エンジン」に加えて、新たな「第2エンジン」を点火し、より高いステージを目指すとしている。

 そして、この第2エンジンとは、新たな収益を生むビジネスの展開や会員様の利便性の向上を指し、「第二の創業」をする覚悟で新たなチャレンジに臨むという。

 

 中期的に目指す姿、戦略として掲げたのは、「新規出店による事業規模のさらなる拡大」、「既存店舗の収益性向上」、「新たな顧客体験の創造によるブランド価値向上」、「新たな成⻑領域の開拓」。

 具体的な施策として、MAによる店舗数拡大も積極的に検討し、中期的に1,400店舗をめざした出店の推進を行うとともに、様々な企業・団体など、新たなパートナーシップとの協業を通じた店舗形態の実現も進めると語った。大学キャンパス内や⼯場近隣の社員寮などの新たなタッチポイントの獲得がこれを指す。

 

 そして、新規に導入予定であるアプリ「エニタイムフィットネスアプリ」により、顧客満⾜度・利便性を高めるとともに、会員管理システムとも連携することで、トレーニングメニューの作成、トレーニング予約、物販など、会員情報と連携したサービスの提供を行うという。また、新たなサービス創出の⽅向性として示したものは、ウェルネス産業・病院など、他社とのコラボレーションの検討である。そして、海外進出、新ブランドフィットネス展開という将来に向けての大きなカタリストについても本格的に進めるという。

 

 今回の中計における20263月期の経営指標の計数目標は、売上高:19,500百万円、営業利益:3,400百万円という高いものだが、この営業利益については、5年以内、つまり20283月期までには、海外・新ブランド・新事業による積み上げによって、4,000百万円を目指すという。

 企業体として、その健康状態は極めて良好である。

 

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

Fast Fitness Japan IRサイト https://fastfitnessjapan.jp/ir/

 

代表取締役社長 山部 清明 様と

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