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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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11月1日の「アサザイ 今日の1社」は、関通(9326・東証グロース)を放送しました。

 

今回は、取締役副社長 達城 利卓 様にお越しいただき、事業内容や強み、成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

関通(9326)(東証グロース市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、取締役副社長の 達城 利卓(たつしろ よしたく)様

 

2024年問題への答え」

Eコマース物流のパイオニア

 同社の創業は1983年であるが、創業者で現在の社長である達城久裕氏がトラック一台で軽貨物運送業として創業するとともに、トラック倉庫の空き時間で何かできないかという発想で顧客の商品保管の需要をヒアリングし、保管業務も開始したという。

 その後、2000年代初めに個人宅配送の需要をいち早くキャッチし、物流サービスを始めたことが、「イーコマース物流のパイオニア」と自認する成長のキッカケとなった。

 

 同社の現在の事業は、小売業者の倉庫業務に特化したもので、事業セグメントは「物流サービス事業」と「ITオートメーション事業」の2つに分けられる。

 「物流サービス事業」は、物流の倉庫内オペレーションのうち、受注処理と物流の領域、具体的には、受注処理から入荷・入庫に伴う在庫管理、物流事務、ピッキング、梱包・出荷といった領域の事業であり、「ITオートメーション事業」は、倉庫管理システム「クラウドトーマス」に代表されるシステムを提供する事業であるが、このシステムは同社が実際に倉庫管理をするうえで蓄積したノウハウ、ソリューション力を備えたものであり、「プロの物流会社が提供する『WMS(倉庫管理システム)』」として高い評価を獲得している。

 

▼自社リソースによる改善と同時に様々な企業との連携でビジネスチャンスの拡大に取り組み続ける

 この培った経験、Eコマース物流のパイオニアとして30年の歴史に裏打ちされたノウハウを有していることが同社の強みの第1である。

 そして、2つ目はAI/ITを駆使して「既存の枠」にとらわれない事業を行ってきたということだ。この2つが、「ITオートメーション事業」として体現されていると言える。

 このことは、3つ目に副社長が言われた「物流に絡むあらゆる新規事業に挑戦している」という強みにつながっている。言い換えれば、自社リソースで改善に取り組み、また、様々な企業と連携することにより、ビジネスチャンスの拡大に取り組み続けているということである。

 

 これらの「強み」は、同社の今後の成長戦略にも十分活かされている。

 現在、物流業界は働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、自動車運転業務の時間外労働時間が年間上限960時間に制限されることによって生じる「物流2024年問題」に直面しているが、この問題への取り組みが、企業の浮沈を決めると言って過言ではないだろう。

 

▼「冷凍冷蔵の共配網の構築」に着手

 同社は、まず「物流サービス事業」については、既存事業の拡大として、食品の冷凍冷蔵企業との協業を進めることを掲げている。

 「物流2024年問題」は、そのままドライバー不足を意味するが、食品の冷凍冷蔵企業については、この問題を抱える一方で、高齢者社会の到来による食品EC化率の上昇が見込まれ、それに対応した冷凍技術の進歩が求められている。これにより、温度管理が必要となる輸・配送は、社会から供給の強化を求められているとも言える。同社は、これを物流企業として取り組まなければならない課題の1つと認識し、「冷凍冷蔵の共配網の構築」に着手するという。このプロジェクトは同社単独でなく、信頼しあえるパートナー企業と一緒に、スピード感を持って推し進めていくと語った。

 

 また、「ITオートメーション事業」においては、自社開発の受注管理システム『ECOMS』の開発・導入、そして外販を最大の成長戦略として位置づけている。

 この『ECOMS』を導入すると、これまで決まった時間に受注し、それに合わせて作業を行っていた結果生じていた空き時間をなくし、24時間365日自動で受注処理を行い、物流に使う時間が増加することにより生産性が向上するという。このECOMSを軸に大手ECモール課題への対応やECOMS自体の外販等により、今後ビジネスの拡大を図るという。

 

 「ピンチをチャンスに」。

 これまでもさまざまな業界においてその地図の塗り変わりはこの事象を経て生じてきた。ドライバー不足であれば倉庫内業務で出来ることは何か?このことを考え続けた同社の成長戦略は、今後の同社の大きなカタリストとなる可能性を秘めている。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■関通 IRサイト https://www.kantsu.com/ir/

 

取締役副社長 達城 利卓 様と

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