お知らせ:

朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

番組へのお便りはこちら

1月17日の「アサザイ 今日の1社」は、三重交通グループホールディングス(3232・東証プライム、名証プレミア)を放送しました。

 

今回は、取締役 増田 充康 様にお越しいただき、事業内容と強み、中期経営計画等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

----------------------------------------------------------

取材後記

三重交通グループホールディングス(3232)(東証プライム市場 名証プレミア市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、取締役の 増田 充康(ますだ みちやす)様

 

「基本理念に忠実」

 

▼4つのセグメントがリスクに強い事業体制を構築

 グループの母体である三重交通が誕生したのは戦時下の1944年。今年、グループ設立80周年を迎えられる。

 

 戦後、グループの事業の多角化を進め、現在の事業セグメントは、運輸、不動産、流通、レジャー・サービスの4つに区分されているが、まず「運輸セグメント」は、乗合、貸切バスの事業が中心で、地域の日常を支えるバスの安全・安心・安定・快適な運行がグループ各事業の信用の源泉となっている。また、前期2023年3月期の連結営業収益に占める同セグメントの比率は約22%程度となっている。

 

 2つ目の「不動産セグメント」は、マンション・戸建住宅の分譲、ビル・商業施設の賃貸、不動産管理などを通じて、快適な都市空間・住空間を提供する事業であり、再生可能エネルギーの一つである太陽光発電もこのセグメントに含まれる。そして、同セグメントは全社ベース連結営業収益の34%程度を占めており、収益面でグループを支える存在となっている。

 

 3つ目の 「流通セグメント」は、ガソリン等の石油製品の販売やバス・トラックの販売に加えて、生活用品販売の「ハンズ」をフランチャイズで経営しており、連結営業収益に占める割合は30%程度となっている。

 

 最後の「レジャー・サービスセグメント」は、ビジネスホテル、旅館、ドライブイン、ロープウエイ、ゴルフ場の運営などを行っており、連結営業収益に占める割合は12%程度である。この最後のセグメントは、新型コロナの影響を大きく受けたが、感染症法上の分類が5類へ移行した後は、宿泊、レジャー需要が戻ったことから業績が急激に回復しており、特にビジネスホテル「三交イン」は回復スピードが速く、現在は、コロナ前を上回る業績で推移しているという。

 

 このように、4つのセグメントでバランスよく事業を行っており、また、この4つの異なるセグメントが連携し、相互に補完しながらリスクに強い事業体制を構築していることが同社グループの強みである。実際に、コロナ禍では、運輸、レジャー関連の事業に大きな影響が出たが、不動産セグメントの賃貸、太陽光発電の収益がグループ全体の業績を下支えし、深刻なダメージを受けることはなかった。この太陽光発電は、2013年から事業としての活動を開始し、現在の発電所数が33、発電規模が114メガワットにまで拡大している。発電した電気は国のFIT制度に基づき、全て電力会社に買い取られるため、毎年50億円程度の安定した収入が得られている。これは、同業他社にはあまりない、同社グループの大きな強みであろう。

 

▼成長ドライバーとなる不動産セグメントの賃貸事業へ重点的に資金を配分

 成長戦略であるが、同社グループは2023年5月に、2027年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を公表し、「安全・安心・安定・快適なサービスの提供」をはじめとする基本方針のもと、6つの重点施策を掲げている。

 

 その重点施策のひとつが、「成長ドライバーとなる不動産セグメントの収益基盤の拡充」。

 今年度は、三重県伊勢市で稼働中のオフィスビルと愛知県豊橋市で賃貸中の商業地を取得し、今春には、リニア開業効果が期待される名古屋駅の東と西のエリアに、コンセプトが異なる2つのビルを開業するが、地元三重県の近鉄四日市駅前にも県下最大級のオフィスビルを建設しており、来年2025年春の開業を予定している。このように不動産事業により、今後も更なる収益基盤の拡充を進めることが本中計の大きな柱である。事実、中計期間内に430億円の投資を予定しているが、将来の収益の柱となるよう、不動産セグメントの賃貸事業へ重点的に資金を配分する姿勢を明確にしている。

 

▼「成長性」、「健全性」、「効率性」の3つの計数目標

 また、今回の中計の経営指標における計数目標であるが、「成長性」、「健全性」、「効率性」の3つの観点から目標を立てている。

 その「成長性」であるが、前期931億円であった営業収益を、不動産セグメントの賃貸事業の拡充等により、最終年度に1,100億円に、前期63億円であった営業利益を85億円に、最終利益である親会社株主に帰属する当期純利益を前期の37億円から55億円に、それぞれ拡大させるものとなっている。

 「健全性」は無論、財務健全性のことであり、前期末31%であった自己資本比率を、持続的な成長と経営環境の大きな変化に対応できる安定した財務基盤を維持するために35%程度に高め、有利子負債/EBITDA倍率については6.2倍から6倍以下に低下させるという。

 そして、「効率性」は資本から生み出される利益の効率性のことであり、ROEを前期の7.5%から9%程度に引き上げる計画となっている。

 

 最後のリスナーに向けてのひとことのコーナーで、取締役は自社グループのことではなく、三重県の魅力を語られ、是非お越しください、皆様のお越しをお待ちしておりますという言葉で結んだ。

 それは、「お客さまの豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献します」という同社グループの基本理念に忠実な事業を80年に亘り続けられてきたことを示すのに十分なものであったように思う。

----------------------------------------------------------

 

取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■三重交通グループホールディングス IRサイト https://holdings.sanco.co.jp/ir/

取締役 増田 充康 様と

アサザイ_20240117_三重交通グループHD.JPG